《冷たい部長の甘い素顔【完】》第49話 してる……
どれくらいの時間が経ったのだろう。
私には分からないけれど、將軍さんは、しばらくそのまま抱きしめ続けた後、そっと囁いた。
「爽がしい。
爽の全部がしい。
爽…いい?」
將軍さんのこんな熱い告白を聞いて、ダメなんて言える人がいるだろうか。
私は、將軍さんの首にそっと腕を回して抱きついた。
「………うん」
私は、彼の首元に顔を隠して、小さく答える。そんな私を、將軍さんは、ぎゅっと抱きしめてくれる。
しばらくして腕を緩めると、將軍さんは、私を真っ直ぐに見つめる。
優しい瞳に微かに熱を宿して、見つめられると、照れや恥ずかしさと共に、私の奧にも微かな熱が燈ともる。
そのまま、どちらからともなく、が重なった。
何度も、何度も、口づけをわす。
將軍さん、大好き。
こんなに人を好きになれるなんて、思ってもみなかった。
が離れた後、將軍さんは、私を膝の上から下ろす。
そして自分も立ち上がると、
「爽、おいで」
と私の腰に手を添えて、奧の扉へといざなう。
私は、促されるまま、將軍さんに従った。
初めてる將軍さんの寢室。
モノトーンで落ち著いた部屋。
シーツにも一切のれがなく、綺麗に整えられている。
將軍さんは、掛け布団をさっとめくると、ベッドの縁に腰掛け、私の手を引く。
並んで腰掛けると、將軍さんの手がうなじに添えられた。
「爽……
してる……」
そのささやきと共に、熱く深いくちづけが始まる。
「爽……」
「爽……」
將軍さんが、何度も優しく私の名前を呼んでくれる。
私は、幸せの海に溺れる。
將軍さん……
してる……。
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