《冷たい部長の甘い素顔【完】》第51話 爽!

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10月15日   月曜日

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翌日。

特に何事もなく、平穏な1日が終わろうとしていた。

ただ、先週の水曜のことがあって依頼、服部さんが、「爽ちゃん」「爽ちゃん」と何かにつけて纏わりついてくる事には、し困っているけれど。

おそらく、將軍さんも日に何度も話しかけられているのには、気付いているよね。

18時。

仕事を終えた私は、機の上を片付けて席を立った。

「お先に失禮します!」

私が挨拶をして、帰ろうとすると、

「爽!」

と後ろから呼ぶ聲がする。

えっ?

明らかに將軍さんの聲。

でも、ここ、會社……。

さっきまで、將軍さんは、ちゃんと「園部」って呼んでたはず。

驚いた私が振り返ると、鞄から取り出した鍵を揺らしている將軍さんと目が合った。

フロアに一瞬、靜寂が訪れる。

「7時には上がれると思うから、部屋で待ってて」

將軍さんの顔には、普段、仕事中には見せたことのない、優しい微笑みが浮かんでいた。

「……はい!」

私は、喜んで駆け戻り、鍵をけ取る。そして、もう一度、

「お先に失禮します」

と挨拶をして、その場を後にした。

すると、後ろでざわめきが起こるのが、背中越しにでも分かる。

だけど、私は足を止める事なく、會社を出た。

將軍さんは、今頃、どんな顔をしているんだろう?

私はひとりでにくすくすとこみ上げてくる笑いを抑えられず、周囲からへんな視線を浴びながら、將軍さんの家への帰路に著いた。

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