《冷たい部長の甘い素顔【完】》第62話 旅行へ

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12月23日   日曜日

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私たちは、初めての一泊旅行に來た。

彼の運転で、彼が手配した宿に泊まる。

ふふふっ

すご〜く楽しみ!

わくわくする!

「ぅわぁ!」

2時間くらいドライブして、ようやく著いたのは、趣ある溫泉旅館。

正面玄関の傍には、小さな池があり、ツツジのような灌木が植えられている。

水の中には、優雅に泳ぐ金や赤の緋鯉の姿が4〜5匹見える。

また、竹を格子に編んだ垣や、すでに葉を落とした庭木なども、和の雰囲気を醸し出している。

「いいところだね」

私は、將軍さんにそう言って、そのまま手を繋いだ腕を抱き込むように寄り添った。

嬉しくて、うきうきしてくる。

「気にってくれた?」

そう尋ねる將軍さんも、嬉しそうに微笑んでいる。

「うん。すごく嬉しい」

私の返事を聞いて、將軍さんはきゅっと繋いだ手を握り締めた。

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ロビーにり、け付けを済ませると、私たちは、仲居さんに案され、部屋にる。

私は、驚きすぎて固まってしまった。

仲居さんは、そんな私をよそに、簡単に必要事項を説明をすると、お茶をれて、挨拶をして部屋を出て行く。

それを見屆けて、私は口を開いた。

「將軍さん、これ、凄すぎない?

いいの?」

將軍さんは、笑っている。

二間続きの広いお部屋に、天風呂とお庭が付いている。

一緒にサイトを見てた時は、普通のお部屋だったのに。

「爽とのんびりしたかったんだ。

俺が、爽との事をオープンにしたばっかりに、この2ヶ月々しなくていい苦労をさせたからな」

將軍さんは、そう言って私の頭をポンポンと軽くでる。

「そんなの、全然苦労じゃないよ。

將軍さんがオープンにしようって言ってくれたおかげで、堂々と一緒に出勤したり、お弁當食べたりできるんだから」

初めこそ、みんなの好機な視線が気になったけど、人の噂もなんとやら。

75日どころか、1週間くらいで収まって、あとは平穏な日々を過ごしている。

を置いて、仲居さんがれてくれたお茶を飲もうと座布団に座ると、後から來た將軍さんが、そのまま後ろからふわりと抱きしめてくれる。

「爽がいてくれて良かった。

偶然、爽と出會えた居酒屋にも、俺のわがままな異願いを聞いてくれた社長にも、謝しなきゃな」

「ふふふっ、

私も將軍さんに出會てよかった」

あの時、一生、はしないって思ってた。

一生、獨で仕事をがんばるって。

あの時、出會ったのが將軍さんだったから、私はもう一度、に落ちたんだ。

思い、思われることが、こんなに幸せだなんて、初めて気づいたよ。

將軍さんは、私を抱きしめたまま、耳元でささやく。

「爽、今日は一緒に風呂ろうな」

「え!?」

今……、なんて……?

天風呂。

せっかく部屋に付いてるのに、爽は大浴場で別々にる気?」

えっ、それは、だって……

私は、赤い顔を見られたくなくて、俯いて、手の中の湯呑みを見つめる。

今まで、2ヶ月くらい、將軍さんの家にほぼ同棲狀態で一緒にいるけど、一緒にお風呂なんてったことがない。

「くくくっ、

爽、かわいいなぁ」

そうこぼした將軍さんは、私の耳たぶにキスをする。

「ンあっ!」

その途端、私は、思いがけない聲がれて、力が抜けた。

抱きしめる將軍さんの腕の中で、將軍さんに支えられて、なんとか姿勢を保つ。

「くくっ

やっぱり爽はかわいいなぁ」

そう呟いた將軍さんは、私を座り直させると、私の頭をくしゃりとでた。

將軍さんは、そのまま向かいの席に用意されたお茶を引き寄せて、私の肩を抱いたまま一口飲んだ。

「今日と明日は、爽と目一杯イチャイチャする予定だから、覚えておいて」

そんな事を耳元で囁かれて、

「え?」

と驚いて顔を上げると、そのままに軽くれるだけのキスを落とされた。

「ふっ

驚いて目を丸くする爽もかわいい」

なんだろう?

今日は、やたらかわいいを連呼されてる気がする。

將軍さんが、ずっと甘々だから、こっちが照れるよ。

將軍さんの顔が、なんだか恥ずかしくて見られない。

私は、再び俯いたまま、顔を上げられなくなった。

もう、將軍さんってば、困るよ……

「お茶を飲んだら、近くを散歩してこようか?

溫泉街だから、お土産屋さんもたくさんあるし。たしか、足湯もあったはず」

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