《冷たい部長の甘い素顔【完】》第65話 天風呂
再び、將軍さんのが重なり、私のを割って深いものへと変わっていく。
「爽……
一緒に風呂ろう?」
「………」
私は恥ずかしくて返事もできない代わりに、こくんと頷いた。
將軍さんが起き上がったので、私も上半を起こすと、立膝をついた將軍さんは、私をそのまま抱き上げた。
私はとっさに、將軍さんの首に捕まった。
「え!?   あの! ちょっと!
將軍さん!?
だから、重いから!
あの!   下ろして!
お願い!」
なんで將軍さんは、食べ過ぎていつも以上に重い時ばかり、お姫様抱っこをするの?
私が何を言っても、にっこり微笑んだ將軍さんは、全く下ろしてはくれなくて……
「爽が、逃げるといけないから」
そう言って、將軍さんは、ニヤリと笑った。
なっ、何、言って……
私は、一瞬、言葉を失う。
「逃げないから、下ろして!」
ようやく絞り出した言葉も、全て聞き流され、私は、天風呂脇のスペースまで運ばれてから、ようやく下ろしてもらえた。
だけど、それだけでは終わらない。
將軍さんは、用に私の服を剝ぎ取っていく。
「あのっ……」
將軍さんを止められない私は、おそらく真っ赤になっているであろう顔を見られないように、下を向く。
私から、全ての類を剝ぎ取り、生まれたままの姿にすると、將軍さんは満足そうに、
「すぐに行くから、先にってていいよ」
と言って、ちゅっと口づけた。
やだ。
あり得ない。
私は逃げるように天風呂に行き、かけ湯をして、湯に浸かる。
私だけが全の狀態でキスなんて、恥ずかしすぎる。
キン……と音がするような冬の外気にれ、し冷めたのか、ややぬるめのお湯に、私は、肩まで浸かる。
けれど、なぜか湯に浸かっていない顔だけが、茹でだこのように火照るのをじていた。
そうするうちに、將軍さんも掛け湯をして、湯にってきた。
私は恥ずかしくて、1番奧に逃げるように座っていたのに、そんなに広くない個室の天風呂だから、手の長い將軍さんに簡単に捕まってしまう。
後ろから抱きすくめられながら、湯に浸かっていると、元々茹でだこのようだったのに、さらに違う意味でのぼせそうになる。
「爽……
綺麗だよ……」
そんな事、耳元で囁かないで……
どうしていいか、分からなくなるから……
將軍さんは、後ろから私の首元にキスを落とす。
そこ、跡が殘ると見えちゃう……
そう思いながらも、私には、將軍さんを止めることはできない。
そうするうちに、だんだんと將軍さんの手が、不穏なきを始める。
「將軍さん……
あの……
ここ、お風呂です……」
私は、し息をしながらも、それとなく制すけれど、將軍さんは全く構いなしに、私にれ続ける。
「ああ、そうだね」
そう囁きながら、今度は耳たぶを軽く食む。
「……んぁ……」
私が、思わず吐息をらすと、將軍さんは嬉しそうに囁く。
「爽、我慢しないで……」
私は將軍さんに翻弄され続け、將軍さんに溺れていく。
今夜、私たちは、いつになく長湯をした。
お湯がぬるめで良かった。
私たちがお風呂から上がると、將軍さんは、自分の髪はそのままに、ドライヤーを持って、私の髪を乾かす。
將軍さんに髪をられるのは、とても気持ちいい。
うっとりと目を細めていると、
「爽のその顔、めっちゃそそる……」
と囁かれた。
やだ……
今日の將軍さんは、なんでそんなことばかり言うの?
言われた私は、恥ずかしくて仕方ない。
なんて答えていいかも、分からない。
今日の將軍さんは、野獣だ。
私のも心も溶かして、抗えない私を快楽の淵から戻れなくする。
私たちは、日付が変わるまで、互いの想いを確かめ合った。
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