《冷たい部長の甘い素顔【完】》第68話 社長宅へ

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1月5日 土曜日

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私たちは、休日にもかかわらず、將軍さんはスーツにネクタイ、私はワンピースと、だしなみをきちんと整え、家を出る。

將軍さんの車で向かったのは、社長宅。

將軍さんが玄関のインターホンのボタンを押すと、

「はーい!

秦野くん、今、開けるから、待っててね」

と専務の明るい聲が聞こえた。

社長夫人である専務は、ハキハキとした明るい。その上、優しくて、いつも心遣いが行き屆いているので、私の理想の像。

すぐに、玄関のドアが開けられ、家に招きれられる。

和室に通されて、「どうぞ」と座布団を勧められる。

私たちは、その座卓前に敷かれた座布団に正座して、社長を待った。

張するね」

私は、小聲で將軍さんに話し掛ける。

どうやら、將軍さんも張しているようで、ただ無言でうなずいた。

すぐに、左手のふすまが開いて、社長がいらっしゃった。

私たちは、すぐに座布団を下りて立ち上がる。

「本日は、お忙しい中、貴重なお時間を取っていただき、ありがとうございます」

將軍さんが頭を下げるのに合わせて、私も一緒になって頭を下げる。

「いや、他ならぬ秦野くんの頼みだからね。

どうぞ、お座りください」

社長に促されて、私たちは再び正座をする。

「で?

話って、何?」

社長は、いつも通りにこにこと尋ねる。

將軍さんが、ちらりと私を見るので、私は無言で微笑んで返した。

將軍さんは、社長に向き直り、居ずまいを正す。

「実は、この度、ここにいる園部 爽さんと結婚することになりまして……

つきましては、社長に仲人をお願いできないかと思いまして、厚かましくもお伺いいたしました」

將軍さんは、用意していた挨拶を一息に吐き出した。

「うんうん。

君たちが、わざわざうちに來るってことは、そうじゃないかと思ってたよ。

まずは、おめでとう。

秦野くん、本當に良かったね。

園部さんも、秦野くんの良さに気づいてくれて、本當にありがとう」

社長は、本當に嬉しそうに、うんうんとうなずきながら、お祝いの言葉をくださる。

そこへお茶を乗せたお盆を持って、専務がっていらっしゃった。

「せっちゃん、やっぱり、この2人、結婚するんだそうだよ」

社長が専務に話し掛ける。

せっちゃんとは、専務節子せつこさんのこと。

「まぁ! やっぱり!

お似合いだと思ってたのよ。

ほんと、良かった!」

お茶を出しながら、専務も喜んでくださる。

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