《冷たい部長の甘い素顔【完】》第71話 結婚式
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3月21日   木曜日   
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その日、私は、將軍さんと一緒に選んだ真っ白なドレスをにまとい、大きな扉の前で父と並んで立つ。
「お父さん、今までありがとう」
私は、父の顔を見るのが照れ臭くて、扉に向いたまま呟いた。
しばらくの沈黙が続き、聞こえなかったのかと思ったその時、父が口を開いた。
「禮は、いらない。
代わりに、いつか生まれるお前の子供にそれ以上のことをしてやれ」
おしゃべりな母にいつもやられっぱなしに見えた父だけど、大人になってみれば、父がいつも家族を見守っていてくれたから、母も私たちも、のびのびと幸せに暮らして來れたのかもしれない。
私が、改めて、父の偉大さをじていると、ギィ……と、かすかにきしむ音を立てて、禮拝堂の大きな扉が、ゆっくりと開いていく。
「どうぞ」
小聲で、扉の影に隠れたスタッフの指示があり、父が一歩、歩み出す。
私は、その父に合わせて、一歩、また一歩とゆっくり、バージンロードを歩んでいく。
私の行く先には、大好きな將軍さん。
ベンチの最前列で歩を止めた父。
私は、父の腕を離し、將軍さんの元へ一歩踏み出す。
ふふっ
將軍さんでも、張するんだ。
私は、いつもより固い表の將軍さんの腕を取る。
そこで、私たちは、永遠のを誓い、指を換した。
將軍さんは、ゆっくりとベールを上げる。
張した面持おももちの將軍さんの顔が、ややぎこちなく近づき、そっと口づけをわす。
29歳の誕生日。
私は、秦野爽になった。
將軍さん、私をしてくれて、ありがとう。
私にを伝えてくれて、ありがとう。
將軍さん、私は一生、あなたのものです。
將軍さん、大好き!
永遠にあいしてる……
───   Fin.  ───
本編はこれで完結ですが、
この後、將軍編・その後と続きます。
ぜひ、最後まで、お楽しみください。
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