《冷たい部長の甘い素顔【完】》將軍編 第2話 異願い
・:*:・:・:・:*:・・:*:・:・:・:*:・
9月8日   土曜日
・:*:・:・:・:*:・・:*:・:・:・:*:・
仕事が殘っていた俺は、翌日休日出勤をする。
仕事をしながらも、思い出すのは、昨日の事。
異願い、出してもいいものだろうか?
俺は、迷いながら、仕事を続け、一段落した所で、気分転換に休憩所にコーヒーを飲みに行った。
すると、コーヒーを飲んでる俺の橫を偶然にも社長が通りかかった。
「ああ、秦野くん、今日も休日出勤?
殘業代も出ないのに、いつも悪いね〜」
と気のいい笑顔を見せる。
この人は、ものすごく仕事ができる人なのに、全然それをじさせないくらいに溫和だ。
「いえ、ちゃんと役職手當はいただいてますから」
そう、俺は、部長だから、管理職としての手當ては付いているが、その分、どれだけ働いても殘業代は、一切出ない。
「じゃあ、無理のないように、頑張ってね」
そう言って、にこにこと通り過ぎようとする社長を、俺は、
Advertisement
「社長!」
と思わず呼び止めた。
「ん?   何かな?」
どうする?
これはあくまでも私的なことだ。
言うべきじゃない。
『なんでもありません』って言えば、それで済む。
そう、俺は、分かってたんだ。
正しい社會人として、どう行すればいいのか。
だけど、俺は、振り向く社長に、
「話があるんですが、あとで社長室に伺ってもいいですか?」
と聲を掛けた。
「もちろん」
社長はにこやかに答える。
……ああ、言ってしまった。
5分後、
コンコン…
俺は、社長室をノックする。
「どうぞ」
社長の聲を確認して、ドアを開ける。
「失禮します」
本當にこんな希を出してもいいんだろうか。
今なら、まだ間に合う。
なんでもありませんって言って、ドアを閉めればいい。
そんな迷いが顔に出ていたんだろうか?
社長は、自分から話を振ってきた。
「秦野くん、何か相談事?」
「え?」
なんで……
「顔に書いてあるよ。
うちには子供がいないからね。
僕は勝手に秦野くんをうちの子みたいに思ってるんだよ。
だから、遠慮しないで、何でも相談して」
社長は、相変わらず、にこにこと笑顔で言う。
ほんと、社長には、敵わないな……
「実は、異をしたくて……」
言ってしまった。
もう、後には引けない。
「異?」
「はい。
企畫部に行かせていただけませんでしょうか?」
開き直った俺は、姿勢を正して、まっすぐ社長に向き合う。
「ほう……
企畫部とは、ピンポイントな指定だね〜。
理由を聞いてもいいかな?」
社長は、一瞬、首を傾げると、そのままを乗り出して尋ねる。
「それは……
個人的な希としか……」
理由を言ったら、絶対に通らないだろう。
こんなあり得ない私的な理由……
それでも、俺は、社長に噓をつきたくなくて、曖昧にごまかすことしかできない。
「うん。
で?
どんな個人的希?」
「………」
社長は、簡単にはごまかされてはくれない。
まぁ、當たり前といえば、當たり前なんだけど。
俺は、なんでそんな曖昧な言い訳でごまかせると思ったんだろう。
俺は、ひとつ深い深呼吸をしてから意を決して口を開いた。
「園部 爽さんです。
実は、恥ずかしいんですが、今まで、ずっと片思いをしてました。彼氏がいると聞いていたので諦めてたんですが、どうも最近、彼氏と別れたみたいなので、ダメ元で行してみようかと思いまして……」
まぁ、ダメだろうな、こんな理由……
けれど、社長は分かってるのか、いないのか、相変わらずにこにこしている。
と思ったら、社長は、うなずきながら口を開いた。
「うんうん、園部さんは、いいよね。
秦野くんには、ピッタリだと思うよ」
社長が.園部 爽をお気にりなのは、本社の人間ならみんな知っている。
特に、部長以上の役員の間では、有名な話だ。
社長は、しばらく思案した後で、口を開いた。
「……うん! 分かった。
私は、秦野くんを応援させてもらうよ。
ただし、條件がいくつかあるんだけど、いいかな?」
ん?
條件?
なんだ?
社長は、人が良さそうに見えて、実は、意外としたたかなところがある。
「何でしょう?」
俺は、し張ぎみに、その條件とやらを確認する。
すると、社長はさも當然と言わんばかりに、さらっと答える。
「彼を結婚退職させない事」
「は?」
俺は、思わず耳を疑った。
もっととんでもない條件が來ると思ってたのに……
売り上げを2倍にしろとか、集客率を上げろとか……
「だから!
まず、ひとつ目!
秦野くんには、がんばってもらって、なんとしても園部さんとのお付き合いを勝ち取ってもらいましょう。
次に、ふたつ目!
さらに、そのままがんばって仲良くしてもらって、いずれは、園部さんと結婚してください。
最後に、3つ目!
秦野くんには、仕事に理解ある夫になってもらって、家事も上手に分擔してもらって、園部さんには定年まで働いてもらってください。
あ、もちろん、産休や育休はとってもらって大丈夫だから。
以上が、私の希なんだけど、葉えてもらえるかな?」
なんだ、それ!?
ひとつ目さえクリアできれば、あとは、そんなに難しい要じゃない。
問題は、ひとつ目をクリアできるかどうかだ。
「………できる限りの努力はしてみます」
俺は、明言は避けた。
こればかりは、園部 爽次第なんだから、仕方ない。
それにしても、社長、どんだけ園部の事好きなんだ!?
でも、まぁ、結婚退職させないようにするだけで、彼を手にれられるなら、安いものだ。
俺は、彼のためなら、いくらでもがんばれるんだから……
高校で幼馴染と俺を振った高嶺の花に再會した!
「ごめんなさい、友達としか見れません」 俺は淺い付き合いからいきなり告白する他の人とは違う。こいつと積み上げてきた時間の密度が違う。 そう自信を持って告白した俺、桐生陽介は困惑した様子ながらもハッキリと返事をする"高嶺の花"藍田奏に、あっさり振られた。 あれから半年。高校生となった俺は再會した幼馴染の香坂理奈、藍田奏と同じ高校へ! 幼馴染と高嶺の花、そして部活。 さまざまな要素が入り混じる、新しい學校生活が始まった! 小説家になろうで190萬pvの作品です! コメント嬉しいです、ありがとうございます(*^◯^*)
8 188引きこもり姫の戀愛事情~戀愛?そんなことより読書させてください!~
この世に生を受けて17年。戀愛、友情、挫折からの希望…そんなものは二次元の世界で結構。 私の読書の邪魔をしないでください。とか言ってたのに… 何故私に見合いが來るんだ。家事などしません。 ただ本に埋もれていたいのです。OK?……っておい!人の話聞けや! 私は読書がしたいんです。読書の邪魔をするならこの婚約すぐに取り消しますからね!! 本の引きこもり蟲・根尾凜音の壯絶なる戦いの火蓋が切られた。
8 186本日は性転ナリ。
如月瑠衣(きさらぎ るい)は、ごく普通の男子高校生として代わり映えの無いつまらない毎日を送っていた。 しかし"ある日"を境に、その"代わり映えの無いつまらない毎日"は虛実が混じり合って作られた"幸せで平穏な日々"だったのだと思い知らされる。 幼馴染の"高梨莉結(たかなし りゆ)に手を借りつつも、男に戻る事の出來るその日まで女としての生活を送る事となった瑠衣。 これは"性転"してしまった瑠衣が、様々な"モンダイ"に見舞われながらも、周りの人々との出會いによって"本當の自分"を見つけていくストーリー。 興味を持って頂けたら是非一話だけでも読んで下さい。つまらないと思った方は、良ければその理由などもコメントして頂けたら、出來る限りの改善をしていきたいと思います。 未熟者が書いた素人小説ですが、創造をカタチにしていく勉強の真っ最中なので、是非溫かい目で見守ってください。 古い話から常時改稿していますが、途中から読み進めるのが嫌になるような文體になるかもしれません。 それは、この「本日は性転ナリ。」が、攜帯小説を始めてから、初めて完結まで続けられた作品なので、未改稿部分はルールや小説執筆の常識等も知らないままに思い付く事を書き毆ったからです。笑 今でも"改稿"と言える程の事は出來ていないかも知れませんが、以前と比べて確実に読み易く直せていると思いますので、是非改稿後の方も読んでいただけると幸いです。 この小説を執筆するにあたって、読者の方々に大変勵まされております。この物語が続いているのはその方々が居るからです。 本當にありがとうございます。
8 161美少女同級生が新たな家族に!!
雨宮優は、三月の終わりに父さんの再婚相手を紹介される。 そこには、連れ子として、學園のアイドルの雪村朱音がいた。 この出會いが、雨宮優の人生を大きく動かしていく。
8 152付き合って結婚した後
「付き合ってから結婚するまで」のスピンオフ作品です! こちらでは主人公の五十嵐優人とヒロインの工藤陽菜が結婚した後の新婚生活、子育て、イチャイチャや他の友達の生活を投稿していきます! ちなみに、名言やはっきりした起承転結はありませんのでよろしくお願いします。
8 50【連載版】落ちこぼれ令嬢は、公爵閣下からの溺愛に気付かない〜婚約者に指名されたのは才色兼備の姉ではなく、私でした〜
アイルノーツ侯爵家の落ちこぼれ。 才色兼備の姉と異なり、平凡な才能しか持ち得なかったノアは、屋敷の內外でそう呼ばれていた。だが、彼女には唯一とも言える特別な能力があり、それ故に屋敷の中で孤立していても何とか逞しく生きていた。 そんなノアはある日、父からの命で姉と共にエスターク公爵家が主催するパーティーに參加する事となる。 自分は姉の引き立て役として同行させられるのだと理解しながらも斷れる筈もなく渋々ノアは參加する事に。 最初から最後まで出來る限り目立たないように過ごそうとするノアであったが、パーティーの最中に彼女の特別な能力が一人の男性に露見してしまう事となってしまう。 これは、姉の引き立て役でしかなかった落ちこぼれのノアが、紆余曲折あって公爵閣下の婚約者にと指名され、時に溺愛をされつつ幸せになる物語。
8 104