《冷たい部長の甘い素顔【完】》將軍編 第6話 いい

それにしても、一生獨って、そんなに傷つく程、相手の奴を好きだったのか?

そんなに思われてるくせに、浮気するなんて、俺が代わりに毆り倒してやりたい。

だけど、そんなことを言えるはずもなく……

俺は、まず、彼の承認求を満たしてやることにした。

「俺は、園部はいいだと思うぞ」

言ってはみたものの、これ、ものすごく恥ずかしい事を口にしたんじゃないか!?

それでも、今さら、引き返すわけにはいかない。

どんなに寒い臺詞でも、彼の心に空いたを埋められるなら、俺がそれを口にする意義はある。

「だから、もう合コンなんかで自分の価値を確認するな。

あれじゃ、程のいいホステスと一緒だ」

安い居酒屋の飲食代だけで、と飲めるなんて、男からしたらクラブやスナックに行くよりお手軽でお買い得だろ。

うまくいけば、ホステスより簡単に落とせそうだし。

これは、もう絶対に合コンなんかに行かせちゃダメだ。

どうせ恥ずかしい事を口にした後だ。

ここで一気に攻めよう!

「じゃ、金曜、開けとけ。

飲みに行くぞ」

「え!?」

は、目を白黒させる。

それでも、この機に乗じて、次のデートの約束を取り付けるんだ。

「お前、どうせ予定空いてたら、われるまま合コン行くだろ?」

俺がそう言うと、彼は、一瞬、言葉に詰まった。

「うっ……

おっしゃる通りです」

やっぱり……

「じゃあ、決まりな」

俺は、そのまま畳み掛ける。

「えぇ〜!?

でも……」

と、彼は、納得いかない顔をする。

「なんだ?

何か不満か?」

やっぱり、俺とは、いやなのか?

「だって、2人でお出かけって、なんかデートみたいですよ?」

ふぅぅ

そっちか!

それならまだ良かった。

でも……

『デートだよ』

そんな事を言ったら、絶対に來てはくれないだろう。

「じゃあ、これもデートか?」

俺は、質問で返して、ごまかす。

「いえ、違いますけど……」

は、し首を傾げる。

「じゃあ、問題ない」

俺は、明確な答えを出すことなく、けむにまく。

「それとも、會社でバラされたい?」

「え!?」

「企畫部 園部は、毎週合コン三昧ですって。

くくくっ」

あ……

しまった!

つい、ダメ押しで、言ってはいけないことを口にしてしまった。

言った後で、後悔する。

こんな脅しみたいなことを言って、嫌われたらどうする!?

「っ!!

それは、困ります!」

は、焦っている。

大丈夫だろうか?

せめて、嫌わないでいてくれると、いいんだが……

でも、もう言ってしまったものは、仕方ない。

「じゃ、決まり!」

俺は、開き直って、強引に畳み掛ける。

「はぁ……」

やや曖昧ながら、金曜の約束を取り付けた。

のいる企畫部に異して、その初日にデートらしき食事に行き、なんとか2回目のデートの約束もわした。

これ、すごくないか?

俺、頑張ったよな!?

うん、頑張ったと思う。

ただ、彼は全然デートだと認識してないのが、大変殘念ではあるけれども……

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