《冷たい部長の甘い素顔【完】》將軍編 第7話 爽は渡さない

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11月3日 土曜日

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その後、いろいろあったが、俺は爽と付き合うことができた。

そして、この日、爽が何気なく行きたいと言ったホテルのランチバイキングにやってきた。

二人で仲良く食事をして、秋の庭園を散策している時に、それは起こる。

チャペルから出て、祝福をけてる新郎新婦。

いつか、俺たちもあんな風になれたら……

そんなことを思った直後、新郎が爽の名前を呼んだ。

爽の表から察するに、おそらくあいつが二の末に爽を捨てた男だろう。

俺は、そいつから爽を隠すようにその場を去った。

こんなモヤモヤした気分を家に持ち帰りたくなくて、ラウンジでコーヒーを頼んだけれど、今、思えば、そのまま帰ってしまった方が良かったのかもしれない。

まったりとコーヒーを飲み、気分転換もできたところに、あいつが駆け込んできた。

どうして、俺たちがいるところが分かったのか、分からない。

ただ闇雲に館を走り回った結果なのか、すでに帰ったと踏んで、外に出ようとしてたまたま見つけたのか、どちらにせよ、俺たちは、ヤツに見つかってしまった。

そいつの勝手な言い草を聞いて、俺はイライラが頂點に達した。

厚顔無恥っていうのは、こういうやつのことを言うんだな。

俺は、公衆の面前であることを意識して、極力穏やかに話したつもりだ。

爽を渡さないと宣言して帰っては來たが、どうにもやりきれない。

俺は、帰宅後、爽を求めた。

俺が求めるのと同じくらいの熱量で爽に求められると、不思議とイライラが収まっていく。

爽は、俺の天使なのかもしれない。

だから、俺は決めた。

爽にプロポーズをする。

付き合い始めて、まだ1ヶ月。

普通は時期尚早だと思うだろう。

だが、俺には爽しかいないし、爽だけは、誰にも渡したくない。

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