《冷たい部長の甘い素顔【完】》その後 第1話 株主総會

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6月10日   月曜日

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この日、株主総會が行われた。

いつもなら、私には全く関係のないこの行事。

だけど、今回はちょっと違う。

大好きな將軍さんの將來に関わる大事な裁決があるらしい。

大丈夫かな……

きっと大丈夫だと分かっていても、不安で落ち著かない。

16時。

將軍さんが、総會から戻ってきた。

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將軍さんは、3月の私たちの結婚式の後、4月に再び異になった。

夫婦で同じ部署というのは、やはり問題があるらしい。

特に経営に関する數字を扱う部署なら、なおさらかもしれない。

將軍さんは、経営戦略部長に就任した。

経営戦略部は、今回、新しくできた部署。

新店舗やプライベートブランドの立ち上げ、海外の工場の設立など、多岐に渡り會社の方針を決めるらしい。

言ってみれば、社長の片腕のような部署なんだそうだ。

仕方ないことだけど、部署が離れるのは寂しいと心思っていたのに、蓋を開けてみれば、席は企畫部の隣の島。

この配置、なんだか社長の思いやりをじるなぁ。

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株主総會から戻ってきた將軍さんは、私の後ろを通り、私の肩をトントンと軽く叩いて、席に戻った。

私は、居ても立っても居られず、立ち上がって將軍さんの所へ向かう。

仕事中だとは分かってるんだけど……。

「ねぇ、どうだったの?」

私が尋ねると、

「無事、決まったよ」

將軍さんは、得意気にニッと口角を上げて笑った。

「ほんと!?

良かったぁ!

おめでとう!!」

私は、心からお祝いの言葉を伝える。

先日、社長に課された命題。

將軍さんは、まずは、その階段の一段目を登ることができたんだ!

「決まったんですね。

おめでとうございます」

と経営戦略部のメンバーからもお祝いの言葉が掛かる。

みんなに祝福されて、いつもは冷たく厳しい人を裝っている將軍さんも、し嬉しそうだ。

この日、將軍さんは、ただの『経営戦略部長』から、

『 取・締・役・ 経営戦略部長 』

に就任した。

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現在の社長には、子供さんがいらっしゃらない。

それでも、その分、夫婦仲は良くて、時には舌戦を繰り広げながらも、いつも仲睦まじく、二人三腳で會社を切り盛りしている。

専務に奧様、常務には社長の弟さんが就いていらっしゃるけれど、甥さん、姪さんなど他のの方は、ご本人の希で、別の関係ない會社に勤めていらっしゃって、この會社にはいらっしゃらない。

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