《冷たい部長の甘い素顔【完】》その後 第11話 電話で
母との電話を切り、私はシャワーを浴びて、寢支度を整える。
本當は、將軍さんの聲が聞きたい。
でも、2時間とはいえ、時差もあるし、何より仕事で行ってるのに、私が甘えた電話をするわけにはいかない。
そんなことを思っていると、23時、攜帯が鳴った。
將軍さん!!
私は、飛びつくようにして電話に出る。
「もしもし!」
そんな私の聲を聞いて、電話の向こうで笑いがもれる。
「くくっ、爽、起きてた?」
ああ、將軍さんだ……
すごく、すごく、聲を聞きたかった。
將軍さんの聲を聞くだけで、がいっぱいになる。
「うん」
私は、それ以上の返事ができなかった。
泣いてしまいそうで……
さっきまで、不安に押しつぶされそうだった心が、將軍さんの聲を聞くだけで、癒されていくのが分かる。
「どうした? 何かあった?」
「えっ?」
なんで、分かるの?
「なんか、いつもと聲のじが違うだろ。どうした?」
將軍さんの聲が優しい。
「あの、あのね……」
面と向かって報告したかったけど、2週間もだまって黙ってるなんて、やっぱり、私には無理。
「今日、ちょっと調が良くなくて、夕方、病院に行ったの」
「……ああ。それは俺もずっと気になってた。ずっと食もなかったし。で? 結果は?」
將軍さんが心配してくれてる。
將軍さんが私を思ってくれてるだけで、こんなに嬉しいんだ。
私は、ひとつ大きく息を吸ってから、話し始めた。
「あのね、私、妊娠してるんだって」
すぐに喜んでくれるかと思ったのに、電話の向こうでは、意外なほど、長い沈黙が続いた。
將軍さん、嬉しくないのかな。
思ってもみなかった不安が、をよぎる。
「……將軍さん?」
「あ、ああ! ごめん、嬉しくて……
爽、ありがとう。ほんとにありがとう」
その言葉から、將軍さんのあたたかな心が伝わってくる。
そっか。嬉しすぎて言葉をなくしてたんだ。
良かった。
「ううん。こちらこそ、ありがとう。ここに將軍さんの子がいてくれると思ったら、それだけで嬉しくなるよ」
うん。ここにいるのは、將軍さんの子なんだ。
不安になる必要なんてない。
「それにしても、よりによって、なんでこんな時に2週間も出張中なんだ!? 電話じゃ、爽を抱きしめられないじゃないか!」
電話で憤慨する將軍さんに、思わず笑ってしまった。
「ふふふっ
2週間後まで、楽しみに取っておくね」
うん、大丈夫。
私1人の子じゃない。
大好きな將軍さんの子。
將軍さんみたいに、賢くて、優しい子に育ってくれるといいな。
私は、電話を切った後、それまでとは打って変わって、穏やかに眠ることができた。
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