ブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom1 縁は異なもの味なもの……?【4】

その週末、しの憂鬱を抱え、敦子と子會の會場になっているお店に向かった。

パーマをかけているロブヘアの私は、髪にはワックスをつけて整えただけ。服は、淡いブルーの生地に白い小花がプリントされているミディアム丈のワンピースを選んだ。丸首のデザインで、袖は五分丈になっている。

「志乃がヘアアレンジしてくれたからテンション上がる! さすが志乃!」

「それくらい、またいつでもしてあげるよ」

鎖骨までびた彼の髪は、今日はヘアアイロンで巻いたあとで両サイドを編み込み、ハーフアップにしてルーズを出してみた。カジュアルな子會だけれど、セミフォーマルでもいけるヘアセットだ。

容師に戻るつもりは今のところないけれど、これくらいならいくらでも喜んで請け負う。恩返しにはならなくても、親友の喜ぶ顔が見られるのは嬉しい。

「昨日のヘアアレンジも可かったけど、こっちもいいなぁ」

昨夜は敦子の宣言通り、誕生日のお祝いにフレンチレストランでご馳走してもらった。そのとき、待ち合わせた駅前の百貨店の化粧室で簡単なヘアアレンジをしてあげると、彼はとても喜んでくれた。

「昨日のヘアアレンジなら簡単だし、今度教えてあげるね」

「ありがとう。あ、お店ここだ!」

立ち止まった敦子が、お店の看板を確認して中にる。忘れかけていた憂鬱な気分に飲み込まれそうになりつつ、私も彼の後を追って店に足を踏みれた。

「敦子と志乃! 遅いよ~」

私たちを見つけた友人に、「まだ十分前でしょ」と敦子が苦笑を返す。

広々としたイタリアンレストランの大テーブルをリザーブしていたようで、テーブルには十腳の椅子が並んでいる。

「あとは男子だけど、ギリギリになるって」

「じゃあ、みんな揃ってから注文しようか」

「え? 男子も來るの」

友人と敦子の會話に口を挾むと、敦子が「そうだよ」と笑う。友達だけの集まりだと思っていたから、わずかに揺してしまった。

「あ、來たじゃん!」

直後、対面の椅子に腰かけていた友人が、り口の方を指差した。振り返ると、ちょうど四人組の男グループが店ってきたところだった。

「よう! みんな久しぶりだな」

先頭を歩いていた男は、私はあまり話したことはなかったけれど、よく知っている。好きだった人の親友、川本かわもとくんだったからだ。

(まさか……)

過った予に、鼓が跳ね上がる。考える間もなく三人目の後ろから歩いてきた最後のひとりと目が合った剎那、息が止まるかと思った。

「……諏訪、くん……?」

「ああ、香月か。久しぶり」

「……っ! あ、うん……」

聲がに張りついたように、言葉が上手く出てこない。抱えていた憂鬱よりも鼓が大きくなっていくことに気を取られ、足が地面に張りついたようにけなかった。

「ほら、志乃も座りなよ! 諏訪くんは志乃の隣に座って」

「ああ」

テキパキと席順を決めていく敦子は、私に笑みを向けた。

高校時代の淡い。私の想いを知っていたのは、彼だけだ。深い意味はないと思う反面、隣に座るように言われて戸った。

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