《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom2 災い転じて同居が始まる【3】
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高校を卒業後、容師の資格を取るために専門學校に進學し、三年後に就職したところまではよかった。順風満帆とは言わないけれど、そこそこ順調だったと思う。
就職先は大手ではないものの、都に十二店舗を構える人気店。トップスタイリストの中には、二ヶ月先まで予約が埋まるほど人気の人もいた。インターンでお世話になったとき、オーナーと店長の人柄がよさや、スタッフが和気藹々としていたところにも好を持ち、安心して働ける職場だと実した。
ところが、新社會人になってすぐ、そんなものは打ち砕かれてしまったのだ。
私が配屬されたのは、十二人のスタッフのうち八人が男という男比率の偏った店舗で、それ自はインターンのときからわかっていた。できれば比率の高い店舗に配屬されたかったけれど、もちろん選択権はない。
心ついたときから以外の男が苦手で、高校と専門學校ではなんとか普通に話せるようにはなったものの、そういった事からいささか不安はあった。
けれど、先輩たちはとても優しく、なんとかやっていけると思っていた。ところが、梅雨も明け切らないうちから、私の環境はどんどん悪い方へと変わっていった。
最初は、気のせいだと思った。それが〝気のせい〟では済まなくなったのは、就職して三ヶ月が経った頃のこと。
指導係になった先輩の男スタイリスト――平岡ひらおかさんとふたりで殘り、ヘッドスパの練習をさせてもらっていたとき、彼の手が私の元をかすめたのだ。驚いて聲を上げた私に、彼は『これくらいで揺しちゃダメだよ』と悪びれなく笑った。『お客さんの中にはもっとがっつりってくる人もいるよ?』と、まるで當たり前のように言われてが直した。
怖くて、気持ち悪くて、逃げ出したいのに……。『早く続けて』と指示されれば、逆らうことはできなかった。自衛のためにできる限りを離せば『もっとちゃんとしてよ』と叱られ、『やる気がないなら指導しなくてもいいけど』と言い渡される。スタイリストへのデビューが遠のくのが嫌で、言われた通りにやるしかなかった。
私のは華奢な型に反してどんどん長し、中學生の頃から異の好奇の目にさらされていることに気づいていた。そのせいで同年代以上の男子が苦手になり、日に日に異からの視線に怯えるようになった。
初対面ではを見られ、街中や電車でも的な目を向けられたことは數え切れないほどある。だから、そういったことに過敏な自覚もあった。平岡さんの態度だってたまたまかもしれない……と自分自に言い聞かせ、私なりに必死にかわしながら仕事をひとつずつ覚えていった。
けれど、最初は彼だけだった態度が他のスタッフにも広がっていき、冬になる頃には男スタッフの半分からをられるようになっていた。
猛暑日が続く真夏でも、できる限り出のない服を選んで。仕事中は特に意識して、男スタッフとは最大限の距離を取るように気をつけた。
抵抗だってしなかったわけじゃない。強くは言い切れなかったものの、はっきりと『やめてください』と訴えたことも、こらえ切れずに泣いてしまったこともある。それなのに、『泣き顔を見るともっとって癒してあげたくなるんだよね』とまで言われ、涙を見せることは事態を悪化させるのだと恐怖心を抱いた。
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