《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom4 ぬるま湯に浸かりすぎないように【5】
「俺が案しようとしたら、タケに『あからさまに目をかけることになるのはよくないし、他のスタッフと同じように指導するだけにした方がいい』って止められた。俺の紹介ってことは別に隠す必要はないけど、まぁそれも一理あるなと思ってさ」
相槌を打ちつつ、確かにそうだと思う。
諏訪くんは社長で、私は彼の紹介で社した。それ自は隠すことはないと言われているし、現に鵜崎副社長と篠原さんには事前に事を伝えたとも聞いている。
とはいえ、社長自ら指導するような業務でもないのに諏訪くんに指導係のようなことをしてもらうと、場合によってはいい印象は持たれないかもしれない。
「ふたりには同居の件も伝えてあるし、公私混同しないようにってことでもあるんだと思う。俺、香月にマンツーマンで教えるくらいの気持ちでいたけど、反省したよ」
「おふたりの言うことはもっともだよ。諏訪くんはなにも悪くないし、私が諏訪くんに頼りすぎてるんだよね……。せめて公私混同しないように気をつけるね」
「俺としてはもっと甘えてほしいくらいなんだけどな」
きょとんとすると、彼は「こっちの話だ」と苦笑を零した。
「當初の予定と変わって悪いけど、木野さんは仕事ができるし、親に教えてくれると思う。でも、俺も香月の力になりたいし、困ったことがあればなんでも相談して」
諏訪くんのこういうストレートなところがすごいな、と思う。彼自は友達思いなだけなんだろうけれど、掛け値なしに手を差しべるなんてなかなかできない。
けれど、だからこそ諏訪くんに甘えすぎないように気をつける必要がある。彼にこれ以上の迷をかけたくないのはもちろん、今でもぬるま湯に浸かるような生活をさせてもらっているのに、このままだとどんどん甘えてしまいそうだから……。
「とりあえず、今月は忙しさもマシだろうから、あんまり肩肘張らずに仕事を覚えていってよ。木野さんに質問しにくいことは俺に訊いてくれて構わないし、俺の目が屆く範囲では男社員はできるだけ近づけないようにするから」
「ううん、そこまでしてもらうわけにはいかないよ。確かに男の人は怖いけど、みんながみんなそうじゃないし、諏訪くんみたいに優しい人もいるってわかってるから。それに、ずっと諏訪くんを頼ってばかりでいるわけにもいかないし……」
諏訪くんの態度は、友人を通り越して家族のようだ。とても心配してくれ、気にかけてくれる優しさには謝しつつも、男が苦手だからという理由で彼に守ってもらってばかりでいるわけにはいかない。
いつになるかはわからないけれど、いずれは容師に戻りたい気持ちはあるし、そうなると諏訪くんがいない場所で頑張らなければいけない。すぐに助けてくれる彼に甘え続けていると、本當にひとりで立てなくなってしまう気がした。
(でも、諏訪くんがいない場所って考えると……)
確かめるように心の中で呟きながら、の奧底に芽生えた小さな違和が気のせいじゃないことを確信する。上手く言葉にできないけれど、不安や恐怖心とは違うが燻ぶるようで、モヤモヤとしたものが渦巻いていく気がした。
「そんな寂しいこと言うなよ」
ふと気づくと、私を見ている諏訪くんが神妙な面持ちになっていた。その表をどう捉えていいのかわからずにいると、彼は小さく笑って立ち上がった。
「ごちそうさま。俺、ちょっと仕事するから先に風呂使っていいよ」
「あ、うん……。ありがとう」
諏訪くんが話を掘り下げる気がないのは明白で、素直に頷くことしかできない。彼は笑顔を殘し、自室にこもってしまった――。
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