《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom6 堰かれて募るの……なんて言うけれど【2】
「それだけ?」
じっと見つめられてたじろぐ。
実は、頬を中心にでる骨張った手のひらは、気まぐれのように頭をでることもあるし、耳をくすぐってきたこともある。
戸い慌てる私に、諏訪くんは決まって『練習だから張しないで』と言いつつも、『無理ならちゃんと教えて』と優しく微笑みかけてくれる。
そのおかげで怖くはないけれど、しだけ、ほんのしだけ……鼓が跳ねることが増え、気づけばよくドキドキするようになっていた。
もっとも、それはただ張が大きくなっているだけに違いない。
そう思う反面、彼がときおり見せる意味深な視線に息ができなくなるほど心が捕らわれることもあって、最近は以前とは違う意味で戸うことがあるのだけれど。
「志乃? 聞いてる?」
「あ、うん……! リハビリはまだ始めたばかりだけど、これからどんどんステップアップしていく予定で……」
「ふぅん……。リハビリ、ねぇ」
「なに?」
「ううん、別に。でもまぁ、私に話したこと以上のことはしてるんでしょ?」
「……っ、変な言い方しないで!」
「変な言い方なんてしてないよ。それに、あながち外れてないんでしょ?」
相変わらず鋭い敦子に、こほんと咳払いをする。
「私はもちろん、諏訪くんにだって他意はないよ。あんなに優しくて親切な男の人、私の周りにはいなかったし、本當に謝してるの。だから、一刻も早く普通に異と接することができるようになりたいし、引っ越しもしたいの」
「……諏訪くんがそれ聞いたら泣くんじゃない」
彼の言葉に小首を傾げる。いくら優しい諏訪くんだって、さすがに泣くほど喜んだりはしないだろう。ただ、泣かなくても彼が喜んでくれるのは確かなはず。
「そこまで喜ぶってことはないだろうけど、お祝いとかしてくれそうだなぁ」
そう考えて苦笑がれる。諏訪くんのことだ。私が遠慮しても、彼はきっとお祝いをしてくれるだろう。
「諏訪くんって意外と気が長いんだね」
「そうかも。會社でも家でも、怒ってるところは見たことがないし」
大きく頷けば、敦子が肩を竦めるようにして苦笑いで「そうだね」と相槌を打ったけれど。なんとなく、彼の態度に含みがあった気がする。
「それよりさ、諏訪くんに喜んでほしいなら、自分からもれてみれば?」
ところが、そこに意識を割くよりも早く突飛な提案が寄越され、目を丸くした。
「諏訪くんを見つめながら、ちょっと頬に手を添えてみるとか。ほら、リハビリの果が出てるってわかれば、諏訪くんだって協力してる甲斐があるって思うんじゃない?」
敦子の話は予想外のことではあるものの、一理あると思えたのも事実。私かられるのは不安だった。ただ、相手が諏訪くんなら頑張れる気もする。
「もちろん無理する必要はないけど、諏訪くんは喜ぶと思うよ」
「うん……。できそうならやってみる」
彼の提案を実行してみようと考えたのは、彼に果が出ていることをを持って伝えたかったから。だいたい、これくらいできなければ先が思いやられる。
ワッフルを食べ終える頃には、私の意志は固まっていた。
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