ブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom8 は盲目でも、【5】

今夜は、諏訪くんのリクエストでハンバーグを作った。チーズりのハンバーグにデミグラスソースをかけた、し贅沢な一品だ。

彼の味覚はどこか子どもっぽいところがあって、たとえばエビフライや唐揚げといったメニューを筆頭に、カレーやハンバーグなんかも好らしい。

前に作ったグラタンやビーフシチューも気にっていたようだけれど、群を抜いてハンバーグが好きだと話していた。今日はさらに手間をかけてチーズもっているから、喜んでくれるだろう。チーズインハンバーグが好きなこともリサーチ済みだ。

數十分後に帰宅した諏訪くんは、すぐにハンバーグを見て瞳を緩め、チーズりだと知るといっそう嬉しそうにした。予想通りの反応に、私も笑顔になる。

「家でこういうのが食べられると思わなかった」

「喜んでくれてよかった」

「ありがとう。でも、俺は志乃の笑顔に一番癒されるから、志乃がいてくれれば充分だけど」

ふわりとたわませた瞳で私を捉え、甘い笑みを向けてくる。

疲労困憊しているかと思いきや、彼は今夜も私の心を捕らえて離さない。ドキドキと高鳴る鼓を隠すように俯きつつも、素直に喜んだ私の頬が綻んでしまう。

諏訪くんは、それ以上はなにも言わずに笑顔でハンバーグを味わっていた。なんとなくむずがゆい雰囲気の中、彼と他のない會話をしながら夕食を平らげた。

「そうだ、諏訪くん。よかったら、ヘッドスパしない?」

「え?」

唐突に提案した容が不思議だったらしく、諏訪くんはきょとんとしている。

多忙な彼にしてあげられることはないかと考えたとき、ヘッドスパが思い浮かんだ。

手元には普通のシャンプーやトリートメントしかないけれど、それでもしは疲れが取れるはず。他の人にれるのはまだわずかに躊躇してしまうものの、諏訪くんならその心配もない。

「諏訪くんの家の洗面臺、すごく広いでしょ。前からヘッドスパできそうだなって思ってたの。ダイニングチェアを持って行ってみたら高さもなんとか合いそうだし、頭がすっきりすると思うからどうかな?」

首を傾げれば、彼が喜びと申し訳なさを同居させたように笑った。

「それは嬉しいけど、志乃だって疲れてるだろ。昨日は俺の帰りを待ってあまり眠れてないだろうし、そんなに気を遣わなくてもいいよ」

「気を遣ってるわけじゃなくて、諏訪くんのためになにかしたいなって思ったの。だから、むしろやらせてほしいっていうか……」

食い下がる私に、諏訪くんがふっと口元を緩める。直後、「じゃあ、甘えようかな」と口にした彼は、その面持ちに喜を浮かべていた。

諏訪くんには先にお風呂にってもらい、が解れた狀態でヘッドスパをすることになった。彼がバスルームから出てきたタイミングでパウダールームに行き、ダイニングチェアを使ってシンクの傍に頭を置いてもらう。

私が自分で試したときよりも、しばかり窮屈そうだ。諏訪くんとの長差の分、勢に無理があるかもしれない。

「腰や首が痛くなりそうだったら言ってね」

頷きながら「大丈夫だよ」と笑った彼の瞼に、ホットタオルを置く。

「もうすでに気持ちいいんだけど」

「施はこれからですよ、お客様」

「じゃあ、お願いします」

「かしこまりました」

ごっこ遊びのようなやり取りのあと、シャワーに切り替えた蛇口からお湯を出し、適溫になったところでゆっくりと髪を濡らしていった。

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