ブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom8 は盲目でも、【6】

「お湯加減、熱くないですか?」

「……ん、大丈夫」

息を短く吐いた諏訪くんに安堵し、彼の勢を気にしつつも泡立てたシャンプーで頭皮をマッサージするように髪を洗っていく。

「ああ……めちゃくちゃ気持ちいいなー……」

「まだ始まったばかりだよ」

「ん~……」

気の抜けたような返事に、瞳が緩んでしまう。リラックスしてくれているようで、ひとまずホッとした。

一度シャンプーを洗い流し、再びよく泡立てて丁寧に洗う。指の腹で頭皮をむように、けれど力をれすぎないように。

「かゆいところはございませんか?」

「……うん。でも寢そうだ……」

「いいよ、寢ても。終わったら起こしてあげるから」

「もったいないからやだ」

どこか子どもっぽくなった口調に、ふふっと笑ってしまう。なんだか可くて、心がくすぐられる。

「トリートメントもするね」

ところが、しばらくして聲をかけると、諏訪くんからの返事はなかった。どうやら微睡み始めたようで、呼吸音が寢息に変わっていく。

起こさないように靜かにトリートメントを手に出し、優しくみ込んでいったあとで、じっくりと頭皮をマッサージした。

私が働いていたサロンのヘッドスパは、一番人気のアロマスパを始め、クレイスパなどがあり、どれも三十分以上のコースから承っていた。一番長いもので四十五分。

ただ、サロンのようなチェアを使用していないため、同じ時間だけするとあとで首や腰が痛むかもしれない。それを懸念し、二十分ほどで終わらせた。

話しかけるのは可哀想だけれど、このままというわけにはいかない。規則的な寢息を立てる彼のを見ながら、控えめに「諏訪くん」と呼んだ。

「終わったよ」

「……ん」

曖昧な返事を紡ぐとは裏腹に、諏訪くんが起きる気配はない。それどころか、彼は再び寢息を立て始めた。

形の綺麗なが、小さな吐息ともつかない呼吸を繰り返す。ただの寢息なのにやけにっぽく思えて、諏訪くんのに見ってしまった。

(いつか、キス……とかしちゃうのかな)

心の中で呟いた言葉に、頬がボッと熱くなる。

未だに自分かられにいくときは心構えが必要で、彼にれられるときにも張するのに、最近はこんな想像をしてしまうことが増えた。

(私、変だよね……。こんなこと考えてるなんて……。でも……)

不思議だけれど、前みたいに諏訪くんとの先をまったく想像できない……なんてことはない。彼とのスキンシップを、れるその瞬間を、か何度も想像している。

手を繋いだあの日からは特に拍車がかかり、自然と諏訪くんのに目がいくようになり、無意識に自分のることもある。

(なんでこんなこと考えちゃうんだろ……。諏訪くんは私のペースに合わせてくれてるっていうのに……)

邪念を追い払うがごとく首をブンブンと橫に振り、息を大きく吐く。もう一度聲をかければ、彼はようやく意識が覚醒したようだった。

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