《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom11 あなたとの路は縁のもの【6】
骨張った手がその箱を開ける。すると、想像していたものよりもずっと大きな輝きを纏うしい寶石が、目の前に現れた。
幾重にもを放つダイヤモンドを數秒見つめ、ハッとして再び顔を上げたとき。
「俺と結婚してください」
真っ直ぐな雙眸で私の瞳を捉えた翔が、まばゆい夜景よりも麗な笑みを湛えた。
「……っ!」
溢れかけていた涙が、瞬く間に視界を歪めていく。夜景ごと滲んだ彼の表はちゃんと見えないけれど、きっと和な瞳で私を見つめている。
がきゅうっと締めつけられて、心いっぱいにおしさが広がる。好きよりも、しているよりも……もっと大きくて深い想いが溢れ出す。
けれど、それよりもふさわしい言葉を見つけられなくて、私はただただ涙を零しながら何度も大きく頷いた。
「私も、翔の傍にいたい……。ずっとずっと、翔と生きていきたい。だから……ふつつかものですが、よろしくお願いします」
想いを伝えてプロポーズをければ、翔が喜びいっぱいに破顔した。眩しいくらいの笑顔が、幸せだ……と教えてくれる。
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きっと、まだまだ私がもらった幸福の方が大きい。それでも、私も彼を幸せにできるのだと確信できた。
「志乃、左手を出して」
言われた通りにすれば、翔が私の左手の薬指にエンゲージリングをはめ、どこか慨深そうにも見える顔で薬指を見つめた。シンプルな一粒ダイヤの指は不思議なくらいぴったりで、彼が今日のために私に緒で準備してくれていたんだと思う。
私だけの特別だった日が、今日からはふたりにとっての記念日に変わる。それもまた嬉しくて、この日にプロポーズしてくれたことが運命のように思えて仕方がない。
いつかこのことを話そうか。もうしだけ私の中に留めておこうか。
そんなことを思う私からは、喜びに満ちた笑みが零れていた――。
數十分後、私たちはエグゼクティブスイートのベッドの上で重なり合っていた。
レストランを後にすると、翔は私を三十五階の部屋にった。そして、そのままキングサイズのベッドに沈められてしまったのだ。
テーブルに用意されていた大きな花束も、窓一面を彩るしい夜景も、ほんの數秒しか堪能する暇がなかった。けれど、心とが高揚しているのは私も同じで、まんまと甘いキスひとつで彼の思い通りになっていた。
「ん……っ、翔……」
熱い吐息をらせば、呼吸すら飲み込むような深いくちづけをされ、息がどんどんれていく。服をすべて剝がれた頃には、夢中でを貪り合っていた。
節くれだった指が、私の弱い部分をでるようにくすぐり、甘切ないような覚を絶え間なく與えてくる。甘い聲をらせば、いっそういたずらなきを見せた。
指とともにや舌でれられると、もうどうすることもできない。はあっという間に陥落させられ、自分のものじゃないような甘い聲を上げてしまう。
私を見下ろす面持ちにはいつもの余裕はなさそうで、その瞳には鋭いと雄のを覗かせている。私をする表にゾクゾクさせられた。
「志乃っ……!」
「……っ、翔……」
ピンと張られたシーツのあちこちに皺が生じるほどの、甘やかで激しい。それなのに、私を抱きしめる腕は優しくて、大切にされていることをでじられる。
キスを重ねるほどにおしさが増し、縋りつくように翔の頭を掻き抱いた。
注がれ続けた痺れるような覚をけ止められなくなったとき、私たちはお互いの名前を呼び合いながら、も心もとろけるような甘な渦の中に墮ちていった――。
失いかけていた意識の片隅で、翔が口移して水を飲ませてくれるのをじる。かすれた聲しか出せなかったを冷水が潤し、與えられるだけ飲み干した。
「このまま眠っていいよ。明日の朝、ちゃんと起こしてあげるから」
私を抱きすくめるようにした彼が、額や髪にキスを落としていく。らかなくちづけが心地好くて、瞼を閉じたまま甘えるようにい板に頬をすり寄せた。
まだ話したいことがたくさんある。事の合間に紡いだ言葉なんかじゃ私の想いを伝え切れなくて、もっとたくさん〝好き〟も〝してる〟も言いたい。
それなのに、が重くて瞼を開けない。だから、せめて一言だけでも告げようと、をそっとかした。
「翔……大好きだよ……」
囁くような言葉を最後まで聲にできたのかはわからない。
「おやすみ、志乃。してるよ――」
けれど、返ってきた聲が幸せで満ちている気がして、私は翔と育んだに運命をじながら意識を手放した――。
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