《我が家の床下で築くハーレム王國》第27話試される絆

翌日、朝早くからトリナディアへとやって來ていた俺は、これから一週間行われようとしている事にし不安を覚えていた。

(儀式って、一週間かかるものなのか普通)

未だに疑問ばかりが殘っている今回の件。昨日の時點で俺は、ハナティアにこう説明をされていた。

「一週間の儀式?」

「そう。子供を授かったのはいいけど、今度はその命を降ろす為の儀式をするの」

「でも出産はまだなんだろ? 流石に」

「うん。だから行うのは形だけのになってしまうけど」

「それに一週間もかかるのか?」

「詳しくは明日説明するから、とりあえず一週間予定を空けてほしいの」

「つまり大學を休めって事か」

「申し訳ないけど、これはどうにもできないから」

かなり大雑把な説明であったせいか、明確な容までは摑め切れていなかった。ただそれがいかに大切な事なのかは、彼の言葉から理解はできる。問題はその容だった。

「おはよう平ちゃん」

城にってすぐ、何故かキャロルと遭遇する。

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「久しぶりだなキャロル。というか、何でお前がここに?」

「なんでも何も今日から一週間は大切な日だから、私も參加するの」

「そんなに大切なのか?」

「えー、もしかして平ちゃん何も聞かされてないの?」

「全く聞かされてない。一週間休んでくれとしか言われてないし。でも何となく事の重大さは分かっている」

「まあ平ちゃんは側にいてあげるだけみたいなものだから、仕方ないけど。これからハナちゃんは子供を産むために神の加護をけるために、一週間頑張るの」

「神の加護?」

「そう。これからハナちゃんが産む子供は國の後継者にもなり得る子供。その安産を願って神の加護をける。それがこのら一週間の儀式なの。まあこれは國の伝統みたいなものだからね」

「なるほどな」

どんなものか気になっていたけど、一通り聞いたところ別に何か特別な事をする訳ではないらしい。それだけが分かったので、俺は安心した。

「それでハナティアは今どこにいるんだ?」

「儀式の準備をしてる。もうすぐ終わると思うから、會いに行く?」

「ああ」

キャロルな連れられてやって來たのは、トリナディアの地下施設。地底にある國の更に地下にある施設と言われると、何か不思議な覚になる。

「おはようございます、翔平様」

「おはようサクヤ。何か俺が手伝えそうな事あるか?」

「翔平様は何もしなくて大丈夫ですよ。強いて言うならハナティア様のお側にいてもらえればありがたいです。何だかんだ言ってハナティア様、不安だと思いますから」

「分かった」

「あ、翔平様」

「ん?」

「一週間辛いかもしれませんが、しっかりとハナティア様を支えてあげてください。これは絆を確かめるためのものでもあるのですから」

「絆、か。分かった」

ハナティアと俺にとって試練の一週間になるのは話を聞いて理解した。問題はこの一週間、彼を支えて乗り越えられるかどうかだ。

(大丈夫、やれる。自分を信じるんだ)

それから數分後、目的の場所へと到著する。地下施設の奧にハナティアが一人で黙々と作業をしているので、ここでキャロルとも別れて彼の元へと向かう。

「頑張ってね、平ちゃん」

「ああ」

キャロルからも後押しされ、俺はハナティアのところへたどり著く。どうやらハナティアも俺の気配に気づいたらしく、こちらを振り返った。

「おはようハナティア、調子は大丈夫か?」

「あ翔平、おはよう。私は元気だけど、どうしたの急にそんな事聞いて」

「いや、これから一週間大変そうだから、大丈夫なのかなって」

「もしかして誰からか聞いたの?」

「さっきキャロルにな」

「あの子何でも話したがるんだから」

やれやれと言いながらも、作業を続けるハナティア。俺には彼が何をしているのか分からない。

「でもそれを言うなら翔平も大丈夫?」

「俺も調は萬全だけど、何かするのか?」

「何をするも何も、翔平も一週間私と同じ生活するんだからね」

「同じ生活って、普段とは違うのか?」

「うん。私達は一週間ここで二人きりで生活するの。それ故に食事も限られたものだし、その間他の人にも接できないの」

「儀式に集中する為って事か?」

絆が試されるとサクヤは言っていたし、それなりに辛いものだとは薄々じていたけど、どうやらその考えで間違っていないらしい。

「そういう事。周りを見れば分かるけど、そういうじになっているでしょ?」

「あ、言われてみれば」

ハナティアに言われて、改めてこの地下施設がその為に出來ている事を理解できる。部屋の中心には儀式を行う為なのか、人一人座れるくらいの大きさの臺座がある。恐らくあそこにハナティアが座るのだろう。

他には何も置いておらず、部屋の隅に食事がいくつか保管されている。一言でここを言い表すなら、閉鎖空間と言えるだろう。

「ここで一週間か……」

「更に言うと、一日の半分くらいが儀式を行うから、結構辛いと思うけど、頑張ってね」

「それは俺のセリフだと思うけどな」

一日の半分それを行うのがハナティア自で、俺はそれを支えるだけなのだから、辛いのは彼に違いない。

(地獄みたいなものだよな……)

でもそれを乗り越えれば、こんな苦労をハナティアがしなくて済むよな。きっと。

俺はそう信じたい。

◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎

儀式を始めるのは晝からという事なので、それまでの時間ハナティアと共に過ごす事にした。

「不安? こういうの私初めてだけど、そういうのはないかな」

折角なのでこれからの一週間の事が不安じゃないのかって尋ねたが、意外にもハナティアはそう答えた。

「そうなのか? 俺はてっきり不安だらけかと思ったけど」

「伊達に姫として生きてないわよ私。むしろ翔平の方が心配なんだけど」

「まあ日常生活でこんな事する事はないからな」

「違う、そうじゃないの」

「どういう意味だよ」

意味深な言い方をするので、思わず聞き返してしまう。しかしハナティアは何も答えようとしない。むしろ先ほどから何か考え事をしている。

「ハナティア?」

「あ、えっと。ごめん、今のは忘れて」

「なんだよ気になるな……」

結局その後ハナティアは、まだやり殘した事があると居なくなってしまい、何を言おうとしたのか聞けずじまいになってしまった。

(何だったんだ、今の)

結局モヤモヤが殘ったまま、儀式の時間を迎える事になったのであった。

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