《我が家の床下で築くハーレム王國》閑話2 溫泉トーク 男

話は旅行二日目に戻る。

お土産も買い終わり、宿を出るまでの時間の間なにしようかと悩んでいた時の事。ふと雪音がこんな提案をしてきた。

「混浴? そんなのもここあるのか?」

「はい。ですから折角ですし四人でってみるのもいいと思いまして」

「隨分なチャレンジ神だなそれ」

それは旅の思い出として、四人で一緒に溫泉にろうというものだった。奇妙な事にこの宿には混浴が存在していて、

「混浴ってなに翔平」

「えっと、簡単に言うと俺とハナティアが一緒に風呂にるようなもんだよ」

「何だいつもの事か」

「なっ、俺はお前と一度も一緒にった事なんてないだろ!」

「へえ、翔平とハナティアちゃんって、もうそんな関係にまで発展していたんだな」

「不潔です、翔平君」

「だから違うって! というか俺だけかよ」

勿論言っておくが、彼と一緒にお風呂にった事などありません。

そんなやり取りをしながら、四人で混浴ができるという場所へ。

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子のなんて楽しみだな」

室で正志がそんな事を言う。はたから見るとその発言は明らかに変態なのですがそれは。

(気持ちは分からなくもないけどな)

「楽しみってお前、いつから変態になったんだよ」

「だって男の夢みたいなものだぜ。これは期待する以外ないだろ」

「お前何かやけになってないか?」

した影響なのか、どうも今日の正志の様子は変だった。ここまでくると流石の俺は苦笑い。

「お待たせ翔平」

「お待たせしました、二人とも」

所を出た所で二人を待つ事數分。ハナティア、雪音の順番で出てくる。

「正志、さっきは文句言って悪かった。これはかなりアリだ」

「だろ?」

になったをタオルで巻いてはいるものの、その姿は今までにないくらいしかった。特にハナティアは……。

「な、何ジロジロ見ているの翔平」

「いや、これはアリだと思って」

「何がよ!」

溫泉來て良かった〜。

「ハナティアちゃん、混浴やめましょうか」

「そうね。こんな変態二人は置いて、二人だけで溫泉楽しみましょ」

「「誰が変態だ!」」

長い説得の末、何とか混浴にる事を了承してくれたのでした。

◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎

いつまでも味していると怒られてしまうので、が冷えてしまう前に溫泉へ。

「それにしてもここの溫泉本當に気持ちいよな」

ってすぐに正志が言う。確かに彼が言う通り、ここの溫泉は今までにないくらい気持ち良い。それは他の二人も同だった。

「まあ旅行なんて滅多に來れないし、こういう機會に楽しめるのはいいかもな」

「また來てみたいですね」

「今度は違う溫泉にも私行きたい」

「何だハナティア、溫泉にハマったのか?」

「トリナディアにはお風呂はあるけど、溫泉はないからこういうのもいいかなって」

まったりしまがらハナティアは言う。言われてみればトリナディアに溫泉はなかったな。地下でお風呂にれるのもし不思議な話だけど、もしかしたらあるのかな溫泉。

「まあ、次來れたとしても秋になってからだな。もう季節は夏になるし」

「夏といえば海ですからね」

もう間もなく梅雨明け宣言もされるだろうから、夏は近い。俺的には暑いのはあまり好きじゃないのだが、それが過ぎてしまったら……。

「どうした翔平」

「あ、いや。それより夏はどこかに泊まりに行くのか」

「泊まりもアリだけど、日帰りでプールに行ったりするのもアリかもな」

「プール? 何それ」

「知らないのか。いいか、プールはだな」

分からない事ばかりのハナティアに 、丁寧に一つずつ説明する。まさかプールも知らないとは思っていなかった。

「へえ、それって面白いところなの」

「行ってみればわかると思うけど、結構楽しめるんじゃないかな。海も同じくらい楽しめるだろうし」

更に男の俺達にとっては水著イベントという、欠かす事のできないイベントが待っている。恐らくハナティアは水著も持っていないのだろうから、今度プレゼントでもしてあげようかな。

「まあ夏休みはまだし先の話だし、その辺は後々考えればいっか」

「だな」

「じゃあ俺そろそろ先に出るわ」

「あ、私も出ます」

いいじでまとまったところで、正志と雪音が風呂から出て、俺とハナティアだけが溫泉に殘される。

「夏休みかぁ」

「楽しみじゃないの? 翔平」

「夏休みが楽しみなのは、小學校くらいまでだよ。大人になるにつれて、あまりの暑さに嫌気がさすくらいだし」

「私は夏嫌いじゃないけど」

「それは場所が場所だからだろ」

正直な話トリナディアには季節の概念が見て取れない。でも一応気溫はしながら変化しているのもじ取れるし、ハナティアやサクヤがそれに合わせて服を変えているのも知っている。

「本來なら溫泉も夏にるような場所じゃないからな」

「そういえばさっき言ってたね」

「ああ。夏はやっぱりプールとか海とかが一番だからな」

「行く時は私も連れて行ってね」

「勿論だ」

こうして俺達四人の旅行の一幕は終わりを告げた。まさか旅行先でハナティアとお風呂にるとは思っていなかったけど、これはこれで楽しかった。

また次の機會もあればいいんだけどなぁ。

「ところでさ翔平、さっきずっと雪音ちゃん見てたよね?」

「え? いや、それは男の定めで」

「やっぱり翔平にはありそうだね、浮気癖」

「そんな癖斷じて無いって誓わせてくれ!」

◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎

旅行から帰宅してすぐに寢てしまった俺達は(ハナティアについては不明)、再び目を覚ました時には夜遅くだった。

「やばっ、サクヤ怒っているかもな」

「多分大丈夫だと……思う。さっき連絡したから」

時間を見て焦っていると、何か考え事をしているのか椅子に座って俯いたままハナティアがそんな事を言ってきた。

「何だよそれなら先に言ってくれよ。というかもしかしてハナティア、あれから結局寢てないのか?」

「うん……ちょっと寢れなくて」

あんなに寢る気満々だったのに、寢れなかっただなんて不自然とは思いながらも、とりあえず遅い夕食の用意をする。

「ねえ翔平」

「どうした?」

「私どうしよう」

「どうしようって?」

「私にも聞こえるようになっちゃったの。柚お姉ちゃんの聲が」

それはハナティアの突然の告白だった。俺が効いている聲が何者なのか詳しくは分からないが、ハナティアはそれと同等のものを聞いてたらしい。

「私もしかしたら、柚お姉ちゃんに恨まれているのかも」

「恨まれているってどういう事だよ」

「だって私、柚お姉ちゃんの幸せを奪ったようなものだから」

「奪うって、別にお前は……」

「だったら教えて! ゆずお姉ちゃんは今私が幸せになろうとしている事をどう思っているの?!」

「そんな事聞かれても俺には……」

死人に口無しとはこの事。その答えなんて誰もわからない。當の本人はもうこの世にいないのだから。だからどう思っているかなんて、今の俺には答えられない。

そう、俺は彼を助けられる言葉が見つからなかった。

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