《我が家の床下で築くハーレム王國》第45話足りない覚悟

翌朝、いつの間にか眠ってしまっていたのか椅子に座ったままの狀態で目を覚ました。

(そっか、昨日俺は……)

ハナティアが俺の母親に結婚の許可を取りに來て、そのまま部屋でココネと話をしたけど、そのまま先にハナティアが眠ってしまったから俺は……。

(というかまだ朝六時かよ)

ハナティアを起こさないようにこうと思ったが、俺はある事に気がつく。布団には既にハナティアの姿がなかったのだ。

(ハナティア?)

俺は彼を探して部屋を出るが、家にいる様子もない。まさかとは思うけど、先に帰ってしまったのか?

(でも一人で勝手に行するようには思えないよな。ましてやこんな朝に)

しだけ嫌な予がした俺はとりあえず外へ出て、しハナティアの姿を探した。

そしてしばらく探した後、

近くの公園に座っているハナティアの姿を発見。

「ハナティア、こんな朝早くにこんな所で何を……」

ハナティアに話しかけようとした所で、俺はある事に気がついてしまう。彼は寫真を一枚ずっと見ていたのだ。

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「もっと早くに私も気づくべきだったんだね。いつか何かのキッカケで本當の事を思い出すんじゃないかって。そしてそれは、私にとってても大切な事になるんじゃないかって」

「ハナティア、その寫真何でお前が……」

ハナティアが持ってたのは例の寫真。確か俺は昨日寫真を見てたけど、もしかしてそのまま眠ってしまってたまたまハナティアに見つかったのか?

「翔平、聞かないの? この寫真は誰なのかって」

「ハナティアは知っているのか?」

「うん……」

「じゃあ教えてくれ、って言いたいけど今は止めておくよ」

「え?」

心すごく知りたい気持ちはある。だけど俺には今それを聞ける覚悟と勇気がない。だから今は……。

「俺がもうれる勇気ができた時に教えてしいんだ」

「そっか。でも私から一つだけ言わせてほしいの」

「何だ」

「翔平のお母さんは絶対に悪い人ではないし、これからも普通に過ごしてほしい」

「母さんが悪い人だなんて一ミリとも思ってないよ俺は」

「なら良かったけど」

「ハナティアは話すつもりではいたのか?」

「本當は翔平が記憶を取り戻した時に話そうと思ったの。だけど、一度に全てをれる事なんて難しいと思っていた」

「だからずっと黙っていたのか……。母さんとも口裏合わせていたんだな」

「騙すつもりはないの。ただ、いつか必ずこ話をする時が來ると思うから、それまでに覚悟だけをしていてもらいたいの。それほど翔平にとって殘酷な話なの」

ハナティアの口調がいつもより重い。よほどそれが俺にとって、重大な話なのだろう。

(何となく想像はついてしまうけど……)

まだそれをけ止めれる気はしない。それはきっとハナティアも分かっている。だからハナティアも話すのに躊躇いがあったんだ。

「その寫真、ハナティアが持っていてくれないか?」

「私が? 翔平はいいの?」

「いざその話をする時に俺に渡してほしい。それまではハナティアに持っていてほしいんだ」

「……そこまで言うなら、分かった」

これは今の俺が持っていては意味がない。いざ話す時が來たら、この寫真と共にハナティアには全てを話してもらいたい。俺が記憶喪失になった事によってもたらした、もう一つの隠れた真実を。

「さてと、まだ朝早いし家に戻るか」

「うん」

七月末のこの日、夏休みを目前にして俺はまた一つ、悩み事が増えてしまったのであった。

■□■□■□

それから二日後、大學の前期授業最終日。俺は全ての科目を終えて家へと帰宅すると、久しぶりにキャロルの姿がそこにあった。

し久しぶりだね、平ちゃん」

「相変わらずの不法侵だよな、お前は」

こうしてキャロルが我が家に來るのさえもしだけ久しぶりな気がする。トリナディアで何度か見かけたが、あまり會話していなかったような気がする。

「だって平ちゃん、私と何度もすれ違うくせに話しかけてくれないんだもん」

「それは俺も忙しかったからだよ」

「でも今日から夏休みなんだから、堪能しないとね」

「何でそれをお前は知っている」

「ハナちゃんから聞いたの」

「ああ、そうですか」

一応客人ではあるのでお茶菓子を出す。部屋は扇風機が回っているものの、暑さがそれを上回って、全く涼しくじられない。

「ところで平ちゃん、もうすぐだけど決めたの?」

「決めたって、何を」

「トリナディアでハナちゃんと暮らすかそれとも、元の自分の生活に戻るかの話だよ」

「ああ、それは」

まだ決まってはいないが、二日前の事をキャロルに話す。結果的に俺の母親に許しをけた訳だけど、それ以外の問題も結果的には発生してしまった。

「そっか、ハナちゃんの両親の話を聞いたんだ」

「正直キャロルお前はどう思う? やっぱりお前もハナティアと同じ事を考えているのか?」

「私も一緒に協力しただから、ハナちゃんがかなり苦労しているのも知っているし、そこからもたらした結果からハナちゃんが諦めてしまっているのも私は知っている。だけど私も平ちゃんと同じ意見かな」

「確証を得るまでは諦めない、か?」

「うん。二十年の月日はあまりにも長いかもしれないけど、それでも私は信じたいな。ハナちゃんの両親が生きている事を」

「そうだな」

「それにこの話はそろそろ本當に完結させないと、々大変な事になると思うの」

「大変な事?」

「それこそ本當にハナちゃんの両親が帰ってこれない位の事が」

「何だよそれ」

トリナディアとセレスティアナの間に何かが起きると仮定したら、考えられる事って……。

「あ、そんなに重く考えるような事ではないから、今のは忘れて」

「お、おう」

それ以上に気になるのが、何でキャロルはそんな予がしているのだろうか。そういうのって、両方の國に通じてないと分からないようなものだけど。

(まさか、な)

「ねえ平ちゃん」

「ん?」

「もしもの事があったらその……」

「何だよ」

「ううん、何でもないやっぱり」

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