《我が家の床下で築くハーレム王國》第59話炎天下の再會

翌日、二人を連れて久しぶりにトリナディアへ。正志と雪音は本當に來るのが久しぶりではないだろうか。

「溫泉旅行以來だな、ハナティアちゃん」

「元気でしたか?」

「久しぶりね二人とも。あとおかえり、翔平」

「ただいま……って、俺の家じゃないんだけど」

 

「いずれは翔平の家になるでしょ?」

「それは、まあそうだけど」

「相変わらず二人は熱々ですなぁ」

「そうですねぇ」

「何だよ二人とも、からかうなら帰ってくれよ」

まさかハナティアにお帰りなさいなんて言われるとは思ってなかったから、しだけ揺してしまった。でも一ヶ月もすれば、それも日常的な事になるのかもしれない。

(トリナディアが俺の家か)

なんだか不思議な気分だ。

「それでどうしたのよ三人も揃ってトリナディアに來るなんて」

「いや、折角の休みだから遊びに來たんだよ。二人とも明日から盆休みで実家に帰るみたいだからさ」

「へえ。じゃあ今日は楽しい一日にしないとね。サクヤ」

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「はい、ハナティア様」

ハナティアがサクヤを呼んで、耳打ちする。

「折角三人がトリナディアに來たんだから、あれ用意して」

「あれですか? しかし、まだ完していませんよ?」

「それでもいいの」

「分かりました」

ハナティアの指示をけたサクヤは、どこかへ行ってしまう。一何が始まろうとしているのだろうか。

「何だよハナティア、アレって」

「期待してなさい。私が今日この日までかに準備してきたんだから」

「それは完してから言ってくれよな」

何だかすごい嫌な予がするのは、俺の気のせいだろうか。

「大丈夫よ、別に危険な事をする訳じゃないから」

「それって俺達も參加できるのか? ハナティアちゃん」

「勿論! 皆でパーって楽しめるものを用意したんだから」

皆で楽しめるものというからには、何か複數で遊べるものとかだろうか。そう、例えば……。

(ボードゲームとか、か?)

■□■□■□

三十分後。俺達はハナティアに連れられて、あるものが用意された部屋へと案された。

「ジャジャーン」

ハナティアが扉を開き、その先で俺たちを待っていたのは……。

「え、えっとハナティア? これは何だ」

「雪音、俺これにすごい見覚えがあるんだけど」

「確か私達昨日夜に遊びましたよね」

「何よ翔平、これが何なのか分からないの?」

「いや、分かるんだけどさ」

昨日まさにそれで遊んでいたわけだし。まさかそれが実大になって、この部屋を埋め盡くしているなんて、誰が信じられよう。

「いやぁ、翔平にバレないようにで作るの大変だったのよ」

「いや、作らねえよ普通。ほぼ実大の人○ゲームなんて」

ハナティアがかに作り上げたのは、某有名なボードゲーム。どうやら俺の予は嫌な意味で當たってしまったらしい。

「てかさ翔平。これ」

「ああ。すごく手作りあるよな」

しかもよく見るとほぼ手作りだし、もしかしてときどきサクヤの姿を見ない時があったのって、これを作らせていたからなのだろうか。

「ちゃんとマス目も作ったし、まだ未完だけどルーレットもちゃんとあるの。どうかな」

まふで自分が作ったみたいにドヤ顔するハナティア。いや、作ったのサクヤだろうし、それに、

「どうかなって、なあ正志」

「うん。そうだよな雪音」

「はい、そうですね」

「「「実大にする意味ない」」」

「な、何よ皆して」

先程からドヤ顔していたハナティアの表が崩れる。これ遊ぶのはいいけど、どう考えても普通のサイズで遊ぶのより絶対に力使う。しかもここまで手作りがあると、すぐに壊れやすいと思うのだが。

「はあ……。ですから言ったじゃないですか。こんなの作るより、普通のボードゲームを買って遊んだほうが早いと」

「えぇ! さ、サクヤまで何を言っているのよ。これから第二弾として野○盤も作ろうと思ったのに」

「それもはや普通の野球になるからな!」

サクヤ曰く、これを作るのに一ヶ月はかかったらしい。俺の知らないところで何やっているんだかこの姫は。

「ともかく、ボードゲームは俺が一回家に取りに帰るから、普通ので遊ぶぞ」

結局俺はまた自分の家に戻るという、二度手間をする事になったのであった。

■□■□■□

一回家に戻った俺は、戻ったついでに近くのコンビニで飲み類を購する事に。

(しかし今日は本當に暑いなぁ)

その帰り道、暑さのあまり近くで小休憩を取っていると、し先にに覚えがある人が目にった。

(あれは)

俺は急いで駆け寄って聲を掛ける。

「あ、あの」

「ふぁ、ふぁい」

その人は俺の聲に反応してビクッとさせる。そして振り返った。その顔を見て俺はやはりと思った。

「あ、あなたは先日プールでお會いした」

「柏原翔平です。えっと、ハナティアのお姉さんの……」

この前は言葉をわしただけなのに、ついその正を言ってしまう。彼し驚きながらも、いたって冷靜にけ答えた。

「やはり知られちゃったのね。知っての通り私は、トリナディア王國現王ハナティアの姉のクレナティアと言うの。先日は勝手に逃げてごめんなさいね」

ハナティアの姉、クレナティアと名乗ったそのは俺に深々と頭を下げた。流石は王家というべきか、ハナティアとは違って作一つ一つがきちんとしている。

「い、いや、別に気にしてないからいいんだけど。むしろ俺も初対面相手に名前聞こうとしたのも悪かったし」

「初対面なんかじゃないわよ。あの時は思い出せなかったけど、今顔を見て確信した。あなた柚ちゃんの弟の翔君でしょ」

「た、確かにそうだけど。どうして俺の名前を?」

「どうしても何も、會った事があるからに決まっているじゃない。もしかして忘れちゃった?」

忘れたも何も、俺には彼に會った記憶がない。昔からトリナディアにいたなら會っていてもおかしくはない話だけど、ハナティアが話してくれた事に全く記憶がなかったし、やはりまだ記憶が完全に戻っていないのだろうか。

(だとしたら、もしかしたら)

「ん? どうしたの? 深刻そうな顔をして」

「あの、しだけ時間いただけないでしょうか?」

「別に構わないけど、どうして?」

「クレナティアさんに教えてしい事があります」

この人なら何か俺の事を知っているかもしれない。

俺はわずかながらそんな期待をしてしまった。

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