《我が家の床下で築くハーレム王國》第67話フウカという

フウカの一件の翌日、俺とハナティアは地上のデパートへ二人で出かけていた。用件は、どうしてもアレをハナティアが直したいとの事。確かに壊れはしたけど、それをわざわざ直す必要があるのか俺には分からない。

「そもそもあれってどんな材料でできてるんだよ」

「見ての通りマスは紙でできているし、破れないようにちゃんと固定までしておいたわ。ルーレットは、時計の針みたいな原理でできているのよ」

「もうそれもはや、夏休みの工作だよな」

紙の大きさから考えると、模造紙とかその辺りを使用した方がいいかもしれないけど、ただでさえお金がかかっているから、そこまで大金を使えない。

(規模は小さくするにしても、それなりの材料は必要になってくるよな)

そこまで考えて、俺は結論付けた。

「うん、やっぱり新しく作り直すよりあの材料を再利用して、新しく何かを作ろう」

「再利用って、あれ壊しちゃうの?」

「作ってくれたサクヤには悪いけどさ、あれをもう一度作り直すとなるとかなりのお金が必要になってくる。それよりかは再利用する事によって、他に予算を回す事ができるだろ?」

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「でもあれ、私のお気にりなんだけど」

「その発想は悪くないんだけどさ、何というかそれをもうちょっと違う形で生かせなかったのか?」

「皆で遊べるものなら、あれがいいのかなって」

「他にもあると思うんだけどな」

正直ああいう実大は決して悪いとは言わない。ただ、その規模の大きさと使う力、そして時間など踏まえると、一つの施設としてり立たせるのは難しいと思う。

「たとえばボードゲーム以外に皆で遊べるなら、スポーツ系とかさ」

「スポーツ? 何それ」

「いや、たまに俺の家のテレビとかで野球とかサッカーとかやっているだろう? あれをスポーツって言うんだよ」

「へぇ、そうなんだ」

「え? マジで分からないのか?」

「うん」

それは何というか予想外だった。何度か我が家のテレビでも見ているはずなのだが、スポーツという括りを彼は知らなかったらしい。

「じゃあ今度は水泳以外にもかすか」

「私でもできるの?」

力と運神経さえあればできるよ。でもそういうのを施設としてり立たせるのは難しいよな」

トリナディアの中でかせて、尚且つお金をかけないで作れそうな施設。単純そうなものに見えて、改めて考えると難しい。でもそういうのって意外と近にありそうだ。

(一番作れそうなものとしたら、それは……)

「そうだ、公園を作ろう」

「公園?」

「トリナディアにはそういう施設がないだろ? だから一番近で誰もが遊べそうな公園を作るんだ」

大きな規模のものは作れないけど、ちょっとした遊などを作ったりすれば、公園としてり立たせる事は出來ると思う。作り方は攜帯などを活用すれば何とかなるだろうし、これはいい案になるかもしれない。

「それは確かにいい案かも」

「そうと決まればここではちょっとしたものだけ買って、トリナディアに戻るぞ」

■□■□■□

デパートで軽く買いだけして、俺達はトリナディアへと帰還。材料を確認しながら、設計図を描く事にした。

「翔平ってこういうの作るの得意なの?」

「得意ってわけではないけど、それなりに作れる技量はある」

「私にも手伝えることがあったら言ってね」

「じゃあここにある材料を分かりやすいように一覧にまとめてくれると助かる」

「分かった」

公園を作ると言っても簡単な話ではないので、念に設計図を作らなければならない。特に遊に関しては、基礎をしっかり作らないと事故だって起きかねない。

「何してるの?」

そんな俺達を遠くから見てたのか、フウカが聲をかけてきた。今朝確認したところ、サクヤ曰く怪我はほぼ完治したらしい。ただ頭を打っているので、しばらくは安靜にした方がいいらしいが。

「フウカ、怪我の方は大丈夫なのか?」

「まだ頭痛い」

「頭を打ってるからな。あまり無理にかない方がいいぞ」

「寢てるの暇」

「まあ、それは分からなくはないけどさ」

ただまだ変にかすと危ない気がするので、手伝わせるわけにもいかない。まあ、遠くから見てるぶんには安全だけど。

「ねえ翔平、やっぱりフウカはがないのかな」

そんなやり取りを見ていたハナティアが小聲で話しかけてくる。一日でどうにかなるとは考えていなかったけど、どうやらフウカの無は本のようだった。

「今日もあの調子だしな。でも人間生まれた時からがないなんてあり得ない話だから、何かしらの理由でを失っているのかもな」

「何かしらの理由?」

「それはまだ分からないけど、それが分かれば記憶も取り戻せるかもな」

その理由は、恐らく昨日言った第三者の可能を示している。人がを失うだなんて普通は考えはしないけど、今目の前で起きているのだから何かしらの原因はあるはずだ。

(問題は)

その事についてフウカ自がどう考えているかだ。

「なあフウカ、今日までに何か思い出せたか?」

「何も」

「むしろ何で名前だけ覚えていたんだ?」

「それだけは頭の中に殘ってた。あとは何も殘っていない」

「じゃあ聞くけどさ、フウカは記憶を取り戻したいと思っているか?」

「……」

考え込んでいるのか、返事がない。普通なら即答だと俺は思ったのだが、それすらも違うということなのだろうか。

「記憶、取り戻したい。でも怖い」

「怖い?」

「思い出したら何か嫌なことが起きる」

「何だよそれ」

記憶を取り戻したら発したりするのだろうか。それは考えすぎだろうけど、それに値する恐怖が彼の中にある。

(これはもっと厄介な事になりそうだな)

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