《我が家の床下で築くハーレム王國》第92話布団とパジャマと初仕事 前編

正志達と別れた後、何をしたかはハッキリ覚えていない。々疲れてしまってそのままベッドで寢てしまったのか、それとも何かしたのかハッキリとは覚えていない。

ただ一つ言える事は……。

(この景も、何というかすっかり慣れたような、そうでないような……)

今目の前でハナティアが寢息を立てて寢ているという事。もういつものような景な気もするけど、今日からはもういつもの日ではない。

(正志達は今頃大學に行っているんだよな……)

時計を見ると既に晝の時間を回っている。いつも通りならもう遅刻している時間だ。

(寢すぎには注意しないとな)

あれはゆっくりとを起こす。するとそれに反応してかハナティアの聲が隣から聞こえてきた。

「んっ……翔平……? もう起きたの……?」

「起きたのか、ハナティア」

まだ眠たそうな目をしながらこちらを見てくるハナティア。

「……眠い」

「もうすぐ晝になるぞ」

「サクヤに後で起こしてもらうから……翔平は先に起きてて……」

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はそう言うと再び目を閉じてしまった。このままだと夕方まで寢てしまいかねないので、俺はハナティアを起こす。

「初日からそんなんでどうするんだよ、お前は。今日から本格的に始まるんだろ」

「分かっているけど……眠いのぉ」

「我儘言うな」

抵抗するハナティアから無理やり布団を剝がす。

するとそこには何とも無防備なハナティアの姿があった。パジャマが肩からはだけている事もあったか、見えてはいけないものが見えそうな限界ギリギリのラインの姿。

「あ、あのハナティアさん。その姿は々と見えそうなんですけど」

「翔平なら構わないよ……? それより寒い」

「それはそんな格好してたら寒いだろ」

はだけていた部分を隠すようにしっかりとパジャマを著せてやる。男の自分としてはし勿無い気がしなくもないけど、これ以上この格好でいられても目のやり場に困るのでそこは我慢するしかない。

「ってそんな事より、もう晝なんだからサクヤのところに行くぞ」

「ぐぅ……」

「寢るなー!」

結局ハナティアがちゃんと起きたのは、それから一時間後だった。

(この調子で大丈夫なのか、これ)

■□■□■□

「もう二人してたるんでどうするんですか!」

「いや、ハナティアがなかなか起きなくてさ」

「翔平が無理やり起こすから」

「お二人とも反省してください!」

「「はい……」」

何とかハナティアを起こさせてサクヤの元へと行くと、案の定説教されてしまった。俺はほとんど悪くないと言うのに、どうして初日からこんな間に合わなければならないのだろうか。

「正志様と雪音様と別れたのが昨日の今日の出來事ですから、元気がない気持ちも理解できますが、いつまでもぐうたらしているのは許しませんよ」

「悪かったって。明日からは寢坊しないように気をつけるからさ」

「頑張ってね翔平」

「ハナティア様も、ですからね」

「分かったわよ、もう……」

どこか不満げな顔を見せるハナティア。俺の知らないところでのハナティアは普段からこんな調子だったりしたのだろうか。

「さて、時間が大分押してしまいましたがお二人には早速仕事をしてもらおうかと思います」

「仕事? いつものような事じゃなくてか?」

「いつもしている事も仕事の一環ではありますが、翔平様にはこれからトリナディアの王になってもらうのですから、それなりの作法やその他々な事をにつけてもらわなければなりません」

「作法か、確かにそれは必要だな」

「その為にはまずハナティア様と一緒に、この國に住んでいる人達一人一人に挨拶に向かってもらいます」

「え?」

今なんて言いましたか? サクヤさん。

「それ私も付き添わないと駄目なの? あれって々大変じゃない」

「國民の信頼を得るにはまず顔を覚えてもらう事からです。翔平様は何度もこの國を訪れていますから多の認識はあるとは思いますが、今度はこの國の王として改めて挨拶しなければなりません」

「それは、まあ確かに大切かもな」

「ちょっと翔平、本気で言っているの? 知らないから言えるのかもしれないけど、トリナディアは……」

「さあ翔平様、頑張ってきてください」

こうして俺のトリナディア國王としての初めての仕事が幕開けしたのであった。

■□■□■□

「なあハナティア」

「文句があるなら、まず私の話を聞かなかった事を謝りなさい」

「本當にすいませんでした!」

それから二時間後。ようやくおれは三分の一の民家の挨拶回りを終えた。何故三分の一だけでハナティアに早速謝ることになったのかと言うと、

一世帯の家族の人數が多い。しかもそのほぼ全員が

というどうして家族がり立っているのかすら分からない家が多いからだった。

(が多いという話は聞いていたけど、まさかここまでなんて……)

ここに來て半年近く経って初めて知った事実だった。

「これは々な意味で疲れそうだな」

「だから私言ったでしょ? 浮気はしないでって」

「俺そんな人間に見えるか?」

「うん見える」

「そこは頼むから否定してくれよ」

まだまだ俺の初仕事は続く。

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