《我が家の床下で築くハーレム王國》第108話言葉の力
「翔平様、ちゃんと戻って來られたんですね」
「ちょっと空気を吸いたかったんだ。悪い」
ハナティアに連れられて戻ると、さっきまでと何も変わらない様子のサクヤが出迎えた。
「それとミル様もご一緒でしたか」
サクヤの言葉で俺とハナティアは振り返る。するとだいぶ離れた扉のにミルの姿があった。
「付いて來てたのか」
「そこに隠れてないでって來なさいよミル。さっきも言ったけど、ちゃんと話をしたいから」
「……うん、分かった」
ハナティアに言われてミルがってくる。これで今朝からの一件も含めて、ちゃんと話をするべき人が全員集まった。
「ハナちゃん、今朝はごめんね。私もし無神経すぎた」
「いいよ、ミルの話は確かに間違っていなかったし、あんたのおかげで目を背けるのをやめられたから」
「私そんな大したことしてないよ」
「昔からの私とあんたの仲でしょ。喧嘩なんていつものことだし、あんたが気負う必要なんてないわよ。私だって悪いんだから」
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「ハナちゃん……。ごめんね、本當にごめんね……」
今朝からの様子からして、ハナティアはかなり怒っているとミルは思っていたのだろう。それがまさか逆に勵まされる事になるとは本人はおろか、俺も驚いた。
(これも長したから、なのか)
ハナティアは一つ大きなことを乗り越えた事によってまた一つ長したのだろう。それが俺はしだけ嬉しかった。
「どうやらお二人の問題は解決したみたいですね」
「そうだな。多分あれから時間も経っているし、ハナティアもし冷靜になったんだよ」
「長の証、ですね」
「そうなるんだろうな」
俺とサクヤはついしみじみしながら語り合う。
「ところで翔平様は、先程はどうして勝手にこの場から離れたんですか?」
「えっとそれは……」
だがしみじみしたのも束の間、サクヤは直球の質問を俺に投げかけてくる。それに対して、俺は先程じてしまった自分の無責任さに対する気持ちを、ついサクヤに話してしまった。
「それに対してハナティア様は気にしていないと言っていませんでしたか?」
「言っていたよ。俺も勝手に気にしすぎだって分かっているんだよ。けど、自分の言葉がハナティアにしでも希を持たせたのは事実なんだよ」
「なら、それは今後は気をつければいいんじゃないでしょうか」
サクヤの言葉は最もだし、俺自もいつまで引きずる理由がないのも知っている。けど、その自分の言葉で一人の命を失わせてしまったのも事実だった。
俺はあの時彼を傷つけなければ。
今でもそう思うことがある。
「翔平様の過去に何があったかは聞きませんが、それとハナティア様は別ではないのですか? 現にあなたの言葉はハナティア様を救っているのですから」
「そう……なのかな」
「そうですよね、ハナティア様」
サクヤが話をハナティアに振る。ミルと話をしていた彼が一旦話をやめて、俺の方にやって來る。
「そうよ翔平。私は謝しきれないくらい翔平に救われているんだから。今日の事だって、翔平のおかげで私はけれられたんだから。だからもっと自分の言葉に自信を持っていいんだよ」
そう言うとハナティアは俺の手を取って來た。俺にはその言葉がとても嬉しくて、しだけ心になっていた重りが消えた気がした。
「ありがとう、ハナティア」
俺はつい彼に対して、お禮の言葉が出ていた。
■□■□■□
朝の騒から始まった問題が解決した頃には、もう既に日付も変わっており、ミルも今日はここで寢泊りをする事になった。
そこまではいつも通りだったのだが、
「なんで三人で寢るんだよ」
「ミルが何を言っても効かないんだから仕方ないでしょ。私だって翔平と二人がいいんだから」
「ちょ、恥ずかしいこと言うなよ」
「そっちこそ言わせないでよ!」
「二人とも、私を無視してイチャイチャしないでよ」
何故かミルも含めて三人で同じ部屋で寢る事になった。本當はハナティアと二人の方がよかったのだが、
「ここは我慢するしかないか」
「ダーリン、本音出ちゃってるよ」
まあとにかく今日はすごく疲れたし寢よう。
「ねえねえダーリン、し話をしようよ」
「……」
「ねえダーリンってば」
寢かしてください(懇願)。
「何だよ、俺はもう寢たいんだけど」
「ハナちゃんすぐに寢ちゃったし、今ダーリンぐらいしか話せる相手がいないんだもん」
「寢ると言う選択肢はないのかよ」
このまま放置しても寢かせてくれなさそうなので、俺は諦めて仕方なく話し相手になってあげる。
「今日は々ありがとうね、ダーリン。私のためにハナちゃんと話してくれて」
「別に俺は何もしてないよ。それにお前とあのままだったら嫌だっただろ」
「それはそうだけど、やっぱりダーリンのおかげだよ」
サクヤは先程言っていた。俺の言葉がハナティアを救ってくれているのだと。俺としてはやはりその実はわかないのだけど、ミルもそう思ってくれているのだろうか。
「このままだとハナちゃんとお別れしずらかったから、本當に良かった」
「え? ミル、お前今なんて」
「ごめん、今言ったことは忘れて」
「いや、だってお前」
だがその後ミルは何も言葉を喋らなかった。
(今別れの前にって言ったよなミル)
気のせいだと思いたかったが、その言葉の通りにしたかのように、翌朝彼の姿はなくなっていた。
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