《TSしたらだった件~百合ルートしか道はない~》凄く神様を呪いたい気分です」

史上最も神様を呪いたくなるとき、なーんだ。

正解はこれ。『人生初めての彼が出來た翌日に神様の手によりTSさせられる』だっ!

………まぁ、ここからも察せるだろう。丁度俺はさっきそれをされたのだ。泣けてくるよ。

何か月も掛けて同じ部活の後輩ちゃんの好度稼ぎしたり良い所見せたり々頑張ってようやく心をGETしたのに、翌日にはこれだよ。

しかも神様によればTSしたこの姿の方が正しい運命らしく、男には戻せないんだと。マジでこの時ほど殺意を抱いたことはないね。実際神様に膝蹴りかましちゃったしさ。

効かなかったけどな!防すぎだよ神様!せめてちょっとくらい痛がってくれないかなぁ。

ホント、嫌になっちゃうよな。しかも自殺しようにも神様に何故かかけられた自殺防止の魔法的なもので全ての自殺行がキャンセルされちゃうし。

クソ、変なところだけしっかりしやがって。出來れば俺の魂の整形を間違えて男にしてくれなきゃよかったのによ。

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ヤバい泣けてきた。

いつか次に神様と出會ったら問答無用で毆り飛ばそう。そう決めてとりあえず心に平靜を取り戻す。

「ただいま」

すると、俺が平靜を取り戻すのを待っていたかのように弟が帰宅する。

俺はいつも通りおかえりと言おうとしたが、あることに気付く。

あれ?今の俺って完全に不審者みたいなもんじゃね?ってことに。つまりいつお前誰だと言われてもおかしくない狀況ってことだな。

………隠れよう。なくとも一度態勢を立て直してから弟に説明しよう。

あと、念のためばったり出會った時の言い訳も考えないとな。

「………お前は誰だ!」

しまった、手遅れだったみたいだな。

弟すでに不審者撃退用催涙スプレーとガスマスクで臨戦態勢だし。

ーーーーーー俺と弟の視線が差する。

あちらからは一撃必殺の意思が伝わってくる。しかしそれに対して俺の視線からは………

圧倒的な降參の意思が放たれていた。

弟ってさ、なんか隨分前からよく分からない武をやってるから、やたら喧嘩も強いんだよね。喧嘩なんてしたくないよ。多分死ぬし。

「お前は俺の顔も忘れたのか!?」

「俺にの知り合いは居ないし人局つつもたせに関わった覚えもねぇ!」

「ちゃうわ!俺だよ俺!お前の兄貴の田中由たなかゆうだよ!」

この愚弟め、俺の聲も忘れたというのか。

あ、でも今の自分の聲を聴いたら明らかに俺でも可いと思うくらいの聲だったし、分からないんだろうな。

だがしかし俺にはちょうど本人であることを証明できる切り札がある。

これはかなり兄弟仲を悪化させかねない諸刃の剣だが仕方あるまい。

「亮太、俺はお前がつい先日見たサイトの履歴をいくらか知ってるんだぞ?」

「なっ………」

「その気になればアマイゾで兄妹ものの同人誌20冊ほどを注文して支払いをお前にしつつ屆け先を母さんにしてやっても………」

この弟、兄持ちなのに(まぁ男兄弟はいわゆる兄弟姉妹持ちがこういうのに興味を持ちにくいってアレに引っかからないのかもしれないが)兄妹もの大好きという謎癖を持っているのだ。

それをしっているのはもちろん俺だけ。そして亮太はこれが見するのを恐れている。

つまりこれを脅迫材料………もとい渉材料に使えば大抵はどうにかなる。多分。

実際に使ったことは無かったから、半分以上賭けみたいなもんだが………どうだ?

「おう、兄貴、なんで裝してるんだ?」

裝じゃないぞ、いわゆるTSだ………つーかお前態度変わりすぎだろ」

俺は、弟の態度が突然に変わりすぎてし笑いだしてしまった。

いやー、弱點っていいね。

特に敵意むき出しだったやつが突然頭を低くしてくる系のは。

「じゃあ、兄貴は何故にTSしたんだ?説明してくれよ」

あ、でも流石にTSなんてのは信じられないよな。

まぁこれは説明してやるとしよう。俺だって正直信じられなくて頭が混していないわけじゃない。

「良いだろう、それじゃ一回しか説明しないからよく聞け」

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學校から帰宅した俺は、無駄かつ無意味に気分が良かった。

なんと今週の土曜日にデートすることになったのだ………これで俺もリア充の仲間りだな、フハハハハハ!

まぁ端から見ればどう足掻いても不審者認定待ったなしのレベルでテンションが高かった。

だって人生初だぜ?子と學校でもないのに一緒に行するなんてさ。

そんな風にやたらテンションの高かった俺は家のドアを無意味に勢いよく開けて家にった。

すると、居間になぜか居たんだよ。神が。

「いやー、緑茶って味しいですよね」

當然ながら俺は弟と同じくガスマスクと催涙スプレーを持ってきて、迷いなく噴した。

それは寸分の狂いなく神様の顔面に命中したわけだが、當然のことながら人間の化學力では神に効果のある催涙スプレーを作ることが出來なかったようで、まったく効果はなかった。

そして、やがて神様はおもむろに立ち上がると俺をに変えた。

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「え?それだけ?」

「まぁな。他にも自殺できないようにされたり俺が神様に膝蹴りしたりもあったが、説明が面倒だから省くぞ」

いちいち説明していたらいくら時間があろうと足りないしな。

まぁ、よく分かっただろう?俺がお前の兄貴、田中由()だということが。

「余計に分かんねーし、むしろたくさん説明を追加してもらいたいくらいなんだが」

え?マジですかい………

このあと、滅茶苦茶説明させられて二時間くらい浪費した。

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