《TSしたらだった件~百合ルートしか道はない~》「弁當の容に兄弟間で差があると微妙にジェラシーが生まれる」
まずいなー。本當にまずい。
朝食作りながら考えることじゃないが、本當にまずい。
我が家の弁當は昨日の殘り、朝作った一品、ミニサラダもどき、白米の4つによって構されているのだが、昨日は夕食を作ってすらいない。
ホントにまずいわ。亮太は運部だから朝練がある。そのため早く完させる必要があるし、亮太は俺と違って大食漢みたいなものだから購買や食堂で済ませようとすると1日當たりの食費が俺計算で3人分になるのだ。
だから弁當以外の手段はないのだが、足りないとなると々大喧嘩になってしまう。
………亮太が起き上がってくる前になんとかしないとな。別に手段がないわけじゃないし。
まず手段1。ほぼ白米作戦。これをやると結局喧嘩になるが、まぁ被害は減る。ただし今の俺はになっていることも考慮すれば亮太との喧嘩で大変なことになるのは明白だとしか言いようがない。
手段2。急いで買い。ただし凄く疲れるので卻下。これは切羽詰まった時亮太にやらせるためだけの手段だからな。
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そして本命とも言える、手段3。冷食の唐揚げを投。弁當のコストは上がるが喧嘩もせず、俺が疲れずと最高の手段だ。
しかし問題があり、弁當に詰めるとなると俺の分が………俺は適當に卵焼きとアスパラのベーコンを増量しよう。最悪購買で適當にパンでも見繕えばどうにかなるし。
俺は結局3を選択、冷凍室から唐揚げを取り出して皿に置き、レンジで溫め始めた。
「おはよう、兄貴」
あ、なんてタイミングに起きてきやがった亮太め。もうちょっと早けりゃ嫌味の1つも言ってやれたのに。
「おはよう。今日は適當にベーコンエッグと余分に作っちまった弁當の中な」
「今日はと言いつついつも通りだってのは気にしないでおいてやるよ」
うるせぇしばくぞテメェ。
以外と大変なんだからな、料理。主に皿洗いとか後始末とか。
だから朝から凝ったもんなんて作れませーん。俺だって學校あるし。
「あ、そういや今日學校行くときどうすんだ?」
俺が心中で文句を言いながらも料理を継続していると、亮太がそんなことを聞いてきた。
日頃はそんなこと聞かないってのに、どういう風の吹き回しだ?
つーかお前は俺と出発の時間が違うだろっての。
「なんで?って顔だけどさ、今兄貴はだろ?制服どーすんのかって聞いてんの」
「………………」
あー、まずい、忘れてたな。制服か、そうか制服か。
確かにになってしまったの俺が男の制服を著てたら不自然だよな。
髪もどういう原理か男の時に比べ圧倒的に長いし、顔も変わってる。男裝なんてのはやり方が分からないし………
でもまぁ、意外と知られちゃいないんだが校則上は男が子の制服著てようがが男の制服著てようが構わないはずだったな。
あと、今更だが學校に學した時の戸籍では別は男だったし、大丈夫。
これで問題はなしだ。
「大丈夫だ問題ない。校則にが男の制服を著なくちゃいけないってルールはないしそもそも學校に學した時の戸籍上は多分男だ!」
「………でも恐ろしく目立つよな」
覚悟の上とかは言わないけど仕方ない。どうせの制服持ってないし。
「それよりさっさと飯食えよ?あと30分くらいでいつもの出発時刻だろ?」
俺はこの話を切り上げるべく時間の話を切り出した。ちなみに今は6時ちょうど、まぁまぁ早い時間だが朝練は7時からなので、いつも亮太は6時半には出発しているのだ。
………余談だが、亮太は時々目が覚めきってないのか弁當を忘れるので、俺が弁當を屆けに行くというラノベばりのイベントが結構存在するのだ。
流石に今日は無いだろうがな!
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弟よ、なぜお前はこんな日に限って弁當を忘れるのだ。
あれか、さっき今日は無いだろうがなと言ったのがフラグだったのか。
………神め、お前はどれだけ俺が嫌いなんだふぁっきん。今日だけで分かりやすい被害が2つあるぞ。呪ってやる!
「弁當よし、カバンよし、財布よし、弁當よし………問題なし」
そんなことを考えながらも俺はチェックを済ませて出かける用意をする。
俺が弁當を忘れちゃ最悪以外の何でもないので、特に念にチェックした。
そしてチェックを終えると、いつもよりでは重い気がする荷を持って家を出る。
になった影響で筋力が低下したのかもな。大変だ。
げんなりしながらも、俺は足を前に運ぶ。なんとなくだが、は約3割ほど重くじられる。
TSの意外な欠點判明だな、筋力が下がって々大変になる。
「あぅうぇあ!?」
あと、なんかバランスも取れないなこりゃ。今も危うく転びかけたしさ。
原因は不明としか言えんが、多分いつもと違って筋力が足りなくて荷との釣り合いが取れてないんだろう。
のは思ったより不便。なって初めて分かんだね。
「………大丈夫ですか?」
あぁすまないね心配せずとも良いのよ見知らぬ通りすがりの青年よ………ってお前は!
「五丈じゃないか。アホの」
「初対面でアホ!?だと思って近づいたら意外と酷い!」
「そりゃ初対面じゃねーし」
五丈武ごじょうたける。俺の通う高校において最大のアホと呼ばれる男だ。
ちなみにコイツ、結構顔は良いのにいつもいつも余計な一言で『コイツはないな』とか思われてんだよな。もったいない。
あと、ついでだけど俺の數ない馴染の一人でもある。
「初対面じゃない………?ハッ、これはまさかのい時に會ってるってパター………」
「毎日顔を合わせてる馴染の顔も忘れたのかバカ!」
俺は武の顔面をしばく。相手がコイツである以上はそこに手加減という言葉はない。
だって武は変に打たれ強いからな。手加減したところで『無駄だぁ!』とか言うだけだし。
昔から。
「と、言うことは俺のストーカーか!?なんだ、言ってくれたらなんでもしてあげたのに」
「いやここまで言ったら分かるだろう、田中由だよ!」
「いや、由がこんな可いわけがない」
やめろお前某有名ライトノベルのタイトルみたいなことを言うな。
つーか馴染なんだからそこら辺のシンパシーで分かったりしないの?
分からないよな、アホの武だし。
「いや待てよ、馴染がTSってことは俺の青春ラブコメが始まるってことだな!」
「いい加減にしろやバカがぁ!」
説明にかなりの時間を要した。
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