《TSしたらだった件~百合ルートしか道はない~》「事態が自分の分からないところで深刻化されていくパターンには申したい」

「………まぁ、要約するとこうだよ。帰ったら神が家にいて、なんかTSさせられて、こうなった。OK?」

「よろしくないですね」

デスヨネー。俺もそう思う。だっていくらなんでも今の言葉だけで理解されたら後輩ちゃん異星人説を疑っちゃうよ?

今考えて作り出した説だから証明どころか仮説すらないけども。つまり、これは説ですらなくただの世迷言というか戯言である………なんか虛しいからやめとこう。

でも個人的にこの狀況下においては後輩ちゃん異星人説が真実であってしかった。説明の手間が省けるし、何より面倒な証明とかが必要ない。

例えば本當に神様が來て俺をTSさせたのかどうか、とかさ。

「あ、いやでも一応先輩が噓を言ってないのは分かってます」

あぁそうかい。そりゃ良かった。

やったね俺ちゃん説明が省けるよ!ってアホか。

後輩ちゃんがどうやって俺の言ってることが真実だと分かったのか分からないだろう?あてずっぽうで実は噓だと思ってるって可能も………自分の彼を疑いたくはないけどさ。

例えば俺の心拍數の変化とかで分かったとかならなんとか理解できるけど、そもそも心拍計もないのにそんなことが分かるわけもないのでこの方法はそもそも論外だし、他に後輩ちゃんが俺の言葉を真実だと思った理由は思いつかない………どうしたものか。

後輩ちゃんに疑いの目を向けた。

「ちなみに先輩は噓をつくとき僅かに耳がいてるんです。知ってました?」

「………!?」

え?マジで?俺そんなクセあったの?

いや、でも耳を意図的にかすとかは無理だし、クセも何もないんだがね………

恐ろしいぞ後輩ちゃん。俺の彼はもはや俺の噓の一切を見抜けるだなんて、どこまで進化するというのだ!?

「そして驚愕、恐怖の時は僅かに重心がズレて、右に寄る………ほら」

なんだろう、俺が將來的にに敷かれるというか、られるような気がするのは気のせいか?出來れば気のせいであってほしいが、気のせいか?

うん、気のせいだよな。どうにも日々仕事に追われて疲れ果てたところに優しい言葉をかけられてなんだかんだで無茶してる俺が見えた気がするけど、気のせいだよな?な?

そうだ気のせいだ。こんなに優しい後輩ちゃんが俺をに敷くわけがない………

「それと、嫌なことを考えて自分で否定してるときは基本絶的な表からの目を閉じて頭を振るのコンボですね」

「なぜわかった?」

「見れば分かりますからね」

まぁ、確かにそんな分かりやすいことをしてたら後輩ちゃんじゃなくても分かるよな。

俺だってそんなコンボを展開してる奴を見付けたら『あぁ、將來に悲観してるのかな』くらいは思うだろうし。

………で、どうしようか。後輩ちゃんはこのTSの犯人が神であることと理不盡な存在によるものであることは理解したようだが、個人的には半端な説明ってのは避けたいところだ。

しかし後輩ちゃんに詳しく説明するにしても、どこから言えば良いのか分からないぞ。

助けてタヌキ型もとい貓型ロボットさん。

「悩んでますね?」

しかし、俺の悩みを解決してくれたのは貓型ロボットなどではなく、問題の後輩ちゃんであった。

いやー、頼りになるね。いっそ怖いくらいに。

「あぁそうだよ。顔に出てた?」

「とりあえずそのTSの説明なら神様ってやつの見た目とかだけで良いですよ。なんとなく理解できるので」

おぉ、見た目だけ説明するなら簡単だぞ。

あの神の見た目は………見た目は………

あれ?思い出せない。なんか記憶の中での神の姿はハッキリしてるのに、口に出そうとすると途端にわからなくなる。

おのれ神、俺の脳に何か仕掛けたなふぁっきん。くたばっちまえ!

まぁ、なんとなくこの『名狀しがたい人間のようなモノ』的覚を伝えることが出來れば大丈夫だろう。きっと。

そんな理由のない覚に従い、俺は神の見た目………の、ようなものを伝える。

「その、なんというか………良くも悪くも言葉にすることが出來ないじの見た目だったな」

そしてその言葉ののち、後輩ちゃんは深刻な表になってしまったのであった。

………なんで?なんか深刻?むしろ『言葉にできないって何ですか言葉にできないって』みたいなコメントを予想したのだけれども。

わけがわからないよ!

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