《TSしたらだった件~百合ルートしか道はない~》「今一番心の溫まらないお話とか誰得?」
今一番心の溫まらないお話をしよう。
でも、溫まらないからって心は冷えないから安心してくれよ。だってこの話を聞く前にきっと、あまりのつまらなさに心は冷え切っているだろうからな。
………え?いや知らんから。もっと話を面白くしろとか言われても出來るだけ普通に生きていくのでいっぱいいっぱいの俺にそんなことを言われてもすごく困る。
まぁ、そこら辺はあの腐れ神様の領分ってやつだからさ、願っといてくれ。
で、その心の溫まらないお話というものはこれだ。
神様家の家庭トラブル。他人の家の家庭トラブルほど聞いてつまらないものはないよな。俺も知ってる。
でもこれは聞かなければならない………自分自のTSが巻き起こした頭のおかしい問題と、その他一部のために。
「………前置きは終わりました?」
「終わった。それじゃ始めてくれ」
食事中、なんか神様の雙子の姉が神妙な顔で何か語りそうにしていたから誰へというわけじゃないけどちょっと前置きをしてみたんだが、どうだったろうか。
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ちなみに現在亮太はこの回想シーン的な流れに気付いていないのかバクバクと飯を食っている………が、そこは気にせず話をしてもらうとしよう。
「………そもそもこの話はあなたがTSした時のわずか15年前のことです」
ちょっと待てよ、15年前って俺が産まれて間もないか生まれる前の話じゃないか?
どんだけ前からなんだよ………あ、そうか神様の尺度で図ると15年前はわずかなのか。人間とは比べにならないほどの時間を生きているから相対的に考えて15年を短く考えられるということだ。
「その時、ちょうど死んだ史上最大のブサイク男の魂があったんです」
あ、すげぇ嫌な予しかしない。これそのブサイク男の魂ってのはまさか………
「で、それがあなたの魂なのですがね?魂の摂理によると生は廻のに乗って転生すると次の生において別が逆になり、特徴も逆になるんです」
やっぱりか、やっぱりなのか。俺は前世でもブサイクだったのか。
そりゃ俺もブサイクだったけど、前世から顔が酷いとか嫌すぎる。そんなの殘酷だよぉ!
「でも兄貴は男だったし、そこそこに顔も良くなかったよな?」
俺がなんか運命の殘酷さとかその辺に悲しみを覚えていると亮太が口を挾んできた。お前も話は聞いていたのか………飯食いながら喋るのは行儀悪いがそこには目を瞑っておいてやるよ。
「えぇ、それは我々の手落ちです」
それにしても、神ってやつはどこの世界でも一回は失敗するんだな。素直に驚くよ。まぁ失敗の多くはいわゆる小説の世界の中だけ、だろうがな。
「ここからは説明のために回想にりましょうか。面倒ですし」
………おい待てちょっとその発言はメタいぞ気を付けろ。
――――――――
「母さん、何してるんですか?」
何もない空間の中、は大笑いしているに話しかけた。
するとは大笑いしながらに一枚の紙を見せた。
「いや、この男の魂の極端さは凄まじくて………アハハハハハハハハ!」
「どれだけ酷いんです………アハハハハ!」
そこに書かれているのは魂の報であり、その魂がになったときと男になった時の結果のようなものが掛かれている。
その容があまりに極端であるから、大笑いしているのだ。
「男になった時の容姿………これは………」
男になると史上最も醜い存在になり、になると誰よりもしい存在になる。
そんな魂はめったに存在しないので、笑っている。
………正確には、前回の転生時になった男としての姿を見て笑っているのだが、その點は本人の名譽のためあまり言及しないでおくべきだろう。
「まぁ今回はちょうどとして生まれなおすから、この面白いものを見るにはあと100年ほど待つ必要が出てくるんだけどねぇ。殘念だ」
はとても殘念そうにそういうと、紙を適當なところに投げ飛ばした。
これだけで魂は廻のに乗り、気付けば勝手に転生する。
いわゆる神の遍在の応用であり、どこにでもいるからどこにでも送れる。どこにでもいるからどこでもけ取れる。
そんなイカサマ染みた話だが………まぁ今はそこに意味はない。
それよりも大事なのは、送った先である廻のの付近。そこにいる一人の。
この15年後には腐れ神様とか、なんだかんだで凄く罵られる神様であり………現在不運にも送った先をあまり確認せずに送られた紙が後頭部に當たってしまった神様である。
―――――――
「それで?どうなったんだ?」
「いや、後頭部にぶつかったはずみでうっかり変な報が混ざってになるはずか男になった。それだけです」
………あまりに酷いな俺が男になった理由。
え?お母さんが適當に俺の魂のデータ?を文字通り投げたら別がおかしくなったって何よ?
訳わかんないよ?そもそも何をどうしたら後頭部アタックが魂を書き換える結果になっちゃうの?どんだけ神様のエネルギーバケモノ染みてるのよ。
激しく抗議したいね。なんで俺の魂の扱いが雑なんだって。
別にそれが普通なら気にしないでやるけど、変な扱いをしてこうなったのなら裁判モノだよ。
ま、そんなはずはないよな。神様はどこぞの聖書によれば平等らしいし。
「あ、でも安心してくださいね。通常は機械業務ですからこんなミスは起きません。ただちょっと偶然お母さんの目にっちゃっただけですから」
「大問題じゃねーか!」
前言撤回。神様は平等じゃねえ、くたばりやがって結構だぜ。
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