《TSしたらだった件~百合ルートしか道はない~》「安眠の恨みは大きいんです」

朝一番でやりたくないこと、なーんだ。

正解はステラの回収。當たった奴はきっといない。

そんなわけだが、今朝の俺は何故か我が家の前で倒れ伏していたステラを回収して、多分風邪でも引いたんじゃなかろうかってくらいにぐったりしているステラ用に何か消化しやすいものを作っている最中だった。

『居候が風邪引いた』とかいうアホな理由で休むという最終手段を使ってな!

というかアレだぞ、昨日中々眠れなくて起きた時には亮太がすでに出かけていて、更に表に置き去りにされていたステラを俺の貧弱な筋力で回収、椅子に座らせて頬を叩いて気付けし、料理をするなんてことをしていたら當然ながら遅刻するよな、ということである。

それに今日も男どもが懲りずにやってきていたから、休む口実が出來たのは怪我の功名かもしれない。

昨日の一件もあるし、あいつらは何をしでかすか分からんからな………出來るものであればあいつ等が消えるまでは外に出たくないものだ。

今日なんて昨日より男たちの熱気がすごいから、俺のHPを割合で80%ほど削っていった気がするからな。

まぁ、今はそれよりも多大変な問題があるのだが。

「由さ……ん………」

それはステラがやたら魘されるように俺の名前を呼び続けている問題。

というかなんだよ、俺ってこんなにトラブルを引き付けるような江戸川質だったっけ?いやまぁ杉の下と書く方のお方質でも間違いじゃないけどさ。

ただなんだってんだよ、これで連続………4日もなんらかのトラブルがある日が続いているぞ。神は俺を嫌いなのか。ちなみに俺は大嫌いで、親の敵ってくらいに大っ嫌いだ。

あぁ、でもここまで毎日トラブルに襲われると嫌になってくるよ。トラブルなんて1日でも嫌なことには変わりないけどね。

ただ、お願いだからここまで連続で起こられると本気で引きこもりたくなるからやめてもらいたい。

………なお、俺が抱える問題のほとんどの原因はあの腐れ神様じゃね?とかいうことに気付くのはこのあと數時間くらい経ってからであった。

気付くのが遅いぞ、俺よ。

だがまぁ、そんなことに気付かなかった俺は、ため息を吐きながらも適當に作った料理をステラに差し出した。

そしてその流れで自分用の皿にも料理を盛ると、ステラの向かい側に座って食事を始めた。

………というかコイツ、また寢てないか?

「おいステラ、飯だぞ」

ひとまず聲だけで起こせないかと思って話しかけるが、完全に眠ってしまっているのか起きない。

まぁこうなったら普通はそっと布でも掛けてやるのが紳士って奴だろう。しかし………俺は今男ではない。

魂ソウルは男だとを張って言えるが、ボディはだからな。つまりここで布を掛けるのではなく、普通に叩き起こす選択肢があるのだ。

俺は、ステラに近寄って脳天に連続でチョップを喰らわす。

小學校のころ、先生が寢ているやつにやってた方法だ。痛くない程度に頭を揺らすのがコツという事だったが、まぁとにかく叩き起こせればいいのだ。

「………ふぁっ!?」

ほら、起きた。流石は先生流。小學校のころ確実に誰でも起こした伝説は伊達じゃない。

「由さん、なんかものすごくが重いんですけど、私って………」

「暴走して外に飛び出して行ったあと、家の前で死んでた」

俺は疑問をぶつけてきたステラに容赦なく完全な真実を伝えた。

ここで優しい噓を教えてやる必要はないだろう。

だって結構面倒を掛けてくれやがったし、自分の意思じゃないとは言え俺の安眠を邪魔してくれやがったからな。その恨みだと思ってけ取りやがれ。

「その………私、由さんに何か酷いことしちゃいましたか………?」

「安眠を妨害され、危うく食われかけ、枕とタオルを使えなくされた」

「そこは優しい答えを期待したんですけど!?」

………知るか、安眠を奪われた恨みはものすごく大きいのだよ。

自業自得、とは言わんがこれくらいの八つ當たりは許せ。

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