《TSしたらだった件~百合ルートしか道はない~》「由の居ぬ間に:1」

「せ、先輩が休み!?」

えぇそうです、そうなんですよ………その、由の彼ちゃん。

鹿島さんにも理由は分かりませんがね、どうやら今日は居候とやらが風邪を引いたらしく、その看病で休んでるそうな。

アイツも運がないな。ここんとこトラブル続き過ぎるぜ。

TSに始まり、武タクシー、俺も含む三人で救出しに行った昨日の人だかり、そしてこの彼ちゃんによれば昨日の部活の時危険な新りが來た上に帰りはとんでもない大ピンチだったとか。

ラノベかマンガの主人公かっての。TSによってトラブルメイカーに目覚めたのならちょっと縁を切りたいところだがね。

んで、今日の欠席か………俺の廚二病が半端に抜けきってない頭の勘を信じるなら、どこぞのTOでラブってるマンガのようなラッキースケベ展開になっているに違いない。いやきっとそうだ。

TSなんつーおかしな事象が起こるのもアイツがきっと主人公質的なそれを持ってるからに違いない!

「あ、あの、鹿島さん?」

「………なんだ」

「さっきから変なオーラが出てますけど、どうかしましたか?」

ぬ、オーラってなんだよオーラって………某稲妻な11人のゲームで主人公代と一緒に生まれた化なんとかでも背中から出ているとでもいうのか。

殘念ながら違うな。俺にはそんな才能はない。

あるのは廚二病の殘滓と微妙にかっこつけて立つ技、普通よりイケボっぽく聞こえる喋り方だけだ!

まぁ、もちろんその3つも自己申告に過ぎないからな。もしかしたら俺も知らない俺の才能がどこかにあるかもしれんけどな。

「あ、やっぱり出てますよ?なんかオーラ的なもの」

「………」

マジか。2度も見るのか。

一度ならともかく、2度も見るのなら、それはもしかして現実なんじゃないか、と思う。

しかし昔由にその手でからかわれたしなぁ………どう解釈すればいいんだ。

俺の廚二病が暴走して変なオーラみたいな何かを現化させているのか、それとも由がこの彼ちゃんにあのことを教えて、それを再現しているだけなのか。

うむ分からん。

まぁ、訳の分からんことは考えないでおいた方がよさげだし、さっさと話題を変えて逃げてしまおう。

どんな話題を出せば逃げられるかは分からんが、とりあえず何か適當に………そうだ。

「まぁそれはともかくとしてだな。もうそろ部活に言った方が良いんじゃないか?」

もう放課後なんだし、とりあえずこの子には部活に行ってもらうとしようじゃないか。

後輩をスルーしたいときの常套句はこんなとき便利だよな。

「あ、そうですね………でも今行ったら殺される気がするんですが」

………しまったァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!

そういや言ってたな!昨日ってきた新部員が危険でヤバいって!

どうするんだよ。理系の危険があるなら無理に行けとは言えねえぞこりゃ。

これが武なら「ちょっと解決してくる」でどうにかなるだろうが、俺の能力はせいぜいが平均レベル。どうにもならん。

そして俺は文ゲー部員じゃないから、一緒に行く選択肢もないしなぁ………どうしたものか。

あ、でも俺の所屬する部はなにげに文ゲー部に近いっちゃ近いし、被害がこっちに來ないように言い含める目的ってことでどうにか………

よし、都合のいい理由が出來たぞ。

これをとっかかりに俺が導することとしよう。

「………まぁ、その被害がウチに來ないよう言い含めるのも兼ねて俺も行くから、安心しろ」

「その、なんというか微妙にひ弱っぽい先輩のどこに安心しろと!?」

かなり辛辣だな、彼ちゃん。だが安心しろよ。俺は昔から3~4の男と呼ばれている。由とは違って育で一度も2を取ったことがないんだ。

だから任せてくれて構わないぞ。俺はいつでも逃げられるから、さ(渾のゲス顔)。

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