《TSしたらだった件~百合ルートしか道はない~》「由の居ぬ間に:3」

ただいま部。俺はあの場所から帰ってきたぞ!帰ってきたなんとかマンのごとく、不死鳥のごとく舞い戻ったんだ!

「………部長、口で変なポーズしないでください。れないです」

あ、すまんな………誰だっけ?

顔は知ってるけど名前が分からん。俺の悪い癖である名前を憶えない癖がこんなところで発揮されるとは………

「部長が考えることを言い當てましょう。『誰だっけ?』ですよね。酷い部長です。早くリコールされればいいのに」

「酷いのはお前も一緒じゃないか」

あ、そうだ今この毒舌で思い出した。コイツ雁屋だ。この部でも一番絵が上手い(ただしどんな、とは言ってない)上に地味に可い、部の紅一點………と言っちゃ他の助詞部員に失禮だが、とりあえず部の中じゃトップクラスに可じの奴である。

この通り毒舌だからあまりモテていると言った印象はないが、黙っていりゃ可いの典型的なタイプなんだよな。いろんな意味で。

まぁ、それは置いといて今ここに居るのが邪魔なのは事実だし、退くこととしようか。自分の間違いはちゃんと認めないとな。

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「それとさっき殘念なイケメンの方がウチを恨めしそうに見てたんですけど、一何があったんですか?」

………前言撤回。自分の間違いは自分に被害のない・・・・・・・・範囲で・・・認めないとな。

わざわざ自分に被害が來るようなことをしたら意味がないと言うか、やりたくはないし。

特に雁屋の言う『殘念なイケメン』とやらに凄く聞き覚えがあるから、絶対にこの間違いだけは認めないでおかないと、俺が危険だ。いや命に関わるレベルで危険だ。

つまりこれは認めなくていい、いや認めるべきではない間違い。そうだそうなんだ。

そんなこんなで俺は脳で自分を正當化しながら夜道に気を付けた方が良いかなという思考に至り『あれ?どっちも危険じゃね?』だなんて事実に気付いてしまった。

つまり結局は何をしても危険だったと………うわぁこりゃ大変だ。

「………鹿島は何してんの?」

「外で見付けた殘念イケメンに心當たりがあるみたいですね」

はぁ、どうしたものかな………どう足掻いたところで危険とか、いわゆる詰みってやつじゃないか。カッコよく言うならチェックメイト。

………いやいやいや、カッコよく言ったところで狀況は変わらんぞ、どうやってもいずれ夜道で刺される狀況しか見えてこない!

く………こうなったら最後の手段として道連れにでもするか………?

「鹿島ー、お前さっきから完全に死亡フラグが建ったとでも言いたげな顔してるけどなんなのー?彼氏―?」

………人が真剣に命の危機をじている所で茶化さないでもらえますかねぇ大島サン。この部でも首領ドンと呼ばれるアナタがバリバリの腐子で俺をけに々考えているのは知っているんですよ?

コイツを潰すためだけに部の予算を他に回すことを本気で考えようかな………生徒會として。

「ちなみに文ゲー部の部長と付き合ってんなら大徳寺が來る前に逃げなよー。むしろ何もなくてもの逃避行とかやってくれて構わないけどねー」

「テメェはマジで俺をどうしたいんだ………」

「………完全け屬のクールぶった痛いヤツ」

よし決めた完全に決定だ次の委員會で部の予算を減らすよう議題にしてやるっ!

俺を止められるもんなら止めてみな!

なんかアホすぎる決意を固めていると、突如として部室の奧から部のラスボス………別名、『絶対最強のお方』がやってきた。

糸目で、いつも笑顔で、平等に優しくて、あらゆる趣味に対応したパーフェクツなお方………

「こらこらー、ダメだよケンカはー。郁ちゃんとトラブったら部費も減るし、ケンカは部がギスギスするだけだからさー。おーけー?」

角田凜。あだ名は角さん。部で最強の部員であり、同時に俺も頭の上がらない人だ。

………ちなみに完全に余談なのだが、角さんの別は『角さん』である。

見た目も喋り方もその母も中に違いないのだが、生學上は男、その名も角さん。恐ろしい人だよ、まったくね。

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