《TSしたらだった件~百合ルートしか道はない~》「やったね由ちゃん頭痛の種が増えるよ!」

ぱらららっぱらー。頭の謎のファンファーレが鳴った。

なんの音かって?簡単だよ。

部長が大徳寺ちゃんに捕まってこっちをいかにも親の敵を見るような眼で見ていて。『あ、これは頭痛の種が増えるな』と確信したからしでも現実逃避しようとした結果だよ。

あの目は確実に何かしてくる奴の目だ。俺はそう思ったね。

しかぁし!今回は俺も進化している!正確には俺ではなく、俺の味方に大徳寺ちゃんがったと言うだけだが………とにかく進化しているんだ!

だから、部長なんて恐れるに足らん………はずなんだ!とにかく、部長なんて怖くないはずなんだ!

大徳寺ちゃんの場合部長が頼めば笑顔で裏切りそうだなーとか思ってないぞ!思ってないんだからな!

俺がまだ起きてもいない大徳寺ちゃんの裏切りに戦々恐々としていると、後輩ちゃんが見かしたように聲をかけてきた。

「先輩、なんで足、というか全が震えているんですか?何か嫌な予でもしましたか?」

「逆に言うとこの狀態で今現在何もないならそれ以外はないと思うんだよ………」

でも助かったよ後輩ちゃん、今の(勢いがないけど)ツッコミでちょっとだけ気が楽になった。

なんというかね、シリアスムードからコメディムードに引き戻してもらったかのような気分だよ。

やっぱり俺にはコメディが合うね。なんとなく存在そのものがコメディの方に寄ってるからね。

うん。その、後輩ちゃんには謝しないとな。形のあるなしに関わらず何らかの方法でこの恩はいずれ返そうじゃないか。

さて、ここは何をするべきなのかね………部長に近付かず、尚且つ何もやっていないようには見えないことでもないものかねぇ?

別に何もしてなくても良いんだけど、後輩ちゃんが作業している橫で何もしていないのも気が引ける。かと言ってそれを手伝っても邪魔になる。

後輩ちゃんは誤字のチェックをするとき、微妙に獨自の方式を使うからなぁ………下手に俺が手伝うと逆効果だ。

それに俺の役割は基本的に容を書く部長と、それをチェックする後輩ちゃん、その間で雑用………もとい、原稿をコピーしたり印刷した紙をまとめて綴じたりちょっとした機械作業をやったり………と。

まぁそんな合に自分の仕事は今、ちょうど皆無となっているわけだ。

なくとも忙しくなるのは部誌(200円)を販売する一部イベントの時のちょい前くらいだしなぁ………

うん、そうだ。今俺が無理に何かする必要は無いよな。

そういえば昔の偉い軍人だかなんだかが言ってたことを思い出したけど、『働き者の無能は居ない方がマシ』って言ってたんだよな。

だったら言うほど無能ってわけでもないけど、なくとも有能ではない俺が下手に積極的に働こうとしても逆効果だろう。

今は何もせずにただ、仕事が出來るのを待とうじゃないか。

何もしないで待つのも一つの仕事………だと思うしさ。

「あ、先輩この山誤字のチェック終わったんで部長の方に持って行っておいてください」

………了解。それじゃ持って行っておこう。

今の部長が何やらかすか分からないからちょい怖いけど、仕事だしな。

ほら、どこかで誰かしらも言っているだろう。仕事とは苦しいものの事だ。って。

さ、それじゃ持っていきましょうかね。怖いけど。

なんだか今部長が恐ろしい形相でこっちを見てるけど、平常心。平常心だ。

平常心をたもってさえいれば問題ないはず………だ。

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