《TSしたらだった件~百合ルートしか道はない~》「両手に花だけどこれじゃ花束じゃないか!」
どうでもいいけど、俺って寢てる間にうぇーいうぇーいって寢言を呟いてることがあったらしいな。十年以上前の話だけど。
あぁうん、特に意味はないんだよ。ただまぁ………今この時ばかりはその十年前に戻りたいなぁって思ってたら思い出してさ。
一家集合かと思ったら居候と彼が火花を散らし、母親が恐怖を振り撒いているのですが、どうしたらいいでしょうか?
誰か教えておくれ。今は後輩ちゃんに頼ることも出來ないから自分で思いつくしかないんだけど、ちょっと母さんが恐怖を振り撒くせいでその思考回路すら凍結しそうになってんですけど。
………そうだ、こんな時は報を整理しよう。どこかのラノベも言っていたんだ、困ったときは一旦報を整理し、事を俯瞰してみればおのずと答えが導き出されるって。
それじゃあ、まずは現在までの流れを振り返ろうじゃないか。こんな時は現実逃避にも便利な、回想を使ってな。
―――――
恐怖の波をもろに喰らい、気絶してしまった俺。
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そんな俺が目覚めると、そこは自室のベッドの上だった………なお、その際に非常に役得過ぎる狀態になっていたことはあえて追記しておく。
目が覚めた時、なんと後輩ちゃんとステラが喧嘩をしていたのだ。
それも後輩ちゃんが(何故か)俺を膝枕していて、更にステラがどちらかというと奧に座っている後輩ちゃんと無言で睨み合うためにか俺の上を通っているのですが………ちょっと姿勢的に顔の前に立派な雙丘があるわけで………
あー眼福ですわぁ。さっきはちょっと不幸だとかどこぞの幻想を殺す高校生みたいなこと考えてたけど、一転してラッキーだわ。
幸不幸が連なっているというのは本當なんだね。今考えれば不幸TSも幸福告白功の後に來たわけだもんな。
まぁもちろんあの神を許すわけは無いんだけどさ。だって完全に原因がアイツにあるもん。
「あ、先輩、目が覚めたんですね」
………おーっと、まずい、ちょっと虛を突かれたせいでし変に揺してしまったんだぜ。
これが火に油を注ぐようなことにならなきゃ良いんだが。
「フフフ………やはり由さんは巨派のようですね」
「くっ………でもそれはこの大勢だからです。いつもの狀況ならそんなことにはならないはず………」
「敗者の負け惜しみほど見苦しいものはないですねぇ………フフフ」
あーっと。
あーっと(大事なことだから二回言った)。
どうやら俺はの戦いに新たな燃料を注ぎ込んでしまったようだな。
二人は何やらよく分からんことでケンカしているようだが………まぁ1つだけ確かに言えることがある。
の闘いって怖いなー。とっても怖いなー。俺も今やだけど、怖いなー。
―――――
………と、言うワケでこれが先ほどからステラと後輩ちゃんが火花を散らしている理由だ。
結論から言えば整理したところで特に意味のない報だよ。どうせ何をしてもこの戦いは止まりっこない。いやむしろ自然鎮火を待った方がはるかに分がいいだろう。
だからこれはさっさと放置して別のものについての報を整理しよう。
まぁ全部集まった報を寄せ集めた挙句の予想に過ぎないんだけどな。
それで話を戻すが、どうやらウチの母さんがお怒りの理由は、どうやら三つほどあるようだ。
1つはもちろん先程の件。『修理代もバカにならんしウチの息子に手を出してくれやがって死に曬せ(ようやく)』とのこと。
息子本人としては後半の方がメインであってくれることを祈りたいね。
で、2つ目はなんというか完全に親父の落ち度で………海外でちょっと浮気したらしいな。母さん曰くだけの関係の間は許してやってたらしいがちょっと目移りというか本格的に浮気したからマジでブチ切れたらしい。
うわぁ………だからこのキレっぷりだったのか。
とりあえず親父には一言だけ伝えておきたい。
反面教師として優秀な教材となってくれてありがとう!お前の犠牲は忘れない!しかしお前のせいで家庭の空気が非常に険悪なんですが。どうしてくれやがんだ!とな。
で、3つ目の理由なんだが………これが々とんでもない問題だった。
どうやらあのクソ神はウチと因縁淺からぬ相手らしく、これが母さんの怒りを怒髪天からさらに上の段階まで進んでいるようなのだ。
どーすんだよこれ。この家には俺にダメージを與えない安全なはないのかい?
「なあ兄貴よ」
「なんだね」
「逃げていいか?」
「逃げたら殺す」
そんな合に辛い狀況なので、亮太との會話もし殺伐としてしまっている。
いつもいつもそこまで仲が良い訳じゃないが、それでもここまで殺伐としてはいなかった………いや待て。
この狀況で割と安全なのは亮太じゃないか?
ステラは後輩ちゃんとケンカしてるし、母さんは親父にマジ怒り中。しかし亮太だけはケンカする相手が居ないから、まだ安全。
チクショウ、今は亮太だけが安全だと言うのか………認めたくはないものだな。この弟が唯一マトモな相手であると言う現狀を。
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