《TSしたらだった件~百合ルートしか道はない~》「もうアイツは神と言うより悪霊だろ」

一日を無駄に経過させて過ごす方法、という本がある。

ある本によるところ一日のもっとも無駄な過ごし方とは、キレて誰かを叱りながら過ごす一日だそうだ………まぁ、その本は育児書だったし、実際のところは叱って時間を無駄にするよりも再発防止に努めた方がマシだ、という事なんだけどな。

しかし今の俺としてはその言葉はなによりも説得力のある格言に思える。

何故かって?

………そりゃ、俺自が昨晩神に説教しまくって一睡もしないうちに朝を迎えてしまったからだ。

多分今リアクションを求められたとしても眠くて眠くてたまらんものだからとりあえずうわぁ、あるいはうへぇ。といったリアクションしか出來そうにない。

まさか人間はここまで長いことキレ続けられるとか思っても居なかった。死ぬほど腹が減ったけど。

人間が実は理よりもほぼに支配されるタイプの生きだとは………思っていなかったわけじゃないけど、まさかここまでとは思っていなかったよ。

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なにせ丸一晩説教で使い潰したわけだ。ありえない。というかどれだけ怒っちゃってるんですか俺。怖いよ?我ながら中々に怖いですよ。

まぁ、過ぎたことをいつまでも気にしたところで意味はない。それよりも無駄に過ごした一晩分を取り戻すために一杯有意義に過ごそうじゃないか。

俺は、部屋のドアを叩きながら現実逃避気味にそんなことを考えていた。

いやいやいや、あの時の俺は実に愚かだったね。神が人を殺せない制約があるにしても、それは裏を返せば死なないギリギリなら問題がないかもしれないという事だったことに最後まで気付かなかったんだ。

つまり、俺は今現在自分の部屋に(しかし出方法は死ぬ寸前まで追い詰められること)されていることになる。

アホか?アホなのか?マイルームに閉じ込められるとかなんなの?せっかくの休日をされたストレスに苛まれながら過ごさなきゃいけないんだよチクショウ。

つい數年前に公立高校で土曜日もフルタイムで授業ってことにされちまったおで日曜は貴重なお休みだってのに、何してくれやがんだ神………

いや、ここでに流されちゃダメだ。さっき(正確には昨夜)公開したばかりなのに同じ轍を踏んでどうすんだっての。

同じ失敗は二度としないのが大事って、どこかの誰かも言っていたもんな。

それじゃ今回はいつもとは違って冷靜に、真剣に、冴えた思考を回そうじゃないか。

今閉じ込められているのは訳の分からない結界的な何か。そしてそれは外側からの衝撃やらダメージやら何もかもを遮斷するのではなく、ダメージの時だけ化して防いでるっぽい。

それは今俺が一切息苦しさをじずに呼吸できていること(まだ空気がさほど減っていないだけかもしれないが)と、母さんが時々やってきては結界的な何かを毆ってる音が聞こえるが、その度に痛みを訴えるかのような悲鳴?が聞こえるからだ………なお、その中に時々男の悲鳴やら懇願するような聲が混じるのは気のせいだってことにしておく。

それで、他に分かることと言えばそれはもう、面倒極まりないことが1つ存在しているだけだ。

………この部屋は、音がとんでもなく反するのだ!

分かりやすく要約するなら、『口にした言葉がそのままの大きさで30分ほどリピートし続ける』と言ったところだろうか。気付いたのは本當にただの偶然だが………神への恨みでぶ前に気付いてよかった。

だが、これはものすごく大変な問題だ。

外で誰かが何かしらの解決法を見付けたとしても俺がそれで驚いて大聲を出したら鼓が割れかねない。

的観測に基づいて考えてこの結界が中に貯め込める音の大きさにも上限があるとしても俺の鼓の方が先にやられるだろう。

あぁ、どうすれば良いんだい?

まるで自分で解決法を考えているかのような思考を展開しながら、本棚からこの前買ったは良いけれどまだ読んでも居なかったラノベを取る。

困った時の現実逃避ってやつだ。それに非日常的な出來事に対してなら、きっと非日常ばかりのライトノベルの中にヒントがあるんじゃないかと思ったわけさ(完全に言い訳)。

もはや全的に諦めの境地に突しながらも、現実逃避のため真剣に本を読んでみる。

もし本當にこの中にヒントがあったら儲けもの。そう考えておけばいいのさ。

………ふむ、よくある逆行ものだなこれ。

ただ能力が攻撃反ってことだし微妙に親近がわいてくるぜ………お、ヒロインも中々に可いですな。

俺は當初の現実逃避と言う目的を忘れて普通に読書に沒頭するのであった。

―――――

そして1時間後。當然だが、朝から何も食ってないために………腹が減ってきた。

中々に笑えない問題だなこれ。というかここ六日で割と大きい方の問題だわ。これまでの問題は危険っちゃ危険(正確には、かなり危険。だ)だったが命には関わるものがなかったが………今回ばかりは危険が段違いだ。

飯が食えない、それすなわち命の危険。子供でも分かる當然の摂理だ。

まぁ実際にはすぐ死ぬわけじゃないんだが、とりあえず俺の命が危険なことには変わりない。

だが………腹が減ってきたのとほぼ同時して、俺はこの狀況を抜け出せるかもしれない方法を思いついた。

正直ただの現実逃避に過ぎなかった読書という行が功を奏したのだ。

正確には挾まっていた栞に書いてあったジジイ(別作品)が外からでは破れない結界を側からの簡単な攻撃で破ったって話を思い出したからなので、読書そのものには意味がなかったのだが。

話を戻そう。

俺が思いついた方法と言うのは、恐らく察しがついて居るだろうが側から全力で毆ってみる、ということ。

アーチ橋というものが上からの重量にはかなり強いが下から持ち上げられるとそこまで持ちこたえられないのと同じようになってくれればいいのだが………

俺は祈るような気持ちでドアを開けた。

そして、一瞬で後悔した。

なんともタイミングの悪いことに、母さんがちょうどドアを毆りつけようとしていたのだ。

しかもドアがない結界は思ったよりもらかく吸収するタイプなのか、その拳はドアの目の前にいた俺の顔面に迫って………

オートカウンター的なが発し、信じられないほどの速度でが勝手にクロスカウンターしてしまった。

無論、その拳は俺のようにドアの前にいた母さんの顔面を的確に捉え………ぶち當たる。

どうすんだ、これ。

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