《TSしたらだった件~百合ルートしか道はない~》「俺の平穏は羽よりも軽いと言うのだろうか」

登校中、なによりも嫌なことは何か?と聞かれたことはあるだろうか。

俺はない。しかしもし聞かれたらこう答えるだろうさ。

変態に追い回され、神に嫌がらせされ、挙句の果てに遅刻。その三連コンボだけは本當に願い下げだね!

というか、変態に追い回されるのが警察のおかげでなくなろうとも神に嫌がらせされるのは本當に面倒くさいし、遅刻なんてしたら………來年は大學試だってのに申に響いたら最悪だろう。

しかしあれだ、俺は今日そこにもう1つ嫌なことを追加したい。

「………どんまいです」

朝っぱらから危うく通事故に遭いかける、それはもう最低最悪どころじゃねえわ。

まぁ今回に関しては俺が通った數秒後に暴走リムジン………なんでリムジンがこんなところに居るのかは気にしないでおこう………が民家のブロック塀に突っ込んでその破片が足の下に潛り込んで転び、そして不幸にも背中をしこたま打ち付けてしまっただけだからまだ良いが………

今日は育があるってのにいきなり負傷とか、大丈夫なのか?今日の俺。

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あとオートカウンター、てめぇは何故反応しなかった。自的に発して回避を手伝うのがお前の仕事だろうが。

あの神がくれたものなんざ信用するべきじゃあないが、しかしオートカウンターが俺のを守ってくれることだけは信じていたんだけどなぁ。

………とりあえず、これはオートカウンターを過信し過ぎるなという天(ただしあの神ではない)の啓示だとでも思っておくかね。

どうせあの神のことだ、格の悪さが伺えるような落としを他にいくつも用意しているに違いない。そうだそのはずだ。

何故かって?そりゃあ、オートカウンターの出元はあの神だから。だよ。

あいつがなにもせずただ俺にメリットのあるものだけを用意するなんて、天地がひっくり返ろうと、神が腸捻転を起こそうと、貓が突然人間の言葉を喋って長靴を履いたとしてもありえないからな。

まぁ、今日は朝から立て続けに面倒事(ただし1つは予なだけだが)がいくつも起こってるし、最大限の警戒をしておくに越したことは無いか。

俺は、そう考えて周囲をいつもよりしっかりと観察しながら學校へ向かおうとする………が。

「………これは」

俺が歩き出そうとした瞬間、時間でも確認しようと思ったのかスマホを取り出した後輩ちゃんが畫面を見て固まってしまった。

なんだ?なにか衝撃的なメールでもあったのか?

「どうしたんだ?後輩ちゃん」

ひとまず後輩ちゃんにジェスチャーで『歩きながら話そう』と伝えつつそう言うと、後輩ちゃんは俺にスマホの畫面を見せながら々伝えにくそうにこう言った。

「その………さっき先輩転んで悶絶した分のタイムロスで………遅刻寸前の時間になってます」

「………その、ごめん」

「あ、いえ先輩のせいで遅刻しそうだなんて微塵も思ってませんから!安心してください」

あぁ、この世には知らない方が良いこともあるんだな。

そんなことを學びつつ、俺と後輩ちゃんは々全力気味で走り出すことにしたのであった。

………まぁ俺の力が學校に著くまで持つはずもなく、すぐに歩きに戻ってしまったのだが。

そして、學校。

………今日はちょっとここに向かう足が重い。

なにせ、これまでやらかしたことのないような大遅刻だ。そんなことをしてのうのうとっていけるのはよほど心臓の強い奴か、遅刻をしても問題のないような理由のある奴だけだろう。

そうさ、俺にはこれに耐えるほどの心臓の強さも遅刻しても問題のない理由もない。

だからちょっと足取りが重いんだが………ちくしょう、こういう時に限って意地でも平常心を保たなきゃならない狀況になってしまうとは………

後輩ちゃんの前でチキるわけにはいかんし、かと言ってこのままは言っていくのは神的にキツいというか、HR中に教室にっていくのは恐ろしく勇気が要るのに俺にはそれほどの勇気がないというか………

まぁ、結局るしかないんだけどね………

俺は後輩ちゃんと分かれると、自分の教室へと平常心を裝ってっていく。

一歩、二歩、三歩とドアに近付いて、そしてドアの取っ手にろうとした瞬間、ドアに付けられている半明………正確には、諸事により補修が続き向こう側がぼんやりとしか見えなくなっている………ガラスの向こう側に人影を見て、反的に手を引いてしまった。

あぁ、このパターン一番面倒くさいやつだ………

このまま中からクラスメイトが出てきて、微妙過ぎる空気を生み出すとか、マジで勘弁願いたい。

しかしそれを防ぐ方法なんてものはなく、ただ理不盡にも開かれるドアと微妙過ぎる空気を待つしか出來ることは無いなんてな。

二度あることは三度あるとは言うが、流石にこれは面倒事が続きすぎじゃないですかね。

俺は誰にでもなく心の中で抗議すると、ドアが開かれるのを待った。

………………………………………

………………………………………

………………………………いや早く開けてもらえませんかねぇ。

………………………これは俺から開けろという事か?

………………よし、開けるか。

俺は意を決し、ドアの取っ手に手を掛けてそれを開けた。

そしてドアを開けるとそこには………

「あうぇやっ!?」

何故か仰向けに転んで偶然にも俺のスカートを覗き込む狀態になってしまっている見知らぬ一人の生徒がいた。

ただし、長がそれほど高くない俺よりも頭一つ以上小さく見えるし顔だし男の制服を著た、という不審極まりない格好の奴がこの學校の制服が大好きなコスプレイヤーじゃないって保証はないがな。

まぁ、とりあえずここはやるべきことは1つだろう。

遅れたのをごく自然に流すために利用させてもらうぜ?見知らぬ生徒っぽいやつよ。

「う、うわぁ………いくら俺が元男だからって………」

「す、すすすすいませんでしたぁ!」

………よし。上手いこと遅刻を誤魔化せたぜ。

俺はそう思っていいじに酷い転び方をしてくれた相手に謝しつつ、自然な形で教室へとっていくのだった。

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