《TSしたらだった件~百合ルートしか道はない~》「恥もプライドもこの際捨ておこう。助けてくださいっ!」
「恥もプライドもこの際捨て置いて言うぜ………誰か助けてくれっ!」
先程の闘爭から數十秒。
俺はオートカウンターが命の危機と判斷したのか、それとも普通に火事場の馬鹿力かは知らんがものっそい速さで走る最中、隣で並走する年に対しそうんでいた。
彼の名は………知らん。つーかさっき出會って偶然と勘違いによって逃げ友、英語で言うとエスケープフレンズになっただけの初対面の人間の名前なんて知るわけないでしょうが。
まぁ1つ判別材料を出すなら、彼は先ほどのものすごーくコワモテなお方ですけどなにか?
………ん?なんだね?コワモテのお方が俺の逃げ友なら、俺が誰から逃げているのか理解できないって?
ハハハ、面白い冗談を言わないでくれよ笑えない(強烈な矛盾)。
俺が逃げているのは、薫くんからさ。
こうなるまでには々複雑な流れがあるが、ひとまず逃げている最中という事で余裕がないから要約して回想しよう。
そもそも回想は時間の概念に縛られてないような気もするが、一応な。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ことの始まりはついさっき。これは説明するまでもないな。
ただ、まぁちょっと悪い偶然が重なってしまったに過ぎないというか………うぅむ、なんとも言えないが、とりあえずそのやりとりはこうだ。
まず俺は裏路地から出ると同時に、薫くんの後ろに立ち、ヴァカなことに何も伝えて居ないのにさっきまで居た裏路地に顔を向けさせた。
今思えばこの時顔を向けさせるんじゃなくて指さして示せば良かったんだろう。だが後の祭りだ。
そして薫くんが路地裏を見るとそこにはタイミングを見計らったようにコワモテたちが出てきて、こう言った。
「よぉ、久しぶりだなぁ………檜山ぁ………こんなところで會うなんざ、今日はラッキーだぜ………」
とかいう今時ゴロツキな三下さんでも言わないような安っぽい雑魚臺詞をだ。
そんでもって薫くんはそれを見てパニクり、さっきまでは頼りになったその細腕が俺を襲い………そこでオートカウンターが、『まるでケンカ慣れしているかの如く完璧に』それを回避してくれやがったわけさ。
そのことが原因で薫くんの勘違いと言うか、パニックは何故かさらに加速し………その上コワモテ集団のほとんどを一瞬で倒したあと、俺たちを襲ってきたわけだ。
マジで理解不能。誰か助けて。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
………というのが先ほど回想にるまでのあらましであり、どう考えても語であってもないような酷い偶然の重なりの末の破壊と逃走なのだが………
「嬢ちゃん、アンタ………中々に骨があるじゃねえか。気にいった………それに上玉だ。俺の彼になんねぇか?」
この逃走中に助けを求めてもネジが數本ぶっ飛んでんじゃないのかと思うほどの解答しかしないこのコワモテ最後の生きのこりさんを誰か転ばせて人柱にしてあげてくださいよ誰か。
まぁその誰かっつーのは俺自なんですがねぇ!
俺は走りながらコワモテの側の足を橫に突き出してバランスを崩し、転ばせる。
そして慌てて自分の勢を立て直してから、お約束の臺詞を言って逃走する。
「あばよとっつぁん!お前の犠牲は多分忘れないかもしれない!」
自らの逃げ友の尊い犠牲の上に俺は………生き延びるんだ。
だなんてくだらないことを考えながら全力で足をかして必死に距離を取るが………しかし後ろから聞こえてくる足音は遠くならないし、止まない。
むしろ段々大きくなっているような………
首を回して後ろを見た。
走ったままなので可域が短く、それほどの報は手にらなかったが、1つ確かなことが分かった。
「由さぁぁぁん………」
「イヤァァァァァ!?なんかそのじだと由さんが由(三途)にされちゃう気がするんですが!?」
どうやら薫くん、メインの目的は俺だけのようです。
あ、それと余談だが今の由(三途)ってのは理的にバラされて由さんs(多數形)にされるってことにもかけてあったりするんだが………まぁこの狀況においてはしだけ現実から目を逸らし気分を多良くする以上の効果はないな。
俺は僅かながら現実逃避してしでも気分を良くしつつ、逃走を続けた。
………このまんまだといつまでも逃げる羽目になりそうだなこりゃ………
狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執著愛〜
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