《ルーズリアの王太子と、傾いた家を何とかしたいあたし》47……王族限定のパーティー
リティは貴族のパーティーに出席してしいと招待狀を貰ったらしいが、そのうち半分以上を即伯父のリスティルと従兄弟のティフィ、父と兄に処分された。
そして、その次に母や従姉妹達にも次々に避けられ、殘ったのは10通も満たなかった。
「どうしてですか?」
あまり出るのも辛いなぁと思っていたリティは、ホッとしつつ問いかけると、
「日付の調整だよ。だって、リティは伯父様の姪でしょ?伯父様や琥珀ちゃん、それにクシュナやリティのお家で行われるパーティーに出席するでしょう?」
「お家でもあるのですか?」
「何回かあるが、パパとママは出ても、リティは出なくていいものが多い。どうせ、リティを紹介しろだの見合いをしてくれと言うに決まっている。でも二回は出て貰うことになる。それは隣國から王配殿下……リティの従兄弟のクリストファーがくる時と、リールの使者が來る時だな」
「お兄様ですか?」
目をキラキラさせる。
実はリティは、一回クリストファーを見た……と言うより助けて貰ったことがある。
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その時、実はまだ10歳でラミー子爵領に行っていたのだが、不眠で馬を走らせていて落馬、そのまま気絶していたのである。
すると、を揺すられ、
「いたっ!」
ときながら目を覚ますと、金髪で緑の瞳、顔立ちは父、ミューゼリックに良く似た青年が心配そうに覗き込んでいた。
「大丈夫か?近くを走っていたのだが、一頭の馬が馬車の前に立って、こうとしなかった。気になって聲をかけたらここまで……」
「あ、も、申し訳ございません!」
を起こそうとしてく。
「怪我をしているのか?」
「申し訳ございません……急に領地に向かわなければと、眠らずに走らせておりまして、落ちてしまいました。で、でも、折れたりはしておりません!打ちだと思います!それよりも、私の馬が、貴方様の馬車の前に……ほ、本當に申し訳ございません!馬は悪くありません!全て、私が……」
を起こそうとする當時はマリアに、青年は、
「休んでいるといい。すぐに手當をさせる。それにしても……この周りは君が集めたのか?」
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「えっ?」
周囲を見回すと、二頭の馬以外にも、様々な生きが様子を見にきている。
「あ、時々遊びに來るんです。お友達です」
「それが凄い。警戒心の強いシルバーフォックスも來ている。君は余程獣達にされているんだな」
手當をして貰った……ちなみに打ちとり傷で済んだのは奇跡と醫師に心された……後、ラミー子爵領よりも近い、ラーシェフ公爵家に馬車に乗せて貰い、數日休ませて貰った。
その日から數日熱を出したマリアは、熱が下がり、元気になった時には、助けてくれた青年がもうここにはおらず、お禮もきちんと言えなかったとうなだれた。
すると、看病してくれていたメイド達が、隣國の王配殿下だと教えてくれたのだった。
その後、ちょうど邸にいなかったラーシェフ公爵一家にお禮は言えなかったものの、家令やメイドに何度もお禮を言い、まだし痛むものの領地に向かったのだった。
「リティは、クリストファー兄さん大好きなんだね」
デュアンの問いかけに、
「あ、実は、クリストファーお兄様にお會いしたことがあるのです。お禮を言わないとなのです」
「えっ?會ったことがある?」
「はい、4年前です。子爵領に急に向かうことになって、不眠不休で二頭の馬に代で乗って走っていたのですが、一瞬気を抜いたようで、落馬して……馬のうち一頭が、丁度走っていた馬車の前に立って……クリストファーお兄様が、馬車を降りて私の倒れているところに。丁度醫師の方もいらっしゃって、手當をして、そして、ラミー子爵領よりも近いからとラーシェフ公爵邸に連れて行って下さったんです。數日私は熱を出して、お屋敷に滯在させて頂いたのです。熱も下がり、大丈夫とお禮を申し上げないとと思ったのですが、もう出立されていて、クシュナお兄ちゃんや、お姉さまもいらっしゃらなかったので、家令の方と、看病をして下さった方にお禮をお伝えして帰りました」
「落馬ぁぁ!」
ミューゼリックはぶ。
過去とは言え、可い娘の怪我にぶしかない。
リスティルは聞いていたのか、
「そう言えばクリスがびっくりしてたよ。馬が馬車の前に立っていて、必死にこっちって言うじで首をかすんだって。で、その馬を追いかけて行ったら、もう一頭の馬と大小様々な生きが集まってて……特にびっくりしたのはシルバーフォックス。あれってもうほとんど森から出てこないでしょ?この僕だってこの歳で數回だよ?なのに様子を伺ってたって」
「えっ?伯父様……シルバーフォックスってラミー子爵領……あ、ラミー伯爵領にいつもいますよ?森に行くと子供を連れた母親とか……」
「いやいや……」
近衛として傍についていたクレスールが首を振る。
「父上……も、リティと一緒の時に會っただけだって!母上もそうって言ってた」
サーシアスとイーフェはお嬢様と散歩と言うか領地巡りをする時に、森の近くに行くと必ず會ったのだと言っていた。
しかし、1人で行くと全く會わず、リティを待っているのだと話していたらしい。
「それに、リティは筆頭公爵家の娘。公爵、侯爵家のパーティーなら構わないけど、それ以外のパーティーは、ラミー伯爵家でのパーティー以外認められない。ラミー伯爵に紹介されて養になったのだから、前の父、義父はラミー伯爵のサーシアス卿。サーシアス卿は今年爵位を上げられ、お禮のパーティを行うからね」
「じいやとばあやに會えます。それに、お姉さま達にも」
「これ以上口を挾むならと絞めてもいいんだけど……ウザいのがいるんだ……」
リスティルがぼやく。
「リティと息子を見合いさせたいってさ……あの、腹黒!」
「腹黒?」
「リティ、覚えなくていいよ?ネグロス侯爵だよ。リティよりも5歳上の息子がいて、彼の嫁にだって」
「侯爵の息子は溫厚でいい奴なのに……」
クレスールもぼやく。
19になる青年は優秀な績を修め、シェールドに留學した。
騎士としてはそれ程だったが、を修め、シェールドでも滅多にいないドーエンと言う位についている。
ドーエンは、最高位のルーディンのすぐ下で、ルーディンは現在約10人いるかいないか、ドーエンは同じ地位にいるのがマルムスティーン侯爵家から嫁いだ王妃ルエンディードなど、こちらも30人前後のエリートである。
彼、マクシムは、剣はそこそこだが特に防、捜索に優れていた為、近衛に隊した。
謙虛で溫厚だが、権力を行使する父を嫌いし、実は近衛の寮で生活している。
「まぁ、年は近いが……」
ミューゼリックはちらっと見ると、ふーふーとを逆だてるセリがいる。
「まぁ、仕方ない。出るから、リティはパパ達から離れないようにな?」
「はい!」
「で、二回のパーティは、エスコートはセリに頼むことになる。一応というか、公には兄貴やティフィは出席してないことになるから」
「解りました」
セリは頷く。
「で、ラーシェフ公爵家のパーティは、一回はこちらで、もう一回は領地で行われる。領地でのパーティにはデュアンも行って構わないから……デュアン。ナムグは良いが、他のペットは止だ!」
「えぇぇ〜!」
「毎年毎年、どれだけ連れて行くんだ!クシュナに迷だろう」
「くぅぅ……」
「それと、クレスール」
名前を呼ばれ、近づく。
渡されたのは數通の封筒。
「ご両親とお前と奧方宛にクシュナから招待狀だ。領地でのパーティの方だ。子供達も是非連れてきてくれだと」
「えぇぇ!ラーシェフ公爵領でのパーティは、別名『王家のパーティ』とも呼ばれてて、私が行っても良いんですか?」
「お前だから來いだそうだ」
「うわぁ……嫁のドレス……」
「と言うと思って、私が揃えておいたわ」
敬いなさい!
と言いたげに笑うローズ様に、
「俺の貯めていたお金を!」
「いるかって言いますのよ!おほほ。私の家がどこか忘れたのかしら?私には、レディを著飾る使命がありますのよ。それに、貴方にどのレベルのパーティにどのドレスコードがいいとか解りますの?」
「解りません……」
「でしょう?私がちゃんと揃えてあげているわ。お母様の分も」
「ありがとうございます!お禮は……」
言いかけたクレスールは最も大変なことを言い渡された。
「おほほ……幾つかの報で手を打ちましょう。貴方が行くことになるネグロス侯爵のパーティ他で、報を貰って來なさい。宜しくて?」
「……一番厳しい……!でも、ローズ様のドレスの數々を払いきれるお金はない!解りました!いい報を仕れて來ます!」
「……おい、ローズ様……うちの國の子爵を顎で使うなよ……」
ミューゼリックは顔を引きつらせたのだった。
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