《貴方を知りたい//BoysLove》#3 火傷とキス

チャイムが校に鳴り響いて、晝休み。

俺はワンコインとスケッチブックを手に、教室を足早に去る。昨日久しぶりにペンを握ってからというもの、一気に描く気が湧き上がってきた。とりあえず俺は、好のあんパンでも買っていつもの場所に行くことにした。

「ふう...」

そしてあんパンを咥えながら、ペンを外の景に向けて大まかなバランスを見る。そしてサラサラと描くこと1時間。気付かぬうちに晝休みは終わっていて、俺は今から教室へ戻るのも嫌に思えた。

あんパンの袋やスケッチブックを適當な所へ置いて、橫になる。

「可いとか...言うなよ。」

昨日の事を思い返しているうちに、俺は寢てしまった。

「おはよう、おネムさん。」

一瞬、煙草の匂いがしたけれどまだ夢の中なのではないかと思った。

しかし抓られている頬はじんわりと痛い。

「...痛い。」

煙草を吸う櫻宮は手を放して、じっと俺を見つめる。

「君、もしやサボりだな。...まあ、君がいいと思うなら構わない事だけど。」

「あ、もう日が暮れてますね。俺帰ります。」

そしてお説教から逃れるようにすくっと起き上がり、スケッチブックを持とうとしたが、床に落としてしまった。櫻宮は自分の足元に落ちたスケッチブックを開いて眺めだす。

──終わった。

俺はこの瞬間、確信した。絶対に嫌われて、もう二度とこの場所で二人になる時間はないのだと。何せ、生徒といえども赤の他人に自分のを、知らない間にスケッチされているのだ。...しかも沢山。

「ご、ごめんなさい勝手に...」

咄嗟に出た謝罪の言葉と俺の心に、全てを見かす様な視線が刺さる。

「...なんて、睨んではみたが1ミリもそんなはない。君もなかなか変態だね、でも...」

みるみる櫻宮の大きな手が、抵抗力を無くした俺を包み込む。

「ねえ、名前は?」

「谷川翼たにかわつばさ...」

「私は翼を、実に興味深いと思うよ。」

が重なる。櫻宮の溫や唾を通して、ますます俺の顔は熱を帯びた。もう、訳が分からない。

しかし甘い混も一瞬で解けた。突然首元に激しい痛みをじて、櫻宮から離れる。

「あっ...つ...!」

「ん、首がどうかした?」

俺の首は、どうやら火傷をしたらしい。

「これは、私の煙草の燃えカスが落ちたせいだ。とりあえず保健室へ行こう。」

俺はこの短い時間に起きたいくつもの出來事を整理するのにいっぱいいっぱいになりながら、腕を引かれた。

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