《婚約者が浮気したので、私も浮気しますね♪》03
それは必然であり突然の出來事だった。
魔人として作り上げたルイが暴走してしまったのです。
第一王殿下と勇者が相思相だとわかり想いを確認した瞬間、発的に魔力が膨れ上がって、耳飾りが壊れてしまったのです。
「これでは中継ができませんね」
困ってしまいました。と、さほど困っていないような聲で言う。実際に対して困ってはいないのだから仕方がない。
勇者がどうなろうが、第一王がどうなろうが、ルイがどうなろうがどうでもいいことなのです。
ですが、ししたら問題が発生しました。ルイが神殿に向かってきたのです。目的は私ではなくレインでしょうね。
レインのもとに向かったのですが人払いと幻覚の結界がかけられているようで神兵がわされているようです。
「Sirorre ba soe menoicenretni da euqsu mun」
呪文を唱えて結界を解除してレインの部屋に行けば、魔力同士がぶつかっている。レインはルイと戦っていた。
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「レイン!」
「シャルル様っ」
「ああ、無事ですねレイン」
「はい大丈夫ですわ。部屋は…大丈夫ではありませんけれども」
「そのようですね。それにしても…」
つ…と冷たい目でルイを見る。よりにもよってレインに敵意を向けるなんていったい何を考えているのでしょうか。
このまま消滅させてもいいのですが、
「ルイ、いいやヨハン=ルイ=ヒュノー。魔王と契約して魔人になり果てたか」
「黙れ、黙れ黙れ!」
「去れルイ。今宵は見逃してやろう。今後この國に手を出さなければ我々はお前や魔王に関與はしない」
「ふざけるなっ」
「この私とこの場でやり合うつもりか」
ぶわりと魔力を拡散させます。魔王としての魔力を使わなくてもルイ程度を追い払うことは出來ますからね。
「くっ…必ずまた來るからな」
負け犬のようなセリフを吐いて立ち去って行ったルイの背中を見てから、レインの狀態を確認する。
「大丈夫ですか?」
「ええ、問題はありませんわ。お部屋以外ですけれども…」
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「部屋などどうでもいいんですよ。レインが無事でよかった。もし何かあったら私は、私の心が壊れてしまうところでしたよ」
「……どうしてですか?」
「え?」
「私のことは義務で人にしてくださったのでしょう?私がいなくなった方がよいのではないのでしょうか?」
「そんな風に思っていたのですか?」
「……はい」
頷くレインに伝わっていなかったのかと、がっくりとしてしまう。
「だって、私はシャルル様から何も言われていませんもの」
「何もとは?」
「好きとか、嫌いとか、をしているとかをしているとか、聞いたことがありませんもの。だから、ずっと私の片思いなのだと思って…思って…」
言っていませんでしたでしょうか?言った気でいたのですが、それは私の落ち度ですね。
涙を流して始めたレインの涙を掬い取って、その涙をスッと吸ってもう一度レインを見ます。
「言っていませんでしたか?」
「え?」
「すみません。それは私の落ち度ですね。…してますよ、レイン」
耳元で囁くように呟けば一瞬で沸騰したようにレインの顔が赤くなってしまいました。
「……ふにゃ」
「ふにゃ?」
「い、言うにことかいて、あ、してるなんて…普通は好きとか、そういうことから始めるものではないのですかっ。そ、そんないきなりしてるなんて、きゅ、急すぎるんじゃありませんか?」
「いいえ、10年以上前から私はレインを好きになっていて、今ではしていますよ」
「そんなに前から!?」
「ええ、貴がこの神殿に來た日からずっと」
「ど、どうしてもっと早く言ってくださらなかったのですか?」
「言った気でいました。貴があまりにも素直に私をけれてくださってましたから、想いが通じていたのかと」
「こ、人は皆様ああいうことをするのではないのですか?」
「まさか、違いますよ」
全世界の人同士がこんな風に仲が良ければ爭いは起きないでしょうね。
「ところでレインは私のことをしてくれていますか?」
「あ…、かはわかりませんが、好きだとは思っております。他の方々とは違う好きですわ」
「…私が他ののになると思ったらがむかつきませんか?」
「…チクっとしますわね」
ああ、なんて甘な言葉なんでしょうか。
私は今間違いなくうれしさでがいっぱいになっています。
「それは獨占ですよ」
「そうですわね、あまりよくないですわ」
「私はうれしいですよ」
「はい?」
「レインが私に執著してくれている証拠じゃないですか。レインは最初私のことなどすぐいなくなってもいいかりそめの人だと思っていたでしょう?だから時間をかけてゆっくりと、ゆっくりと私という存在を馴染ませておいたんですよ」
そう、ゆっくりとですがそれこそ私無しではいられないにしてあげたんですよ。
さて、それよりも、
「とりあえず、レインは今夜は私の部屋に移りなさい」
「はい…、…はい?」
一度承諾したのに考え直そうとしていますね、駄目ですよ。
「駄目ですよ。またやってくるかもしれません。その點私の部屋は魔法防が施されていますから簡単には破られることはありません。それにその方が私も一緒にいることが出來て安心です」
「私は」
「私の部屋に移しましょう、ね」
「……は、い」
有無を言わさずに私の部屋まで移させると、ソファに座らせます。
「あの、シャルル様」
「なにかな?」
「どうして私の裝がどんどん運び込まれているのでしょうか?」
「部屋を此処に移すからですよ」
「今夜だけじゃないのですか?てっきりそうだとばかり思っていたのですが…」
侍にハーブティーをれさせて退室させれば二人っきりの空間になりました。
そこで、レインが「そういえば」と口を開きました。
「私の婚約は」
「また白紙撤回になるでしょうね」
「またですか…記録上には殘らなくても記憶には殘るものですし、2回も婚約破棄になった巫長など威厳も何もありませんわね」
「そんなレインにいいことを教えてあげよう」
「なんでしょうか?」
「私と正式に婚約をしないか?」
「はい?」
「承諾してくれて嬉しいよ」
「え、いえお待ちください。今のはっ」
「承諾してくれて嬉しいよ。王宮の方でも問題になっていたんだ、第一王が人では裁がってね。だから一度婚約を解消して別の誰かと結ばせようという話しになっていたんだよ」
だから私が次のレインの婚約者候補だったんですよね。
まあ、し魔王の魔眼を使って暗示をかけるようにして追い詰めていきます。
「いつそのようなお話になったんですか!」
「半年前かな」
「そんなに前から…」
第一王殿下のことですからね。仕方がありません。
「もちろんレインの次の婚約者候補は私だよ。別にレインをのけ者にしていたわけじゃないよ。決まってから教えてでも遅くはないと思ってね」
「ちゃんと言ってもらわないと困ります」
「でも、私と人同士なんだし構わないだろう?」
「構います。だって、両想いだってわかったのはさっきなんですよ」
「私はずっと前から気が付いていたよ」
「ふえ!?」
「キスをしていると、だんだん反応を返してくれるようになっただろう?それに目がとろけるようになってきた。他の誰でもないレインのことだからわかるよ」
「……っ」
ここで魔眼をといてレインを抱きしめて軽くキスをする。
「私以外にはわからなかったと思いますよ」
「うきゅぅ」
「かわいいですね、レイン」
「は、恥ずかしいので離れてください」
「駄目。ほら、いつものように膝の上に乗って」
翌朝、腕の中で目を覚ましたレインは顔を真っ赤にしてぶつぶつと何かを言ってごそごそといていますが、あと30分は離す気はないのですよね。
そもそも、巫見習いが呼びに來るまではこのままでもいいですよね。
「おはようございます」
そう言ってキスをすれば真っ赤になってもじもじとし始めましたのでそのまま、覆いかぶさるように勢を変えると、何度も顔にキスをします。
その後、レインが水行に向かっている間に今日著るシュミーズドレスを選んでおきます。
こうしてする人の服を選ぶというのも悪くはないですね。
水行から帰って來たレインの服を乾かして、手ずから著替えさせてしまえば、のあちらこちらに殘したキス痕が目にり満足してしまう。
昨夜レインが寢ている間に足に付けたキス痕も綺麗にづいていますね。
「ほら、朝食を頂きましょう」
「はい……あの、普通に頂くという選択肢はないのですか?」
「私の膝の上ではいけないでしょうか?」
「食べにくいのではないでしょうか?」
「大丈夫ですよ」
「そ、そうですか?でもやはり普通に一人で食べることは出來ますし」
「私に食べさせてはくれないのですか?」
「へっ」
ししょんぼりとして言ってみれば、レインは慌てて私の傍に來て恐る恐るといったじに膝の上に乗ってきます。
本當に素直ないい子ですね。
「ありがとうございます、レイン」
「えっと、食べさせて差し上げればよろしいのですよね?」
「その前に私が食べさせて差し上げますよ、はいあーん」
「あ、あーん」
レインに食べさせてもらうのもいいですが、私が食べさせたものを一生懸命咀嚼するレインの姿もまた可らしくてたまりませんからね。
「ほら、ついてしまっていますよ」
「ありがとうございます」
「ちゅっ」
わざと音を立てて口の端についたソース舐めれば、また真っ赤になってしまいましたね。本當に可らしい。
「じゃあ次は私に食べさせてくださいますか?」
「は、はい。どうぞ」
「いただきます。あーん」
サンドイッチを食べさせてもらって咀嚼すれば、レインは満足そうに私の口元を見てきます。
食べ終わってからもまだ時間がありますので、お茶を頂きますが、レインには口移しで飲ませることにしました。
零して火傷をしてしまったら大変ですからね。
その後、馬車で移する中レインのを堪能します。レインの足はシンデレラの足のように華奢で白くらかなものでいつまでもっていたくなるのですよね。
レインは背中をでると弱點なのかビクビクとが跳ねるようにくので見ていると楽しくて仕方がないですね。
けれど、馬車の中で遊びすぎたのか、王宮につく頃にはレインはだいぶぐったりしてしまいました。申し訳ないことをしてしまったかもしれませんね。
さて、レインはいつルイが魔王と契約したのか気になったようですが、詳しくは後ほど話せば構わないでしょう。
「レインにも不思議に思うところはあるだろうけど、今日はそのことについて話し合うために集まったんだ。さあ行こう」
「はい」
會議室に案されて、國王陛下も參加している會議が始まりました。
「ではヨハンが契約したのはここ最近ということでいいのか?」
「はい、それまでに変わった行は見けられませんでしたが、以前1人で移した後からし様子が変なじがしていましたわ」
「変なじとは?」
「なんと言いますか、こういっては何ですが、ねちっこい視線というか、以前はなかった的な目で私を見てくるようになったというか…」
「そうか。勇者は何か気が付くことはなかったか?」
「そうですね、同じように同じころから些細なことで良く衝突するようになりましたね」
「そうですか…」
「魔王は邪悪な存在と認識していいのだろうか」
「魔人が獨斷専行するということはよくあることだからわからないな」
そうですね。今回はルイの獨斷専行ですから、私の責任ではありませんね。
とはいっても、ルイの昨晩の様子にレインが怯えているようですね。
「レイン、大丈夫ですよ」
「はい」
機の下でそっと手を握ってあげれば、レインの震えは止まったようにじられます。こんな私でもレインの役に立ててよかったです。
「魔人ヨハンが再度この王都に來るとして、防衛を固める必要がある。王と勇者は神殿にを寄せておくように」
つまり神殿でかたを付けろと言うことですか。まあ王宮で暴れられるよりもましだと思っているのでしょうね。
「神殿にを寄せていただくのは構わないのですが、神殿のどの部分にかくまいましょうか?客室では昨夜の私の部屋と同じ結果になってしまいますわ」
「では樞機卿様の部屋と同じエリアではいかがでしょうか?」
「それがいいでしょうね。私の住まうエリアに昨夜からレインも移してもらっていますし」
「念のためドロテア王様と勇者様は同じ部屋でお過ごしになったほうがよろしいかと進言いたしますわ」
「「なっ」」
レイン、効率的な意見ですね。隣室にすれば駆けつけるのにも楽ですしちょうどいいでしょうね。
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