《星乙の天秤~夫に浮気されたので調停を申し立てた人妻が幸せになるお話~》02. 初回の相談
「奧」とは個室のことだった。
カードキー式の鍵を開けてったそこは、黒を基調にした上品な部屋で、ライトは明るめ。二人掛けの革張りのソファが向かい合わせに置いてあり、し高めのテーブルには赤いクロスが敷いてある。窓はないが、壁には立派な額にった風景畫が飾られていた。絵畫の反対側は書棚で、黒いガラスなので中はわからないが、分厚い本が並んでいる。
「こんな部屋があるなんて知らなかった……」
私は、ぼんやりしたまま口に立っていた。その人は慣れた様子でさっさとソファに腰をおろす。
「さっきの奴ら、何度か同じような場面を見てたんだ。目に余ったもので」
「はあ……」
何度か見ていたということは、この人もこの店の常連なのか。でも會った記憶はなかった。こんな目立つ人、覚えてないわけない。もしかしたら、いつもこの個室を使ってるのだろうか。
「……余計な事だったかな?」
「いえ、とんでもないです。しつこくて困ってたので。ありがとうございました」
あわてて頭を下げて禮を言う。
そのとき誰かが扉をノックした。彼が「どうぞ」と聲をかけるとマスターが室してきた。ウィスキーのロックと、カクテルグラスの載ったトレイを手にしている。
いつもフロアにいるの店員さんが、おしぼりと、ナッツのった皿を持ってきて丁寧にテーブルに置き、すぐに出ていった。
「タイミングが良かったから、先生にお任せしちゃってすみません」
「もう出にしたら?」
「そうします。ではごゆっくり」
短い會話の後、マスターが退室すると、彼は私に「座らないの?」と問いかけた。
立っている理由もないし、とりあえず作り直してもらったカクテルを飲まないのも失禮だと思い、向かいのソファに座った。
(先生?先生ってアレ?時代劇の「先生!お願いします!」の用心棒的なアレ?なんか高そうなスーツ著てるし……靴ピカピカだし、やっぱりヤ……の人だな……臓売り飛ばされたらどうしよう……)
眉が太めで、派手な顔は私の好みじゃないけど、とても綺麗に整ってる。ウィスキーグラスを持つ指が長くてしかった。
私は何故かその人から目を離せないまま、カクテルグラスに口をつける。
あんまり見ていたので、その人が笑い出した。
 「君が何を考えてるか、だいたい想像つくよ」
 笑うと可いのでしびっくりした。
彼はグラスをテーブルに置くと、ジャケットのポケットから黒革の名刺れを出した。そこから一枚取り出して、私の方へむけてらすように差し出してくる。
名刺には
――『鳥居坂法律事務所』『弁護士 桐木敬也きりきたかや』――
と書いてあった。
「……きりき、さん、この名刺は本?まさか、そのスーツはトム・フォード?」
「いや、ブリオーニだ」
イタリアのブリオーニ?トム・フォードよりお高いじゃないの。間違いない。極道だわ。
「トム・フォードは細で俺には似合わないんだ。それとひとつめの質問に答えると、この名刺は本。資格の無い者が弁護士を騙ると、法にれるって知ってる?」
そう言って彼はまた面白そうに笑った。
「え、すみません……てっきりその筋の方かと」
「仕方ない。こんなりだから、たいてい初対面の人にはヤクザだと思われるし、面倒な時は否定しない。勘違いされてた方が便利な時もある。さっきみたいにね」
かなり失禮な事を言ったのに、彼は笑ってけ流してくれた。
「それでマスターに先生って呼ばれてたんですね」
すっかり気が緩んで、私はソファに背を預けた。
「じゃあ桐木先生、相談料払うんで、お話聞いてくれます?」
「うちの事務所は、初回の相談料は無料。ただし30分。俺では役に立てない、と思ったら10分で打ち切る。それでよければ」
「わかりました。では、お願いします。私はさっきまで夫を待ってたんです……」
そうしての上話を聞いてもらう事になった。
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