《妹は兄をする》7―兄妹―『い記憶』

「梨乃ーっ!!」

兄は相をかいて現れた。

「優斗お兄ちゃん!!」

お兄ちゃんは私をみつけると、

すぐに駆けつけた。

私は不安が頂點に達すると、

兄に八つ當たりして泣き続けた。

そんな私にお兄ちゃんは頭をでてきて、ゴメンと謝ってきた。

「心配させてゴメン!」

「お前がなかなか見あたらなかったから、俺も心配した!」

「今度からは、ちゃんと一緒に手を繋いで歩こうな!」

兄は私に手を差し出すと、私は泣きながら兄の手に摑まった。

私は下駄の花が切れてしまったことを兄に伝えると、兄は私におんぶしてあげると言ってきた。

私は兄に頷くと、後ろにまわって

兄の背中に抱きついた。

兄は私をおんぶすると、父と母のもとに

私をおんぶしながら帰って行ったのだった。

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