《妹は兄をする》8―家族―『小さな幸せ』

頬にキスしようとした時、兄が目覚めた。

「ん…梨乃」

「何?」

兄が起きると、私はその場でハッとなって慌てて立ち上がった。

「お兄ちゃんおはよう!」

私はその場で何もなかったような

態度をとった。

兄はまだ寢ぼけているのか、自分の頭を片手でかいて起き上がった。

「ああ、よく寢た…」

「梨乃おはよう!」

「起こしに來てくれてサンキュー!」

兄は私にそう言うと、私は兄に

制服を渡した。 

「ホラ、お兄ちゃん早く制服に著替えて!」

「顔洗って朝ご飯ちゃんと食べてね!」

私はそう言って兄に制服を渡した。

兄は寢ぼけた頭で制服をけとると、

私にプッと笑ってきた。

兄が笑うので私は聞いてみた。 

「…なに笑ってるのお兄ちゃん?」

兄は朝から笑いながら言ってきた。

「だって梨乃。何だかお母さんみたいだよ!」

私は兄にそう言われると、怒って部屋から出ようとした。

「もう、お兄ちゃんのバカ!」

「次は起こしに行ってあげないんだからね!」

 

怒ってそう言うと、兄は私にゴメンゴメンと謝ってきた。

「ゴメン言い過ぎた!」

「じゃあ梨乃は、俺の奧さんでどう――?」

 

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