《妹は兄をする》10―家族―『小さな幸せ』

私は呆れて兄の部屋を出て行った。

「お兄ちゃんのバカ…」

私は階段を降りながらそう呟いた。

でも、すこし嬉しかった…――。

噓でもお兄ちゃんに俺の奧さんって

言われたその言葉が、私は嬉しかった。

どんなに願っても兄妹で結婚出來ない事は、私でもわかってる…。

お兄ちゃんの花嫁にも、奧さんにも

にも、私はなれない。

だって私は兄の妹だから、同じ家族だから、をわけた兄妹だから私は兄の大事な

人にはなれない。

でも、頭ではわかっていてもお兄ちゃんが好きな気持ちが止まらない。

お兄ちゃんと兄妹じゃなかったら…――。

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