《妹は兄をする》3―溫―『れあう

「みなかったよ…?」

「自分の部屋にるんじゃない?」

私はそう言いながら、目の前にいる兄の顔を伺った。

兄の顔を見て、私は然り気無く気づいた。

――"やっぱりね"――

お兄ちゃんは普通の家庭をんでいた。普通の兄妹が當たり前だと思っている。

兄と妹が近親相をするなんて、ドラマや映畫に出てくるような非、現実的な話だ。

私はそれを壊したいとさえ思っていた。

きっと、壊したいと思うのは私のほうかもしれない。

お兄ちゃんはどうたのだろうか…?

私はそんなジレンマに駆られながら、

自分の中で発しそうな気持ちを抑えたのだった。

母は私の返事に「そう」と言い返すと、

室から出て行ったのだった。

兄は母が居なくなると、お風呂のタイルにしゃがみ込んで一安心していた。

私はそんな兄とは打って変わって、自分のを噛んで悔しそうな表をした。

あとしで……。

私は自分の中で沸き上がる歪んだ思いに、吐き気すらじたのだった。 

私は兄に話しかけた。

「お兄ちゃん驚いたね。安心した?」

私はしたたかな顔で兄にそう尋ねた。

お兄ちゃんは私の顔をみると、

凄い驚いたと返事をしたのだった。

兄は立ち上がるとお風呂場から出て行こうとした。私は不意に兄の手を摑んで名前を呼んだ。

すると、兄は後ろを振り向いて私に一言言った。

「今のは母さんには緒な?」

「父さんにもだ。言いな梨乃?」

兄が私にそう言うと、私はし落膽したような表で返事をした。

「…うん。分かってる」

私は兄の手を離すと、その場で黙ったまま立ち盡くした。 

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