《妹は兄をする》2―放課後の屋上―『彼達の

私は屋上の柵にもたれると、そこから空を見上げた。

「いいないいな」

「繭、キスしたんだ」

「羨ましい…」

私は悲観するとため息をついて、いじけた。 

「梨乃、羨ましい?」

「うん。凄く!」

「あ~あ、繭にさき越されちゃったね」

「どっちがさきにキス出來るか競走してたのにね」

私は彼の隣で素直に打ち明けた。

「そうだね、あたしたち競走してたよね」

「ゴメンね梨乃。さきにキスしちゃって…」

が隣でそう答えると、私はふざけて抱きついた。

「こらっ自慢するな!」

「きゃっ、やめてよ梨乃~!」 

私達は學校の屋上で仲良くふざけあった。

繭は私の一番の親友だった。たぶん私の中では、彼は一番の理解者だと思う。

繭とは中學一年の頃に、

この學校で出會った。 

繭と私は同じクラスで隣の席も一緒だった。

でも、はじめはお互いに話さなかったけど

徐々に彼と話しているうちに打ち解けてきた。

それから彼と一緒に行しているうちに、お互いに仲良くなっていった。

一緒に宿題したり、一緒に遊んだり、

買いに出かけたり、電話やメールをしているうちに彼との距離も段々とまった。

それにだれにも言えない話や、相談や、

悩み事を話しているうちにそれ以上の絆が私達に生まれた。

今ではお互いに大切な親友同士になれた。何よりも、私達には同じ"共通點"があった。

たぶんそれがなかったら、私達はここまで仲良くなれなかったかも知れない。

とふざけあってるうちに屋上は綺麗なオレンジの夕暮れに染まった…――。

 

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