《妹は兄をする》3―放課後の屋上―『彼達の

気がついたら空は綺麗なオレンジ

夕焼けに染まっていた。

私達は屋上の床に寢転がると、

一緒に空を眺めた。

「綺麗な夕だね」

「うん、そうだね繭」

「あたしずっと夢だったの…」

「うん」

「小さい頃から憧れてた…」

「わかるよ」

「はじめてのキスは大好きな人とするって決めてたから…」

「うん、そうだね」

「私もそう思うよ」

「蓮にキスされた時、本當に嬉しかった…」

「だって無理だっておもってたから」

「うん…」

「一瞬でもいいの」

「蓮の気持ちに私がいたらそれで…――」

「繭…」

私は悲しげに話す彼の手に自分の手を重ねた。そして、優しく握ってあげた。

私は繭の気持ちが痛いくらいに

わかっていた。

それはけして、葉わない願いだから……

想う事も許されないだから、私は彼に自分を重ねた。

憧れやも、他の子達が抱くようなものは違っていた。

自分の想いを伝えたら直ぐに消えてしまうような、そんなシャボン玉みたいな淡くて儚いをしていた。

私と彼の「共通點」。

それは、自分の兄を好きになってしまったことだった…――。

 

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