《妹は兄をする》1―兄の災難―『それは悪夢の一日』

それは誰かが學校に持ち込んできた一冊のエロ本だった。

クラスの男子達はそれを面白がって、

子達に隠れてエロ本を皆で回し読みした。

しかも、そのエロ本はかなり過激な容のものだった。

たぶん未年者が簡単に読めるものではなかったのは確かだ。

それこそコンビニや本屋で堂々とそれを

買う奴は、ある意味勇者だ。

それを誰が學校に持ち込んできたかは謎だったが、男はそれに弱い生きだ。

俺だって興味がないわけじゃない……。

クラスの男子はそれを度試しに読んでは、バカみたいに騒いで楽しんでいた。

そして、気がつけばそのエロ本が

俺のところにも回ってきたのだった。 

育が終わって更室で制服に著替えると、

俺はネクタイを絞めずに慌てて

教室に向かった。

教室にるなり2人の友人に捕まった。

「神崎ちょうどいい所にきたな!」

「まあ、座れよ!」

俺は強制的に自分の椅子に座らされた。

「なんだよ松本と小野寺、離せよ!」

「ほら、神崎これを見ろ!」 

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松本は俺の機にエロ本をドンと置いた。

「うわっ、ちょっ…!」

「俺の機にエロ本置くなよ!」

「お前のところにもエロ本回ってきたぞ?」

「俺らのところにもこれ回って來たんだ」

「俺達はもう見たからお前も絶対みろよな!」

「見なきゃ死刑確定だ」

「バーカ!」

「だれがそんなもの…!」

俺はそう言い返すと、エロ本を

わざと床に落とした。 

「お前達が勝手に騒いで喜んでるんだろ!」

「俺を騒ぎに巻き込むなよ!」

そう言って反抗すると周りにいた男子が、俺にチョッカイを出してきた。

「なんだよ優斗」

「エロ本にビビって見れねーのかよ?」

「それとも怖いのか?」 

「黙れ須藤!」

「誰がエロ本にビビるか!」

「じゃあ、見ろよ!」

「うるせぇな…!」

「見ればいいんだろ見れば!?」 

俺は思わずカッとなると、エロ本を床から拾って自分の機に捩じ込んで閉まった。

そして、俺達が教室で騒いでるとクラスの子達が著から制服に著替えて戻ってきた。 

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俺達は慌てて平靜を予想と、何もなかったようにやり過ごしたのだった。 

俺はしばらく機に閉まったエロ本の事は忘れて、授業をけた。

俺はガキみたいにはしゃいでる

クラスの男子に、なからず呆れていた。

たかがエロごときで騒ぎやがって…!

お前らは思春期の中坊か!

俺は怒りをあらわにすると、右手に持っているシャーペンのシンをへし折った。

見たくもないものを見せられることに、

俺は不愉快な気分になってイラついた。

そして、學校が終わる頃には俺はエロ本の事はスッカリ忘れていた。

俺は鞄を持つと椅子から立ち上がって、教室から直ぐに出て行った。

校舎から出ると俺はフと思った。

そう言えば梨乃のやつ、もう帰ったのかな…?

俺はし気になると、梨乃がいる中等部の校舎へと向かった。 

俺と梨乃は中高一貫のエスカレーター式の學校をけていた。

俺は高等部で梨乃は中等部だった。

ちょっと學校の中を歩けば、直ぐに會えるような距離だった。

何でエスカレーター式の學校にったかは、よくわからないけど…。

小さい頃、梨乃が俺と同じ學校に

りたいと言ったのがきっかけだった。

珍しく梨乃がくずるもんだから、父さんと母さんが俺達をおなじ學校に

れようと決めたのが、今の結果になる。

まあ、あの時。俺はそのことを深く

考えてなかったから。 

梨乃が俺とおなじ學校にりたいって

言うなら俺は構わなかった。 

それに一緒だと、俺の目に屆くから

何かと良い點もあった。

何せ今の世の中は何が起こるかわからない騒な怖い世の中だ。

もし可い妹に何か起こっては、兄として面目が立たない。

それに學校であいつがいじめられてたら、俺が梨乃を全力で守ってやる!

それが兄としての當然の義務だ。 

なんて…今時、正義ヅラした兄貴は妹にウザがれるか?

本當はどうなんだろうな……。

俺はそんなことをおもいながら、中等部の校舎に向かったのだった。 

中等部の校舎に訪れると、そのまま梨乃がいる教室に向かった。

久し振りにみる校舎の中は、相変わらず

変わっていなかった。

ここを卒業して2年が経つが、なんだか

懐かしいじがした。 

俺がいたクラスは3年B組になる。

今はそこは下級生の子達が使っている。

たとえば梨乃がいる教室は、

俺がいた教室だった。

ウワサじゃ俺いた席は、今は梨乃が使っているらしい。

あそこの席は窓際だったから場所的には最高だった。

授業中、暇潰しに外を眺めるには最適な場所だ。

それに夏は風が近くでじるので窓際から離れてる席の奴にはよく羨ましがれた。

俺はフと昔のことを考えると、急にあの教室に戻りたくなった。 

梨乃がいる教室は3年B組だった。

俺は近道して、職員室の側にある階段から上に登った。

2階の階段を上がると、途中で元擔任の教師とすれ違った。

越智はアゴがしゃくれていて

背が高いところからあだ名はジャイアント馬場だった。

ジャイアント馬場と言うのは、

有名なプロレスラーの選手の名前だ。

誰かがつけてから、皆に越智は

馬場と呼ばれるようになった。

越智は俺と鉢合わせするといきなり絡んできた。 

 

「お前は神崎だな!?」

「中等部の校舎になんの用だ!」

「さては悪戯しにきたな!」

越智はそう言うと俺に積めよってきた。

「バカ、ちげーよ…!」

「俺はただ妹の様子をみにきただけだ!」

「離せよ馬場!」

「神崎、いい加減私を馬場と言うのはよせ」

「越智先生と呼びなさい!」

「うるせーよシャクレ魔人!」

俺はそう言い返すと越智から素早く逃げた。

越智に絡まれると話が長くなるので、俺は咄嗟に逃げると2階の廊下を全力で走った。

「ハァハァハァ…!」

「よりによって馬場と出くわすなんてついてねー」

「今頃、越智の野郎必死に俺を探しているんだろうな」

俺は息切れすると近くにあった水道で、水を飲んだ。

水を飲んでいると下級生のの子3人が

俺を見てきた。

たしかにここは中等部だ。高等部の生徒がくる所じゃない。

きっと俺のこと珍しがってるんだろうな。

俺はそう思うと苦笑いをして直ぐに

そこから立ち去った。

するとさっきの子達が俺に聲をかけてきた。

「あの、もしかして高等部の生徒ですか?」

「その制服、高等部の制服ですよね?」

俺は彼達の質問に軽く答えた。

「ああ、そうだよ」

すると下級生のの子3人が、

俺に向かってキャーキャー騒ぎ出した。 

「お前達騒ぐな!」

「うるさいからどっか行け!」

俺は咄嗟にあしらった。でも、3人は

キャーキャー騒ぐと俺に絡んできた。

「高等部でこんなカッコいい人がいたなんて信じられない!」

「スッゴくカッコいいですね!」

「先輩名前教えて下さい!」

「私達コッソリ會いに行きます!」

「てか私タイプです!」

「いきなりですが付き合って下さい!」

「メル友でもいいですから!」

「ちょ、あんた抜け駆けは許さないわよ!」

「先輩、この子より私の方がタイプですよね!?」

「先輩、今フリーですか?」

「先輩ってジャニ系の顔ですね!」

俺は3人に取り囲まれると、

猛烈にアタックされた。

しかも、質問攻めに合って俺は顔から

冷や汗をかいた。

「鬱陶しい!」

「どっか行け!」

「俺は梨乃に用があるんだよ!」

「きゃっ、怒った顔も素敵!」

「ますますタイプです!」

「あの、梨乃って誰ですか!?」

「もしかしてここの生徒ですか!?」

「先輩の彼ですか!?」

俺は再び質問攻めにあうと

頭の奧が痛くなった。

余りにもしつこいので、俺は3人に向かって古典的な方法で引っ掻けて気をそらすと、猛ダッシュで廊下を走った。 

俺は全力で廊下を走って3人の魔の手から逃げた。

ものすごい勢いで絡まれたから、

俺は久しぶりに顔をひきつらせて焦った。

しかも出會い頭に俺は、猛烈な

アタックまでされた。

「一あいつらどういう神経してるんだ!」

「てか、いきなりメル友とか無理だし!」

「ヤバい久しぶりに焦った…!」

しかもあの勢いは、ぐるみを

はがされそうな勢いだった。

俺は3人をまくと、素早くどこかの

教室に隠れた。

やっとまいたと思って俺はスッカリ

安心しきっていた。

すると、近くの廊下からあの3人の聲が

聞こえてきた。

「さっきのイケメン超カッコよかった!」

「名前聞いとけばよかったなぁ」

「あんなイケメンうちのクラスの男子には、一人もいないから殘念☆」

「髪型とか決まっててさ」

「見た目も悪くなかったね」

「あれは絶対、掘り出しモノだって!」

「あたしあの人好きになったかも!」

「何よあんた!」

「ちょっと抜け駆けする気!?」 

「あのイケメンは私が捕獲するんだから、アンタは黙ってなさいよ!」

3人は俺が隠れている教室を橫切ると、

何だかただ事ではない話をしていた。

出會い頭に猛烈なアタックをけて、

そして次は狙われている…!

「お、俺ってけっこうモテるな…」

「ハハハッ…」

俺は半笑いをすると、直ちにこの校舎から立ち去る事を決めた。

でもその前に、妹がいる教室に

行かなくては…!

俺はフとそれを思い出すと直ぐに、

3年B組の教室に向かおうとした。 

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