《妹は兄をする》3―兄の災難―『それは悪夢の一日』

「さて、お前の可い妹ちゃんはどこかな?」

「噂じゃ、S級って聞いたぜ?」

「どんだけ可いか俺がチェックしてやる」

「いるんだろ妹ちゃん?」

「隠しても無駄だ!」

「今すぐここに呼んで來い!」 

「お前たち兄妹は包囲されている!」

「ふざけるな斷る!」

「ゲスの極みに、おれの可い妹を見せてたまるか!」

「塩まく前に消え失せろ!!」

「ハァハァお兄ちゃん」

「そこをなんとかお願いします!」

「息を荒くさせるな変態!!」

「ねぇ、ちょっとでいいから見せてよ?」

「い・や・だ・!」

「じゃあ、妹ちゃんのメアド教えて?」

「殺す!」

「だれがテメーに教えるか!」

「じゃあ、攜帯の番號でもいいから」

「お前マジで鬱陶しいぞ!」

「かりに妹の攜帯にかけてでもしてみろ!」

「俺が全力で阻止してやる!!」

「いいだろ優斗!」

「俺達ともだちだろ!?」

「お前みたいなゲスに妹を曬すくらいなら、今すぐ縁を切ってやる!!」

玄関の前で大きく言い返すと、上から聲が聞こえてきた。 

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「お兄ちゃんどうしたの?」

「下にだれかいるの?」

梨乃は部屋から出て來ると、2階から聲をかけてきた。

階段からスリッパの音が聞こえてくると、俺は咄嗟に妹に命令をした。

「梨乃、部屋から出るんじゃない!」

「俺がいいって言うまでは、部屋から絶対に出るな!」

「え…?」

「でもなんか変だよ?」

梨乃はそう答えると再び下に降りてきた。

俺は小野寺に見せてたまるかと思うと、

最後の手段に出た。

「梨乃、來るな!」

「下に大きなゴキブリがいる…!」 

「キャッ!」

「お前の大嫌いなゴキブリだ!」

「お兄ちゃんがゴキブリ退治してやるから、大人しく部屋に戻ってなさい!」

「う、うん!」

「わかった。部屋に戻ってるね!」

妹はそう答えると降りかけだった階段を

再び上に登って行った。

2階からはドアが閉まる音が聞こえた。

俺はなんとか阻止したと、その場で

安堵の表を浮かべた。

「ちょっといいか優斗…」

「ゴキブリってまさか俺のこと?」

「悪い、おまえ以外に思いつかない」

「ひっでぇ!」

「それが友人に対していうことか!?」

「うるさい小野寺!」

「早く帰んないと殺蟲剤をまくぞ!」

「フン、必死だな優斗」

「俺に妹ちゃんを見せまいと必死のようだが、俺はたった今みてしまった!」

「ふざけるな…!」

「んなわけあるか!」

「チッチッチ。甘いな」

「アレを見るがいい!」

「階段の前にある鏡から、妹ちゃんの姿がちょっとだけ見えたぞ!」

「目に焼きつけておいた」

「あのスラリとした足を今晩のオカズにしてやる!」

「ついでに可い聲も頭に録音しておいた」

「あのキャッって聲をメインに、俺は妄想の中でお前の妹ちゃんとムニャムニャ」

「な、なんてゲスの極みだ…!」

「最低だお前!」

「俺の妹におかしな想像を膨らませてみろ」

「お前の間に五寸釘を打ってやる!!」

俺は威圧して言い返すとヤツを睨んだ。 

「とっとと帰れ!」

玄関の前で怒鳴ると、小野寺は俺に

一言言い返した。

「ああ、言われなくても帰るさ」

「でもその前にお前にコレを渡さないとな」

ヤツは鞄を開けると中から

雑誌を取り出した。 

「お前、機に忘れただろ?」

「ほらけとれよ!」

小野寺は俺にあのエロ本雑誌を手渡した。 

雑誌をけとるやいなや、

俺はそこで慌て出した。

「ふざけるな小野寺!」

「エロ本をこんな所で堂々と渡すな!」

「お前そんなを渡す為に俺ん家に來たのか!?」

「ああ、そうだ!」

「お前にまわって來たんだから、読むのが當然だろ?」

「誰がそんなもの読むか!」

「俺に回してくるなよ」

「大丈夫、はじめは皆そうだったから」

「読んだら次は風間にまわせよ!」

「これは俺達の連帯の問題なんだからな」

「でなきゃ俺があいつらに殺される!」

「大げさなんだよお前!」

「あいつらって須藤と米田と窪塚だろ?」

「あんな奴らにビビる必要はない!」

俺は小野寺に渇をれると、仕方なく

エロ本をしぶしぶけ取った。 

「ホラけ取ったんだから早く帰れよ!」

「さすが優斗、優しい!」

「おれ惚れそう」

「惚れなくていい」

「ホモるなら他のヤツにしろ!」

「じゃなあな小野寺!」

俺はそう言い返すと玄関のドアを閉めた。

外からはあいつが玄関の前から

立ち去っていく足の靴音が聞こえた。

やっと帰ったと思った俺は疲れた顔で

ため息をついた。 

「つったくよ。小野寺の野郎」

「こんなをワザワザ屆けにきやがって!」

俺は舌打ちをすると、持っているエロ本を靴箱の上に置いた。

しかし、こんな所に置いていたら上から降りてきた妹に見つかるかもしれない!

そうしたら俺は妹に変態兄貴と思われるに違いない。

俺はそう思った途端、エロ本を服の中に隠してトイレに直行した。

 

俺はエロ本を服の中に隠して、

急いでトイレにった。

便座を下ろして座ると、そこで一息ついた。 

「あ~ひと安心」

「これで落ち著く!」

ハッ…!!

まてよ、一何に落ち著くんだ!?

トイレにエロ本持って來るなんて、

なんかおかしくないか!?

まるで思春期の若い男が母親に隠れて、

家の中でコソコソHな雑誌を見てるようなものじゃないか!

ましてやトイレにエロ本と紙ときたら、

もうアレするじの雰囲気だろ!

いや、違う!

落ち著けおれ…!

俺は別にその為にったわけじゃない!

妹にエロ本を持ってる所を見られたく

なかったわけだし、どこかに避難するのが賢明だろ。

でも、待てよ…!

もし、トイレから出た所を妹に

見られたらまずい!

エロ本持ってトイレから出たら、

変な目で疑われる。

そんなの俺は耐えられない。

きっと俺のことを優斗お兄ちゃんと

言わなくなるだろう。

そして俺は妹に変態兄貴として

呼ばれるハメになる。 

梨乃はまだ15歳だ!

兄貴が変態だったら、きっと妹は

大きなショックをけるに違いない。

しかも、こんなエロ本を堂々と持ってたら

ますます怪しまれる! 

むしろエロ本持ってる所を妹と

鉢合わせしたら、なんて説明する気だ!

とにかく今すぐここから出るんだ!

妹が2階から降りて來る前に…! 

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