《妹は兄をする》4―兄の災難―『それは悪夢の一日』

トイレからコッソリ出ると、俺は真っ先にリビングに向かった。

居間にると、俺はソファーに座った。

早いところ見てしまえ!

そして早くこれを風間に回そう。

俺はエロ本を手にとると、ページを

捲ろうとした。

ハッ!

待て、本當にここは安全だろうか?

もしかしたら母親が買いから

帰って來るかも知れない。

息子が居間でエロ本雑誌を堂々と読んでいたら、それこそアウトだ!

エロ本雑誌を読んでいた事を父さんに言いつけられたら、來月のお小遣いが危ない!

いいや、ひょっとしたら見ている所に

後ろから妹が來るかもしれない!

俺がエロ本をこんな所で見てたら、

冷めた目でみられる!

寧ろひらき直って妹にこう言えばいいのか?

「お兄ちゃん何読んでるの?」

「お兄ちゃんは今、エロ本を読書中なんだ」

「すまんが邪魔はしないでくれよ妹よ」

なんてひらき直ればいいのか!

これでは今まで築き上げてきた、俺の

「お兄ちゃん象」が崩れるではないか!

とにかくそれだけは阻止したい!

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変態兄貴と呼ばれるのだけは絶対いやだ!

クソ、小野寺の奴こんな

持ってきやがって…!!

 

エロ本を再び服の中に隠すと、

忍び足で2階に上がった。

2階に上がると気配を消して、

自分の部屋に戻った。

ここなら見れる。

エロ本を………。

ゴクン。

いや、別にやらしい気持ちで

見るつもりじゃないぞ。

これは俺の意思に反してる。

見たくて見るんじゃないからな。

俺は小野寺からコレを回されたから

見るんだ!

俺は自分の中で自問自答して葛藤すると、

服の中に隠したエロ本を取り出だして

見ることにした。

本を改めて手に取ると張した。

ついでに妙な汗をかいた。

気分は中坊の頃、初めてエロ本を見た時と同じようなだった。

いや、これは初めて本屋でエロ本を

買った時のだ。

もうどうでもいい。

とにかく俺は早く見ようと張した指先で

ページを捲ってみた。

『こ、これは…!?』

『す、凄い…!』

『けっこう大きいなこの娘…』

ハッ!

俺は一瞬だれかに見られてる気がした。

慌てて周りを確認すると部屋には、誰もいなかった。 

俺は挙不審になりながら、

部屋の中で安全な場所を探した。

「妙な汗が出てくる」

張し過ぎか…」

「って、何エロ本ごときに張してるんだ!」

「と、とにかく落ち著け!」

俺は深呼吸するて再びエロ本を捲ってみた。

さすがエロ本雑誌。そこら辺にある雑誌に載っているグラビアアイドルよりも

過激だった。 

俺は二三ページ捲っただけで本を閉じた。

「う~ん…」

や人妻は俺にはわからないな」

「俺はもっと小さくて可い子が…」

ハッ!

何ひとりで好みを語ってるんだ自分!

とにかくもう見たんだ。

早くコレを風間に渡そう…!

風間の家はチャリンコでダッシュすれば、そう遠くない距離だった。

俺は機からチャリンコの鍵を取り出すと、風間に前借りた漫畫雑誌とエロ本を小脇に抱えて部屋から出て行った。

こんな一秒でも部屋の中に置いときたくないと思った俺は、部屋を出るなり慌てて階段を降りようとした。

すると、階段を降りてる途中で梨乃に偶然鉢合わせしてしまった――!

 

階段を降りてる最中で妹と鉢合わせをした。

まさに絵に描いたような悪夢だった。

しかも小脇には、漫畫と一緒に

エロ本を抱えている。

まさにピンチだ…!

心臓が急に早くなると、冷や汗を

かき始めた。

「あ、優斗お兄ちゃんどこ行くの?」

妹はまだ気づいていないのか、

キョトンとした顔で俺を見上げた。

テンパると真っ先に下に

降りようとした。

「あ、ちょっと外に行ってくる!」

上から慌てて降りると、すれ違い際に

梨乃とぶつかった。

「キャッ!」

「うわぁっ!」

その時だった。

ぶつかった弾みで俺は小脇に抱えていた

漫畫とエロ本を足下に落としてしまった。

 

俺は一瞬しまったと思うと、

背筋が凍りついた。 

足下には本が二冊転がっていた。

梨乃、頼むから早く上に行ってくれと

心の中で強く念じた。

この狀況で妹にエロ本を発覚されたら、

もう終わりだ!

俺はそう思うと頭が真っ白くなった。

しかし、梨乃はよりによって俺の足下に落ちているエロ本と漫畫を親切に拾い始めた。

「あ、お兄ちゃん床に本おちてるよ」

 

「あっ…!」

「ダメ!」

 

「それは…!」

俺はとっさに制止した。しかし、梨乃はエロ本に気づいてしまった。

妹は漫畫の下からエロ本雑誌を見つけると、

顔が固まって目を丸くさせていた。

俺はもう終わりだと心の中でんだ。 

頭には変態兄貴の汚名が脳裏に過った。 

間違いなく妹は今、俺にショックを

けてるに違いない。

い妹に変態兄貴と呼ばれたら、

それこそ兄として終りだ。

俺は一生妹に変態兄貴と呼ばれるのかと思うと、気がどうかしそうだった。

まさに俺にとって今エロ本は、脅威の存在でしかなかった。 

梨乃は無言でエロ本と漫畫を拾った。

俺は妹がなんて言うのか、張した

顔になりながら構えた。

梨乃は俺の方をジッと見てくると次の瞬間、エロ本と漫畫を笑顔で渡してきた。

「はい、お兄ちゃん!」

「え…?」

妹は普段どおりの様子だった。

俺に本を手渡すと、妹はそのまま2階に上がって自分の部屋に戻った。

俺は一瞬、妹にマジで変態兄貴と呼ばれるかと思った。 

もしかしら梨乃のやつ、

気づいてなかったのかな…――?

俺は一瞬、そんな甘い期待をした。

しかし、そうとは限らない。

本當はエロ本に気づいてたけど、

あえて俺に優しくしたのかも知れない。

梨乃は昔から気立てが良く、

優しい子だったから……。

ひょっとしたら気づかないフリを

してくれたのかも知れない。

俺は自分の中で悶々とすると、

煮えきらない思いを抱えたまま

玄関に向かって靴を履いた。

ああ、なんだか今日は疲れたな…

こんなはやく風間に渡そう。

俺はシンドイ思いをの中に引きずると、

自転車に乗って風間の家に向かった…――。 

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